女将が オーダーを 伝票なし 口頭で、 追いかけるように ホールの娘が 同じ注文

いよいよ開幕
小骨を つけたまま 刺身に、 セットと盛り合わせを 間違い 親子で もめている

鯖焼きひと ....


私がひとり降りた夜
バスは静かに荒く息を吐き出しながら
また次の者を乗せ降ろしして
それ自体 拍動しながら
もう 見えなくなっていく
のこされた私は
安堵を荷物に 歩き出す
 ....
美しい桜は子供たちだ
しかしカメラのメモリーには
扉ばかりが写って居て
警察を呆れさせる
俺の胸の皮膚が突き破られたのだ
二回も破談になるお見合いに
猫もあきれたのだ
昔とは違う
たっ ....
うなじから首から目から羽を吹き血を吹きながら辿る足跡



蜘蛛は蜘蛛何も残さず何も見ず虫を喰みただ夏に凍える



ふところの火を手に結び手をひらき何も無い日をかき分 ....
パズルの誤算は予想できない
「車の入れ替えパズル」があって
極めて世俗的な
ラッキーな蚋(ブヨ)が
やって来て私は吉央と名付ける
父が風呂で吐くのは
相変わらずだが
私が玄関の戸締りを
 ....
ひとりで ずっと待っていた
帰省先で亡くなった男性が住んでいたアパートの
部屋の畳は思っていたよりきれいだったが
乾拭きをして ちょんと座って

ひとりで 届くのを待っていた
荷 ....
いちごみるくのいちごとみるくをぱっくり分離した色の
花は散っていったけど
四月のバリアに張り付いて流れていったけど
またね

ありがちなころがる嘘につまずきたくて、
だけどおとなの ....
もうすぐ日がめくれ
いくつか数えた頃
かの女はバラをたくさん落としてきたが
もうプロポーズされることがなくなったからと
時ごと綿毛に包んで
夏の来ない春に明け渡そうとしている

 ....
ときはふらりとたちよって
触れるだけ触れて 去っていく

かなしみに火傷

体ごと持っていかれそうになる そのときに
飲まれては 足掻いて

手をさしのべるのはだれ

ふくふく小さ ....
ゆっくり育つ息子が
五歳にして
歩き始めたので
日曜日の公園へ連れてゆく

小さな影は、{ルビ日向=ひなた}にのびて
ひょこひょこ歩き
地べたに尻餅をついては
砂を、払ってやる

 ....
コの行列

撃鉄におされて

くるしいや

僕はあと何番目?

友達は何列うしろ?

パチン

パチン

規則正しく一歩一歩

われわれは進んでいくのである

おい ....
  1 ある青年

この強力なバーナーから騰がる炎の熱を蓄えた
おおきな{ルビ布袋=ふたい}で空にのぼるのだ
「トーキョーだかニッポンだか知りませんが
ぼくには十世紀まえの遺跡です」
点在 ....
緑の宙に貼り付いた羽
暗い曇をくぐる曇
二番目の指で涙をこすり
終わらぬ宴の後を追う


くちびるとねじれ
溶け合う朝と みずいろの水
ひるがえる ひるがえる
火と灰 ....
繊細な感覚を奏でる音楽は
砂浜を横切る風の音に似ている
ヒュー、ビュー
それは脆く、脆く、脆く、儚く
吐き気が出るような血の色をしている

真っ赤な
無色透明な
想い出はそこの土の上に ....
祖父は生きている
話しかけても反応はない
2018年1月31日の夜
病床の窓から見えている
皆既月食の様子を
リアルタイムで
語り聞かせている

復員してから今日まで
誰にも明かされ ....
( 通過します 流れます )

月の音
しずかに
越えて
角から変わってゆく
白が舞って
瞳が生まれる 
  また生まれかわって
チャームがふりかえったり

いまの形
どんな温 ....
空飛ぶ家の 群れのなかに棲み
扉から一歩を踏み出せずに
眼下にひろがる風と原
飛び交う家々を見つめていた


街 クレーター 街
人と原は円く分けられ
薄い緑に吹かれて ....
キーツが本の中から語る
細い川の流れが、視える

道を歩くわたしの影にも
細い川の流れが、視える

時代も国も
異なる二人の間を
結ぶ
ときの川のせせらぎに
耳を澄まして歩けば
 ....
瞳が何処かを巡っている
まばたきの度に新たに生まれ
暗がりに浮かぶ光の紋様
見つめては見つめては泣いている


吹雪 涙
同心円の羽の渦
ひらき ふるえ
問う

 ....
死ななくてもよかったたましいに向けて
打ち鳴らされる打ち鳴らされる鉱と金属
棄てられては増す つばさ けだもの


重なる紙のはざまの光
紙の上に浮かぶ珠
ひとつ持ち ....
白いホールケーキのような町に
シャベルで切れ目を入れたとしても
真新しい粉が空から降って
思い出を挟む間もなく積もる

傘も差せずに動いているなら
髪を白く染めてゆく雪の精
何十年も先の ....
ジャズの{ルビ老舗=しにせ}・ドルフィーで
朗読会の司会をした

詩人達は{ルビ数珠=じゅず}の言葉を…{ルビ紡=つむ}ぎ
休憩時間に賑わう
暗がりの店内に紫煙はたゆたう

カウンターの ....
深く眠って目覚めた朝のゆびさきは
少しまだ透明がかって
夜が
見えかくれしている

動いている心臓は赤い磁石
覚醒してゆく時間に
わたしのかけらを
元在った場所に吸い寄せて

願っ ....
唾を唾で
瞳を瞳で抑えながら
においの無い人ごみは
鉄路に影を残してゆく


ひと粒の胡椒が
紙の上を転がり
拾おうとするたびに終わり
つまんでは落とし またはじまる ....
片目を射抜かれたので
精肉部門に逃げ込んで
働かせてもらうことにした
精肉部門では隠れてカイコを
飼って居た様で
絹糸を秘かに作って居ると言う噂だった
私はシルクロードに居る様な気分で
 ....
それから空は夏雲湧き立ち、風は川を越えて丘を越えて、それから線路を越えて団地を越えて、それからあの家の窓を抜けて、あの白い壁の部屋をぐるりと回る。部屋には檻があって虎がいて、虎は檻の中で待っている。誰 ....  
川が近づいてそっと入っていく
金属くさい くさい 私と
その鎖のつながりあるところまで

この世が終わるなら私ひとりだけ終わっていいと
いつも思っていた        いつも思っていた ....
息に揺らぐ火のなかから
手をつなぐ手は現れて
熱から蝶を持ち上げて
小さな火傷を増してゆく


ひかり 涙 ひかり 涙
好きなものを嫌いになる
内と外 ひとりのひと ....
砂地に消え入りそうな輪が
柱の間をすぎてゆく
誰もいない中庭の風
轍の跡を消してゆく


壁にあいた
服のかたちの入口が
白い衣を手招いている
窓に映らぬ 午後の影の群れ ....
  
いま どらびだの駅だ
むかし おなじ名まえのくにを紀行したが
もうずいぶん前だったので
ぼうぼうとした
かぜの中あたりで 周囲を見まわす
駅舎があるとは知らなかった
いや
とうの ....
ふるるさんのおすすめリスト(5744)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
居酒屋_狂騒曲_夏- むっちゃ ...自由詩5*18-8-25
Kodo- 唐草フウ自由詩5*18-8-4
飲み明かす- 間村長自由詩10*18-7-23
むこうへ_むこうへ- 木立 悟短歌1018-6-18
ラッキーなのは- 間村長自由詩8*18-6-17
緊張と弛緩- 唐草フウ自由詩5*18-6-10
うらうら- 唐草フウ自由詩7*18-4-11
三月の花摘み- 唐草フウ自由詩718-2-24
金の鳥の羽に月の小指- 田中修子自由詩10*18-2-12
日曜日の公園- 服部 剛自由詩12+*18-2-9
ホッチキス- 次代作吾自由詩1118-2-8
気球- 「ま」の ...自由詩9*18-2-4
夜へ_喉へ- 木立 悟自由詩818-2-4
- 鷲田自由詩118-2-1
月食- しょだま ...自由詩318-2-1
夜へはこぶ- 唐草フウ自由詩3*18-2-1
白と白- 木立 悟自由詩818-2-1
足音- 服部 剛自由詩918-1-25
ひとつ_痛み- 木立 悟自由詩718-1-22
ひとつ_みちびき- 木立 悟自由詩718-1-17
北国の朝- ミナト ...自由詩1018-1-12
詩とジャズの夜_―ドルフィーにて―- 服部 剛自由詩3*18-1-5
新しい年- そらの珊 ...自由詩21*18-1-4
筆と響き_Ⅱ- 木立 悟自由詩718-1-3
1998年- 間村長自由詩12*18-1-2
幽霊と虎- 片野晃司自由詩1918-1-1
いとなみの川- 唐草フウ自由詩15*17-12-27
宙とひとり_Ⅱ- 木立 悟自由詩517-12-18
ひとつ_聞こえ- 木立 悟自由詩217-12-8
_どらびだの駅- 「ま」の ...自由詩6*17-12-3

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