君と
君の子供と
動物園へ遊びに行く

動物園のない町に住んでいるので
キリンもカバも見たことがないからと
地下鉄に乗っている間も
図鑑で予習に余念のない二人を
窓鏡に映る姿で見つめる ....
父親が午後に死んでも腹は減る


眠くても胃が痛くても腹は減る


かゆくてもぶつぶつ出ても腹は減る


もどき詩が詩のふりしても腹は減る


鳴り止まぬ洞のむなし ....
まるいかたち
まるくないかたちのものが
手ではない手にこぼれ落ち
光や
光ではないものとともに
器のなかで鳴りつづけている


低い草  永い風
畏れをわずかに避ける影
 ....
夜とカケラと
くず拾いの顔
コップをコップで閉じ込めた輝き
薄め 薄めて
水より薄く
足を伝った油の罪
月は彼等に殺された
私は月を想って泣く
封じた想いは耕され
見たこ ....
?.

あなたを
あなたのすてきなところを

一日
大切にする

あなたを
あなたの汚れたところを

裏返して
日に透かしてみると
おかしな影ができるから
その影に指で ....
朝に
林檎がもがれる


それは
太陽になり
風になり
私のもとへとやって来る


おはよう
ごきげんいかが
と はにかんで


さくりと
歯に当てた
ほのかな酸味
 ....
あたたかく冷たい砂につつまれる湧き水の音めぐるむらさき



饒舌を打つが私の常ならずハチドリの羽ハチドリの水



指さきに降る水銀の一粒に触れに来る火の姿はまわる

 ....
きりきりと張られた
暗い夜道

向かう音のない雨
片側だけで 聴く耳
もうひとつの行方 

舗道を流れる
外灯の明りに
寄りすがり
つぶてに 落とされた 蛾

パタパタと 動か ....
 
山里深く
美しい女が独り
淋しく庵を結んでいるとの噂を聞きつけ
伊達男や
誇り高い益荒男どもが
我こそはと
鼻孔をうごめかせつつ尋ねて行ったが

その度に女は
こんなときを ....
巌に一列に並んで
暮れなずむ彼方に見入つてゐる鵜よ

さうしてゐれば
見えなくなつていくものが
現れてくるとでもいふやうに
水平線を見据える鵜よ

こんなにもひしひしと迫り ....
―もう少し生きてみるか―
駅の改札を出てきて
ふと洩らした中年男のことば
連れがいるわけではない
一人で改札を出てきて
ふと洩らした独り言

僕は電車に乗ろうとして
改札に向っ ....
水色のキャンパス
白い花びら、ふたつ、みつ
風の描いたような君の唄
軽く手をふるハロー、ハロー


 鉛筆画の微笑みは
 鉛色の雫でできてるの
 はじめから
 うまくのれてなかった、 ....
呵責 秘権
散夜 濁涙

泡溺 斬夢
影詩 逢瀬

琉音 咲光
幾百 幾乞
指先で爪
らしい
爪 らしく
きちり

、血のうずく)。不安定な水晶時計(、
の公転にはなじまないけれど
今日のような雨天では
暗雲にさらされて
爪を)紅くぬる

さっと泳ぐのは ....
ハニーカム
あなたは先に行って待ってて
甘い桜の薫るあの大きな木の横で

ハニーカム
これは小さな幸せの呪文

擦り減ったスニーカー
石ころを蹴飛ばして明日に辿りつけたらいい

私 ....
秋の公園には

白いベンチが

木漏れ日を浴びて

鎮まつてゐる



桐の葉がひらりと

ベンチにのる

どうぞ私を敷いてくださいな

またひとひら ふた ....
生暖かな風が吹き抜けてゆく
ようやく緑の穂をつけた
オーチャード・グラスが
ざわざわとざわめく

雨が降る

雲はまだ薄く
北の空には光が残っている
ふいに、蕗の葉が大きく翻って
 ....
輝くものはいつも
はるか遠くに置かれる
届かないとわかっていても
暗闇の中で
求めてしまう
温もりのない光とわかっていても
そこで燃えているものを知っている
そして永遠を誓ったりする ....
波や風は待つものなのよ、と
長い髪を旋律で
砂浜の反射が切り抜いて
細めた視線の届く先に
僕の胸は高鳴る
星座盤の小さな窓から見たように
君のことを知ったかぶりしていた
そんな気がすると ....
カタツムリは
どうしてあんなに大きなラツパを
引き摺つて歩くやうになつたのだらう

身に余るラツパの大きさに
閉口してゐるのはよく見かけるが
いまだそのラツパが吹き鳴らされたの ....
その山はあまりにも高すぎて
今の自分では
登ってゆけそうにない

でも登ってゆかなければ
今の自分は今のまま
狭い世界しか見えない

山のふもとから
山の高さに文句を言っても
その ....
目が覚めると
必ず何か足りないものがある気がして
一呼吸置いてから窓を開ける
抜け落ちてしまったような
最初からなかったような
秋の始まりに吹く風が
季節に置いてけぼりにされた風鈴を鳴らし ....
本屋には 本がいっぱいあるのに
もうあれもこれも 読む時間がない
知命の午後の やわらかい光のなか
きまって本棚の隅に 咲くという
まぼろしの詩集を さがしている
旅が
かすかにかしいでいる
分かれゆくかがやきの幾つかが
道に沈み 泳ぎ去る


家の陰に落ちてくるのは
わずかに早い 未来のまばたき
午後を閉じては
またたかせている
 ....
その部屋のドアには
いつも鍵なんてかかってない

何を見るでも無くつけてあるテレビ
壊れかけのVHSプレーヤーの中から
半分だけ顔を出しているアダルトビデオ
埃をかぶった少し古めのDVDプ ....
早朝 
{ルビ浴衣=ゆかた}のまま民宿の玄関を出ると 
前方に鳥居があった
両脇の墓群の間に敷かれた石畳の道を歩き 
賽銭箱に小銭を投げて手を合わす 

高い木々の葉が茂る境内を抜けると  ....
午前一時二十分 
列車の連結部近くの狭い一角 
床に腰を下ろした青年は 
震えるドアに凭れて眠る 

( 手すりに{ルビ柄=え}を引っ掛けて
( 吊り下がるビニール傘の振り子 

真夜 ....
 黒揚羽 日に咲く羽音 染めてありし世



         零の



( 、血のうずく
私を見つめる
その目は
黒く透けていて底もなく
ゆらぎもせず
胎内で夢を見ていた ....
雨が上がると
空気が透明を増して
夏の名残と夢とが冷まされ
水の中を歩くように九月

夏服の明るさが
どこか不似合いになり
息を潜めていた淋しさだとか
熱に乾いていた涙が
堰を切 ....
スパーンは何度も訪れる

スパーン!!

昨日、私は小泉首相になった
角ばった頬と細い目
三角定規の鼻
確かに、あのときは首相だったから

スパーン!!

鉄線好きなんだな
気 ....
ふるるさんのおすすめリスト(5744)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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夜行列車_- 服部 剛未詩・独白6*06-9-5
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輪舞(ロンド)- 銀猫自由詩19+*06-9-3
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