大理石の{ルビ初心=うぶ}な冷たさに
灰色の空のもと青い花が咲いている

わたしは、
結果の過程であります
いま見ている景色
いま聞いている音色
いま今は
すくなくともわたし、
うた ....
誓いの しるしは
むすばれた
手でなく たがいを
うちつらぬいた
星のきずあと
かわいいものは
みな食べられて
腹のなかでうたをうたう
とぅあららら ら


なんにも持たずにひとりのものは
なんにも持たずにひとりに生まれ
なんにも持たないうたをうた ....
夢のつづきを上映なさる、
あめ色に半透明な
翅のスクリーンに

隙もなく並べられた円卓が。
潤む瞳、
凸レンズ式の

灰皿におとした視線に煙り
鉛の筆跡で笑えず。
夕べは、霧の森で ....
かくしたの。

たまごかくして、
おいたの。


とんがり帽子に、
かくしたの。

帽子の中には、
にわとりさんがいて、
たまご暖めて、
いるの。 ....
明るい朝の日差しのなかで。
痙攣する手が手渡そうとする綿毛のたんぽぽ。
飛び立ってゆく綿毛、綿毛、
白いこどもたち。


白いのは綿毛ではなく世界ではなく私の視界でありより正しく言うならば ....
ただ一度
抱き締められた
その腕は

遠い日の
引き潮のように
わたしを
つれていってしまいました

ここにいる
わたしは
こい を
しているのですか

こい を
してい ....
眩む手にあふるる翳り冬と春



けだものよ応えぬ瞳応える背



降り止まぬ目に見えぬ雨降りやまぬ



花と骨つながるいのち星ひとつ



 ....
私が、いくら黒ずんだところで
霊を量れることはない
一度たりとも零さずに{ルビ口遊=くちずさ}むことなどありえない

月が、いくら青ざめたところで
距離に近づくことはない
離れるばかりで引 ....
私は歌人

自分というものは
他人がいてはじめて
わかるもの

今日は折りよく

朝の散歩をしていましたら
詩人に出会いました

毎日毎日
朝に散歩をしては
多くの人やものと ....
くるまって
まって一周するまで
くりかえす性

好き嫌いで見ちゃいない
忠実に実って
私種子を振動する

果物のコーナーで
ミカンやバナナ
リンゴキュウイイチジク
フルーツを物色 ....
亜光速で移動する阿藤快。

刀を振りかざし、
阿藤を追いかけるは、
阿刀田高。
その速度は、
もはや光速を超え、
時を遡り阿字本不生。

逃亡の果てに、 ....
「お土産は、何がいい?」と
聞かれたものですから
私、何とはなしに
「らっきょう」と答えたの


お父様とお母様が夕食後に奏でる
小気味良い音が好きなのです
ぽり ぽり ぽりり
 ....
ぼくは詩人

美しいものを感じる気持ちは
誰もが同じ
たとえ自分の世界が違っても

今日もまた

朝の散歩をしていると
歌人と数学者に出会いました

歌人は数学者に
短歌を数学 ....
花曇りの空に舞う胡蝶の
その透きとおった翅を 
欲しいと思う 

やわらかく笑う 
ということを覚えたのは 
いつの頃だったろう 

新しいピンヒールが
足に馴染まなくて 
ア ....
ほど近い、
雨音の届く、
屋根裏部屋で、
眠りは紡がれる。












            了。
星の茂みの広がる{ルビ遠音=とおね}の空で
回音をのぼりつめて円頂で弾け

ふくらんでゆく
重い光で発散しながら
無重力して律動する心臓
瞬く今晩は

{ルビ青柳=あおやぎ}に迷蝶がさ ....
舗装された道の
ペイントされた、とまれ

踏みつけられた骨の色の
見上げる季節の樹香
舞い散ってへばりつく
美しいという名の死骸
立ち上がれない
ペイントされた、とまれ

月が ....
のこされた風の中
四月がやって来る
この思いをのこしたままで
新しい輪に入らなければならない
記憶を背後の倉庫に閉じこめて
残酷な月が始まる
すべての匂いや音や色が
われわれを呼吸困難に ....
水も土も風もなく
時に沈むものがあり
しきりに裏返る光の道端
白い曲がり角を照らしている


腕のない小さな聖人像が
ささげられた花に埋もれ
地に向かいかしづく姿は
まる ....
雨を避けながら私は歩いている
傘に守られて私は歩いている
円形の
ぽっかり浮かぶその空間で
私は世界を眺めている

雨粒が傘の端から端から
あふれるように流れている
それは本来私の上に ....
小さな鉄
朝のすそ野
光の迷う道


つづくこと
つづかないこと
ここに無い声


空の句読点から
降りはじめる手
水を読む 水を読む


さくりとふるえ
 ....
スプーンの背で潰した苺から
紅が雲に届いて夕焼けになる


静まれ  しずまれ
桧扇を広げて
漆黒がそこまで来ている
上着の釦をもうひとつ閉めて
心して迎えよ

静電気をちりち ....
陽子は、すっと敷居をまたぎ

玄関を通りぬけ門をくぐり

香気ある光の朝にあいさつをした


罪とはいつか
姿なく大地に影をおとすような
色なく野原に咲きほこるような
清々しい朝日 ....
抜けるような蒼い空の向こうに

煌めく未来があると信じていた

薄紅色の蜃気楼のような架け橋

ピカピカの一年生といっしょに

駆け抜けていったのは希望の花

凍てつく寒さ ....
砂に流されて
つつつっとはさみで支えても
知らん顔の風は共犯なんだ
波といっしょにさらおうとするから
ぼくの未練は
黒い小さな瞳にぬれて
もつれてしまうように
ころころころげて
夕日に ....
何もかもがかすんでゆく
人も 街も

さくらの艶列が
そこだけ
重ね着みたいに咲き誇る

生きのびる
自信がある者の
惜しげない
笑み

見下ろす川は
あの夏
爛れた皮膚を ....
みずくぐり の 破線

ついた先に
からひく みつる 淵

蛍光灯 の 粉
から うまれた

眠る 
石 の 蝶

そっと
たずな を
もてば

つらつら
頬を 

 ....
指から指へ
景はわたる
花をまわす
雨をまわす



雪に点る青い芽の
ほころびぬものだけがうたいはじめて
折れた枝 折れた風
泣き眠る陽に触れてゆく


ひとつ ....
みかん色 落ちたよ
夜はもうこんなに蒼だし
蒼はもうこんなに夜だよ
西に光って 鳥も帰るよ


冷える音 止まる音
ひとつずつあたたかく
めごい瞳に降り来るよ
ひとり ....
ふるるさんのおすすめリスト(5744)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
園(その)- こしごえ自由詩14*06-4-16
そろもん(盟約の話)- みつべえ自由詩606-4-15
ノート(とぅあららら_ら)- 木立 悟自由詩806-4-15
無声映画- こしごえ自由詩15*06-4-15
「_みつけ、て。_」- PULL.自由詩15*06-4-15
震顫- 佐々宝砂自由詩1406-4-15
引き潮- とうどう ...自由詩36*06-4-14
冬と春- 木立 悟俳句506-4-13
六月の顔色- こしごえ自由詩13*06-4-13
ぽえむ君−自分−- ぽえむ君自由詩12*06-4-13
八百屋三昧- こしごえ自由詩8*06-4-13
「_ああ嗚呼。_」- PULL.自由詩12*06-4-13
薔薇と_らっきょう- 千月 話 ...自由詩24*06-4-12
ぽえむ君−詩集−- ぽえむ君自由詩10*06-4-12
花笑み- 落合朱美自由詩4106-4-12
「_雨眠。_」- PULL.自由詩11*06-4-12
逢引- こしごえ自由詩12*06-4-12
踏みつけてふりあおぐ、春- たりぽん ...自由詩16*06-4-11
四月のいる場所- 岡部淳太 ...自由詩16+*06-4-11
午後と街- 木立 悟自由詩206-4-11
傘をささずに歩く勇気を私はもたない- umineko自由詩19*06-4-11
水と手- 木立 悟自由詩406-4-10
苺宵- 銀猫自由詩14*06-4-10
用事- こしごえ自由詩10*06-4-10
*みらい*- かおる自由詩11*06-4-9
ヤドカリ- ナオ自由詩3*06-4-9
春焉- umineko自由詩11*06-4-8
駈ける_熱- 砂木自由詩8*06-4-7
ゆくえ_ひびく- 木立 悟自由詩506-4-7
ノート(子守唄)- 木立 悟未詩・独白5*06-4-7

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