空わたり沈むまなざしみずたまり
二季またぎそよぐ野の墓みずたまり
何も得ず何も見ず居るみずたまり
輪を{ルビ描=か}かずめぐる生の輪みずたまり
....
1
もう、
ふりかえらないのだ
髪をゆらしていった風は
束ねることはせず
つまさきは
後ろに広がる汀を
走れない世界にいて
こころだけがいつまでも
波になりたがっている
....
介添えの眠るお天気雨
ふくらませたかかと
眼を覚ませば
占いのためにだけ
花を摘めない人がいる
なくした言葉を入れる
風の器は すぐに壊れ
花の行方に問いたかったのに
ここ ....
最近嵩麻呂さんの携帯写真+詩に「これはクローバーじゃなくてカタバミです」とコメントをつけた。四つ葉のクローバーが出てくる詩は悪くなかったと思うけど、写真に写ってるのは確かにカタバミだった。クローバーで ....
Ser immortal es baladi;
menos el hombre, todas las criaturas lo son, pues ignoran la muerte;
lo ....
{引用=長いのでお暇なときに読んで頂ければうれしいです}
reonさんの散文『フォーラムのポイント付与あるいは詩と批評についての考察』を読んで、「詩を描かない批評家がいない」ってのは、 ....
自己欺瞞でも嘘でもアホでもうんこでもいいのである。はっきりいや不幸のどんぞこでもいいのだ。なんでもけっこう。鬱病失業借金に加えて、特定疾患の難病に逮捕、なんでもきやがれ(って正直なところ私にはその全部 ....
ふりかけるのか ふりかけないのか
お前はご飯の上でふりかけを振りかざして迷っている
頭の中じゃ花びらちぎって物事決める乙女になっている
お前は乙女座かもしれないけど間違いなく野郎だぞ
ふりかけ ....
駅前に
都会が落ちていた
命のように
きれいだった
なくさないように
拾って
ポケットにしまった
そして
三年振りの待ち合わせに
僕は現れなかった
帰り道を歩いていたら
ぽとん
となにかが落ちたので
ふりかえった地面には
電池が一つ落ちていた
( 塀越しの小窓から
( 夕暮れの風に運ばれる
( 焼魚の匂 ....
春風よわたしは山に籠もります春の匂いを極めてきます
砂塵舞ふ 濡れし視界をみぎひだり桜ぞ桜のままに毀るる
月面を宙返りせしあの影は二月生まれのナルシストなり
....
街灯に蛾が群れている
明滅する明かり
雲がさあっと横に分かれて
月が顔を出した
誰もいない
蛾がひっそり群れている
角からぽーんと勢いよく
何かが飛び出した
赤いビニー ....
父の古くからの友人Kさんが亡くなった
現場仕事で足を滑らせて
屋根から落ちてしまったのだという
一人で作業をしていたので発見が遅れたのだとか
うちからは遠く離れた岡山県の端の方での出来事
....
80と書かれた小さなギザギザの紙を
昨日拾ったんだけど用途がわからない
お母さんに聞いたら
あんたそんなもの何処で拾ってきたの!!?
と剣幕を立てられた
その後辞書で調べると
これは郵便物 ....
2007/05/16
八雲立つ出雲八重垣妻籠みに八重垣作るその八重垣を
中学を退学して古本屋に丁稚奉公して年期が降りて
小さなお店を持ちたいと父に借金を ....
木々によるさまざな動議が
夜の土に投げ出されている
光源を追い抜く影の群れが
道を軋ませ ころがってゆく
空は三つの重なりから成り
そのどれもが朝から遠く
空は
自由 ....
遠雷が止み
雨の最初の一滴が落ちるまでの
僅かな静寂に
こころ、ふと無になり
空の灰色を吸い込む
程なく落ち始めた雨粒に
再びこころには
水の班模様が出来て
潤う、のでなく
惑う ....
どこかに逃すために
ついた
ため息が
横隔膜の辺り
胸の底で跳ね返ってきて
鼻の奥で膨れ上がる
ぼわん
ぼわん
膨れ上がって
こみあげる
涙の ....
溢れでるものが 涙だけならば
錆びたナイフで故意に 傷つけたりしない
優しい感触で こぼれ落ちるなら
汚れた手を翳して 罪を重ねたりしない
ときどきは 昔のように あなたを想ってる
....
そういえば、春をずっと待っていたのです。春らしからぬ、風に身をよせ
いつのまに桜は散ってしまったの?桜のように私も消えたい
その月を明るくなるまで探してた。君も見ている青い月です
一 ....
吹きぬける冷たい風の空高く
ひかりの鼓動は
静かにそそぐ
雪解けをあつめて川は哭いている
生まれたばかりのわたしの春に
ひとひらの可憐な花は弓使い
瞳砕けて曇りをうるむ ....
胸の中の灰色の重たるい空に
気怠く浮かぶとりどりの飴玉のような
飛行船の数を数える
数えたそばから何度でも忘れるために
曇を知らずに
ついばむかたち
花のかたち
あこがれ
うしろめたさ
午後の砂の輪
置き去られた目の幾つかが
むずがゆくからだにひらいても
窓を見つめることがで ....
南風に乗って、夏が
駆け込んできた
いつだったか あなたは
疑いなく寄せるそれを
レモンの光、と呼んで
指先で掬い上げて口付けをした
透明な時軸につかまって、僕は
ひとま ....
さあ 遠い 遠いだろう
線路がどこまでも広がってる 遥か
矛盾の地平線を越えて
此処にはもう何も走らない
ただどこかの荒れ狂った国の
少女の吐いた溜息が風葬されるだけ
視点が届かな ....
ぼくたちの
よろこびや
かなしみには
いろいろないろが
ふちどっている
どうかどうか
まぶしすぎることが
かなしみにならないように
....
いい子ねえ、って
大人からいつも
あたまをなでられていたから
ぼくはおおきくなれなかったんだ
と、いって
そらちゃんは笑う
海のみえるブランコが
そらちゃんのなき ....
光なく音もたてずにうねりゆく野火の描く蛇さまよういのち
はねのける受け入れるだけが生でなく争うことは戦いでなく
足跡も足音も絶え他を焼かず自らを焼く火を歩みゆく ....
青い
夜明けのような{ルビ苧環=おだまき}の花を行き交い
小さな蜂が羽を震わせている
光は飴色に輪を広げ
触れるたびに緑の葉は揺れ動く
あいさつのように かすかにそっと
....
フロントガラスに映る
木漏れ日をなぞって
睡眠体勢をとる
外に出てしまうと
少し、汗ばむ陽気だけれど
一つ隔てた世界では
丁度良い感じだから
上昇気流に乗って
飛ばさ ....
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