朝の駅の構内で
改札の向こうからホームの階段を上る
黒い制服の青年が障害を背負う体を傾けて
こちらに向かって歩いて来る

眼鏡の奥の瞳には
いつも光を宿らせて
不器用な歩幅を
一歩  ....
    


気づくと右手は濡れていて
描きはじめたばかりの夜に
銀色の線を引いてしまった
見る間に乾く三日月の下に
明日の朝には消えてしまう
羽や光を書きつらねていた


隠さ ....
日曜日の学校は
とてもおおきな浮力を持って
ひとりきりのっかった私を

寂しい匂いのする空へ


浮上をはじめた
男は長い間カバンの中に住んでいたが
ある日旅をすることにした
もちろんカバンを忘れなかった
昼間は旅を続け
夜になるとカバンの中で寝た
朝起きると同じ場所にいることもあったし
誰かの手 ....
 僕は誰よりもはやく
 今朝を発見したかった
 遮光された窓の外を
 僕の両足だけが駈けてゆく

(街と空は素顔で目覚め
 朝陽からは人々の匂いがします)
枯葉 の 指輪
伏せた 
やわらかな 草の

ただ ふんわり 揺れるのを

曇りの中 
歩いて行く
陽射し

指笛で 追い 追えぬのを

捜していたのは 錯覚
立ち向 ....
窓のお外は夕景
意味なき歌が流れる
書くことは一度死ぬこと
それを生きること

またたいた瞬間
カラスが鳴いた
時計がうめいている
時間が泣いている
もう廃人かもしれないと思う僕は
 ....
主旋律はもう
ピアノを離れた

(羽をインクにつけたとき
諦念が私に絡みつく)

幼き日々よ
最終楽章に向かうのか
草原を駆ける二人の影は
五線譜の上を踊る

アマデウスの傍
 ....
四人家族の
四角いテーブルには
それぞれの席がきめられていたけれど
うまることはほとんどなかった

今はもう
四角いテーブルもなくて
かわりに置かれた
まるいテーブルの端っこで
食べ ....
わかりあえない
という
隙き間を

麻痺させるために
キスを する

まぶたを閉じるのは
酔いしれるためでなく

誰かを
明確に思い出すため


ある種の昆虫は
だ液と漆 ....
はっぱをめくればなめくじ

みんなにきらわれて
しおをまかれたりする

おまえなめくじ

うまれてからずっと
からだじゅうでないている

おれだっておなじ

みんなにきらわれて ....
今日は月夜かと思ったら。
空にあいた穴からボトボト蛍光色の液体が流れてきた。

筏でも作ってあの穴まで漕いで行ってやろう。

穴はいくつも空いていき、様々な蛍光色の液が混ざり合って
風景が ....
波が波に描く絵が
次々と現われては消えてゆく
海を覆う点描が
鳥を照らし点滅する


蒼い光のひとがいて
歌い舞う花のうしろで
草に沈む岩を見ている
海からも声のなかから ....
{引用=(どうか、ユーエフオーと発音してください。)}




光る
夜の光
それは星でも 月でも 街の灯りでもなければ
眠る人々の心に点る
ささやかな光でもない
それはやってく ....
夜のアンモナイトは仄かに蒼く光る。
海の恋人を想い出し、蒼くさめざめと光る。


遙か遙か白亜の海の底、アンモナイトの恋人達は。
手をつなぎ、心をつなぎ、ちゅらと散歩。
 ....
種もつ闇の
ちらかる 真昼

夜から じっと
はりめぐらせた

たんたん ひとつぶ あまい 夢
たんとん ひとなみ ふるい 風

かすれた なきごえ
かみきる したあご
 ....
俺は仕合わせだ
今日も煙草がおいしい
俺は不仕合わせだ
マッチがそろそろ無くなる

俺は仕合わせだ
一緒に電車に揺られている
俺は不仕合わせだ
身近な人を愛せない

俺は仕合わせだ ....
電話中「それを一枚持って来い」


やれ走れお好み焼きの熱いうち


鰹節向かい風には耐え切れず


スーパーで「そいつ一盛乗せてくれ」


エレベータ匂いきつくてスミマセン
 ....
月はやがて
西へかたぶく
闇は薄目をあけて
とうとう光を受け入れる

朝は少しきむずかしやで
眉間に皺をよせながら
うすむらさきの靄を吐きだす

なにもかもが起きだす前の
ほんの密やかな静 ....
郵便受けに溜まった新聞が日焼けしていた
古い日付は、風に晒されて
更に風化した遠いあなたの
背中に張り付いて 
帰ってこない のに


201号室の、窓から入る西日を受けながら
忘れて ....
落っこちたのに
僕は生きていた
確かめるものはなく
暗い陥没点から深く
上空
光の一点を見つめていた

ねじれない空気
透き通る闇
すすけた壁
恐いのにただぼんやりしている

 ....
ブランコに51kgぶらさげて光らすための助走をつける


20歳になったら生きる意味がない崩れるための両足で立つ


空っぽになるのに伴う痛みならどこでなおしてもらうんだろう


 ....
アルマジロな午後。
僕は転がる。


あるまじき僕は正午。
ごろごろとアルマジロと転がり、
ヒジキを食べている。

ヒジキはあるまじき美味しさで、
もぐもぐとアル ....
玉ねぎが自分で自分の皮をむいている

オレハ ドコニイルノダロウ

いくらむいても自分は出てこない
それでも玉ねぎは自分をむき続ける

オレハ イッタイ ドコニイルンダ

その間 ....
 水たまり広がる波紋に耳すましきみのリズムでやってくる夏



 砂浜に置いてきたもの捨てたものロケット花火と添い寝する夜



 8月のリップカールのてっぺんで届きますよにぼくのメロ ....
まるで森の中にいるみたいにいい匂い

なんて君が言ってくれるから
僕は手を木のようにひろげて
君を抱きしめてみたのだけれど

そうやって抱きしめるほど包まれる
くらくらとする君の匂いのほ ....
女がクレヨンを奪って逃げた
必要のない色を奪って逃げた
生活はなにも不便にならない
箱をゆすると音がするだけだ
「生活はなにも不便にならない」
念のためフタの裏にそう書いた


 ....
誰からも好かれるような
人間になりなさい

ごめんなさい
それは
私には無理でした

約束も破ったし
嘘だってついた
できもしないことを
できるっていった
ことばより先に
キス ....
長い眠り
    そして夢
彼は水の底で 海の底で
静かに
雌伏の時を過ごしていた
そして眠り
またも眠り
心地良い水のゆらぎの中で
彼は際限なく眠りつづけていた
動乱の前の
不気 ....
ザクセンの皇帝は狩りがお好み

きらびやかなダイヤのボタン
精密な測量機械
それらに混じって
皇帝の 
狩猟用具一式がある
獰猛なナイフ
鋭利なスティック
そしてダイヤをちりばめた  ....
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