その者はすべてを悲しくひきよせるという
そして誰も味わえない果実を実らせている
たったひとり)

わたしは{ルビ縁=ふち}の無い波紋であり
行くあてのない
昨日が
おいでおいで
と手招 ....
人が創る地獄絵は
恐怖と醜さが鮮明で
人が想う天国は
幸福と美しさが不透明

人の批判は瞬時に知れ渡り
功績はすぐに消えてゆく

否定することはたやすい
ひとたび否定の沼に溺れれば
 ....
うたたねをして目覚めると 
一瞬 {ルビ黄金色=こがねいろ}のかぶと虫が
木目の卓上を這っていった 

数日前
夕食を共にした友と 
かぶと虫の話をしていた 

「 かぶと虫を探さなく ....
正しい生き方
というものがあるのなら
それは果たしてどんなものだろう

正しい生き方は
少なくとも規則正しい生き方では
ないようだ

無駄があってこそ
その人はその人になれるのだから ....
この向こうに、
きみへの窓があると、
そう信じていた夏。

返ってくるはずのない、
手紙を書き続けていた。











 ....
わたしの余白には言葉を埋めないで、
どうかそのままにしておいて下さい。
あなたが埋める言葉はとても想いので、
ふたりはいつも沈んでしまいます。

句読点のない ....
しゃわーで汗を洗い流していたら 
いつのまに{ルビ踝=くるぶし}が{ルビ痒=かゆ}かった 

ぽちんと赤いふくらみに 
指先あてて、掻く爪先も
痒みの{ルビ芯=しん}には届かない 

見 ....
ロマンティックな干拓地
月の滴にぬれながら
君は心のベルトをはずし
今なら死んでもいいと言いだした

ファナティックな笑い声
遠い漁り火ゆびさして
ここが二人の愛の終点
君の瞳が僕をと ....
数日前の夜
ホームページの日記で、
遠い空の下にいる友が恋人と別れ、
自らを罪人として、責めていた。 

( 自らの死を越えて
( 生きる明日への道を見据えていた
( 彼女の瞳は光を宿し ....
未来は雷雨とともに降ってきた
次から次へと
激しく地上に落ちてくる未来

あるものは大地に地響きを唸らせ
あるものは風に吹かれ
ゆらゆらと漂いながら
音もなく落ち
誰にも気づかれないま ....
パンに トマト ぬるぜ

カタルーニャ式 だぜ これ

オリーブオイル かける よ

バージン エクストラ です よ

たまご も 焼いちゃう 

べーこん イベリコ豚 だよ 
 ....
自転車から転げ落ちた
右の頬の痣と 切れた唇
またそんなに酔っ払ってさ
殴りあう暇があったら
海を見な
切れた唇に
寄せる さざなみ

笑い声は
痛いこともあって
七色 ....
      ――Sに



すべての結果に原因があり
物事は (心の中の事象でさえも)
そのまっすぐな道を歩いているだけであった

だが

垂直に落ちる滝のようにひとつの感情が
 ....
朝から風鈴が鳴るも
どこか寂しげなその音は
いつもよりも小さく
張りがなく聞こえる

昼にはセミも鳴くも
何か物足りないその声は
いつもよりも遠く
弱ったように感じる

夕方のテレ ....
 夜になると風が出て
 {ルビ毬栗=いがぐり}は落ちてゐた
 次々と
 加速されて
 硬く冷たい実が
 ぱらぱらといふよりは
 すぽすぽと黒土にはまりこむやうに
 降つてゐた
 流 ....
昆布の匂いがする、と

おんなの言うままに
おとこはそっと確かめてみる


漁師町で育ったおんなは
季節ごとの海の匂いを
知っている

おとこは
ただなんとなく海がすき、とい ....
放課後には、
音楽室から聴こえる
ソプラノが
一日の中で一番
しっくりはまる少女、何処か夕暮れに似た、

朝には
誰にも触れられていない、
まだチョークの匂いすらしない教室でひとり
 ....
長い間
{ルビ棚=たな}に放りこまれたままの 
うす汚れたきりんのぬいぐるみ 

{ルビ行方=ゆくえ}知らずの持ち主に 
忘れられていようとも 
ぬいぐるみのきりちゃんはいつも
放置され ....
誰のためにでもなく
ひたむきに
がんばる人がいる限り
自分もがんばれる限り
がんばれると思う

結果が大事というけれど
結果にならない結果だって
大事なんだということを
がんばる人は ....
{ルビ吃水=きっすい}の切り拓く直線に
弾け、昂ぶる蒼波の振幅も
いつか、{ルビ理=ことわり}を{ルビ纏=まと}い
穏やかな泡波の
幾重にも沁みわたる

船側をすり抜ける速さに
戸惑い、 ....
一滴の私は
無数に砕けて
無数の私

意識
もう
瑣末なことは
見えない
見たくない

ことば
ことばにまぎれ
あなたが見ているのは
ことば
私ではない

無数の針を ....
 鐘の音がひときは澄んで響いてゐる
 高原の牧場
 風は爽涼として
 日は明るく照つてゐる

 ここに一頭
 健康優良の乳牛がゐる
 乳が溜まつて乳房が張るものだから
 たまらずク ....
「純粋」と「不純」の間で 
へたれた格好をしている私は 
どちらにも届かせようとする 
執着の手足を離せない 

一途に腕を伸ばし開いた手のひらの先に 
「透明なこころ」 
( 私は指一 ....
人目をはばかりながら夜は 
汗ばんだ首筋に歯をたてる 
梳いた黒髪をかきあげて 
受け入れてしまった恥辱 

かつて少女の頃に見た 
甘美な夢とはほど遠い 
なんの形も示さないのに  ....
地下につくられた大きく広い駅
地上に出るまでの小さく細い通路
急ぎ足ではないと
後ろとぶつかってしまう

機械から出される熱い風を
暑いと錯覚する
めまぐるしくファッションと経済が
身 ....
もう誰も修復できぬ美しい傷痕だけが星空のごと



カラフルな性の模様にいろどられ少年少女の白は泡立つ



いつまでも高原鉄道錆び付いたままの列車を包む真緑



沢 ....
ぼくが
せいいっぱい
こつこつと
いきてゆくこと


きっと
きのうまで
こつこつと
いきたひとの
ねがいをかなえること

きっと
あしたに
うまれて
こつこつと
い ....
うふふふふ。
いいもんだ。
もう引き返さなくて良いのは。


良かったじゃないか。
僕なんかの思い通りに
ならなくって。


すべてうっちゃらかして、ぶらぶら。
ご近所の真っ昼間 ....
誰かが歩いたその道は
とても綺麗で心地よく
一つ一つが細やかな
心を配る安らぎに
できればじっと止まりたい

誰かが歩いたその道が
通行止めと閉じられる
一人一人が大切な
心の中の入 ....
{引用=           ―オフィス街のすきまから
            唸り声と酸の匂い}

蒼く林立するビルの足許には
反転する魚群のうすくろい影と 幽かなハミング
水辺に群れる野 ....
ふるるさんのおすすめリスト(5744)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
静止する声- こしごえ未詩・独白10*06-8-23
否定の沼- ぽえむ君自由詩13*06-8-23
探しもの_- 服部 剛自由詩16*06-8-22
生き方に迷う- ぽえむ君自由詩6*06-8-22
「_夏影薄命。_」- PULL.自由詩13*06-8-22
「_余白。_」- PULL.自由詩18*06-8-22
「痒み止め」- 服部 剛自由詩6*06-8-22
ロマンティックな干拓地- A-29自由詩3*06-8-22
「空色の手紙」_〜蝉の伝言〜_- 服部 剛自由詩10*06-8-22
空から未来が降ってくる- ぽえむ君自由詩17*06-8-22
イベリコ豚- 水在らあ ...自由詩39+*06-8-22
ハッカ水- 水在らあ ...自由詩25*06-8-22
ポエティック・メランコリー・シンドローム- 岡部淳太 ...未詩・独白8*06-8-21
次の季節へ- ぽえむ君自由詩14*06-8-21
毬栗の毬ばかりなる里を出る- 杉菜 晃自由詩5*06-8-21
海の匂い- 千波 一 ...自由詩18*06-8-21
から- 夕凪ここ ...自由詩8*06-8-20
棚の中のきりちゃん_- 服部 剛自由詩21*06-8-20
がんばる人がいる限り- ぽえむ君自由詩9*06-8-19
望洋フェリー- 佐野権太自由詩9*06-8-19
ミスト- umineko自由詩5*06-8-19
慈愛- 杉菜 晃自由詩6*06-8-19
鳥の影絵_- 服部 剛自由詩12*06-8-18
熱帯夜- 落合朱美自由詩1906-8-17
孤独な都会- ぽえむ君自由詩13*06-8-17
灰殻散歩- 本木はじ ...短歌1006-8-17
すこし_ゆうき- さち自由詩13*06-8-17
マーキング- 大村 浩 ...自由詩18*06-8-17
誰かが歩いたその道は- ぽえむ君自由詩7*06-8-16
_恐竜- 「ま」の ...自由詩2*06-8-15

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