覚えていること
今日覚えていること

財布の整理をしたこと
アロエの葉っぱの伸びように驚いたこと
死ななかったこと
皿を割らなかったこと
急ぐことはないということ
いずれいろんなものが ....
誰もがみな
道の途中だった
そして誰もがみな
人に気づかれることなく歩いていた
人に見られていると
そう思うのはあさはかな傲慢であると
時の風が教えてくれた
深い
森の奥から道へ
わ ....
■最初の千文字 Enduring

当時、吉園省では煙草師がまだ数人生存していた。
煙草を吸うためにはまず厳格な検査が必要であり、さらには「煙態」という特殊な所作を身につけなければならず、
喫 ....
背中あわせに立って あるきはじめた 
ふりむきざまに 撃ちあうこともなく
ふたたびは相まみえるはずのなかった
もうひとりの わたしとの
決闘が 用意されている
男はふと時計を見た
まじまじと時計を見たことはなかったが
見れば見るほど
時計は自分に似ていた
あたりまえだ
男は時計なのだから
一方、時計はといえば
すでに着替えを終え
これから ....
ゆうらんせん に
ぼろぼろ つめあわされた

ちの かたまった
けあな が すっているのは

どすぐろい よだれ

くんしょう に にぎわう
きれいな まちに

ぺたり ぺた ....
星空の下では今日も 
作業灯が明るい

掘り起こされる大地
積み上げられゆくコンクリート

道行く人は
まだか、と未来を吐き捨てる

けれども作業灯は
必ずの未来へと向かって
 ....
なぜ 今 この人が私に知らされるのか。
そんなことばかり考えてて とまらなくなる。
図書館で出会った 一遍の詩。

ネットでこの人を尋ねる人と出会うとは思わなかった。
自身の心の支えとなった ....
時を刻むより他に
自分にはすべきことがあるんじゃないか
時計は思った
けれど何をしようにも
手も足も出るわけがない
ただ柱にぶらさがって
そこはそれ時計の悲しい性なのだろう
正確 ....
わーわーわーわー!
(わぁわぁわぁわぁ!)
わーわーわーわー!
(わぁわぁわぁわぁ!)

ロックンロールは死んじゃったらしい
死んで生き返ったら強くなるのかな
ロックンロール ....
夕景風が鳴る
ふひゅーんあおあお
さざめくざさささ

ふひゅーんあおあおは彼方からの信号で
信号を窓の中から感じている僕は
木のように揺れている頭のなかを巻いて

片頬をうちぬかれたお ....
ほら、見てごらん
無数の蛍  
無数の蝶々

せっかく部屋を暗くしたのに

ほら、見てごらん
僕らはすっかり取り囲まれてる


吐息、ひとつ
(甘く、美味)

喘ぎ、ひと ....
世界のフィーリングで今ぼくは奇跡


よく聞いてよ星のくしゃみを


ためいきがピンクになるまで愛し合う


カーテンを閉めるまでの人間形態


×と書かれた改札にも入 ....
明日の朝も僕は
バスの後部座席に重い腰を下ろしては
昨日のメールで君が励ましてくれた言葉を思い出し
リュックの中から取り出した本を開いて
挟んでいた君の写真をみつめるだろう

遠い町に住む ....
弱気の虫がうじうじと
しめった胸の内に這っていたので
気分を変えようと散歩に出かけた

公園には木の幹の周りを
丸い木目のいすで囲んだ優しい木陰があったので
荷物を降ろして腰かけた

 ....
こどもたちは でかけたから
ふたりで ひきこもり
ちちくりあいましょう
さんかくもくばにのって 
いけるところまで いきましょう
いま泣いたら
なぜかもう二度と
笑えなくなるような

そんな気がしたから
空に向かって入道雲を
ググっと睨んでやった

まひるに嘘をついたりしてはいけません

善良なあたしは
 ....
私の獏は夢を食べない

捨て獏だったからかしら
母乳で育たなかったからかしら
理由はわからないのだけど
とにかく夢をさし出しても
ふんっと顔を背けてしまうから

長い長い格闘の結果
 ....
みずいろの風に吹かれて

すこしだけ早まった鼓動が
うなずくように合図をしたら
それが夏のはじまりでした

手のひらでつくった影に
割り込むように差し込んでくる
陽の眩しさを避けて木陰 ....


嵐の夜の、その翌朝、ひるがえるはずのない翼の夢に目醒めて、少年は歩き出した。岬の奥の家から、岬の先端の、海を臨む小高い丘陵へと。四年に一度の大きな時化の夜。その騒乱を波の背中に残して、空はひ ....
{引用=八月の月で海鳴り
それでも僕らは響く波音を知っていた}


  僕は今、紺碧の{ルビ海=マーレ}を閉じ込めた窓辺から
  君に宛ててこの手紙を書いている


  {ルビ ....
私は、

強さを求めるには 弱すぎますか 。
 定型に望みを賭ける
 形なきものにかたちを与えるように


 カメラ無し三脚立てて五歩下がり 
 瞼が切り取る秋の夕暮れ


 君のこと好きで好きで気が狂いそう
 君の字に宿る君の ....
あなたが
中古
静かに軋む二輪車の
匂い
角を曲がる
何かを思い出し
もう一度角を曲がる

イニシャルを失ったまま
あの縄跳びもまた
どこかへ行くの
駆け込み乗車は
錆びて
 ....
この手には限りがあることを
渋々から卒業をして
潔く
承知出来るようになったんだ

五本の指は五本でひとつ
二本の腕は二本でひとつ

一生懸命になるのではなくて
一生懸命にならざ ....
富山から鎌倉へ帰る旅の終わりの朝
旅の宿を貸してくれた
姉が作ってくれた目玉焼きを食べながら
居間の床に座る3歳の{ルビ姪=めい}が
赤いリボンを頭につけたキティーちゃんのぬいぐるみに
話し ....
坂道の途中にある小さな花屋で
何度か花束を買った

買わない日の方が多いのに
そのことはあまり覚えてない

上り終えるあたりから見えてくるピアノがあって
軟式野球部員のカヂさんがよく曲を ....
エジプトに眠る少年少女らの夢であるかもこの世のすべて



着物から覗くあなたの白い脚 幽体離脱の感覚を知る





水色の街へと渡る鉄橋の錆びた思い出ながれゆく河
 ....
まっさらなノートを買った
でも
それだけでは
所有にならない

光のようなシャツを買った
でも
それだけでは
所有にならない

汚さなければならない
涙が出るほどに
渾身の力で ....
1988年の秋に、私はそれまでの詩のかき方を精算すべく、個人詩誌「風羅坊」を創刊しました。コンセプトは、短く、平明で、身辺的であること。そこにはそれ以前に親しんできた現代詩的な構文への反発がありました ....
ふるるさんのおすすめリスト(5756)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
祈り- 石川和広自由詩10*05-7-6
道の途中- 岡部淳太 ...自由詩11*05-7-6
不連続小説_『煙道_1』- クリ散文(批評 ...2*05-7-6
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ちにく- 砂木自由詩9*05-7-6
作業灯- 千波 一 ...自由詩10*05-7-5
マリアンヌ・コーンについて_レジスタンス- 砂木散文(批評 ...9*05-7-5
時計- たもつ自由詩3205-7-4
わーわー(雨の日の)- 虹村 凌自由詩1*05-7-4
ふひゅーんあおあお- 石川和広自由詩9*05-7-4
夏の虫- 千波 一 ...自由詩9*05-7-4
人魚学科- ピッピ川柳705-7-3
天の川に架かる橋の上で- 服部 剛自由詩5*05-7-3
木陰のひととき- 服部 剛自由詩3*05-7-3
そろもん(大人の話)- みつべえ自由詩405-7-3
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偏食- 落合朱美自由詩21*05-7-3
夏のはじまりはいつも- ベンジャ ...自由詩9*05-7-2
鱗坂- 岡部淳太 ...自由詩6*05-7-2
八月の海鳴り- 嘉野千尋自由詩16*05-7-2
オデッセー- むくげ携帯写真+ ...105-7-2
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中古- たもつ自由詩705-7-2
穏やかな陽のなかで- 千波 一 ...自由詩12*05-7-2
旅を終える朝に- 服部 剛自由詩8*05-7-1
月日- たもつ自由詩5*05-7-1
永遠に氷- 本木はじ ...短歌1505-7-1
白の所有権- 千波 一 ...自由詩11*05-7-1
●そろもん第一の栞- みつべえ散文(批評 ...2305-6-30

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