君はもう見たのかい?
翼をもった
銀色の馬が
空を翔けてゆくのを
冬はこうして
やってくるのを

君はもう聴いたのかい?
いななくたびに
冷たい風が
地上に吹くことを
冬はこうし ....
山肌が幅広く剥落して

日に晒されてゐる



真昼時は

まだいいとして

日が傾いて

夕日の色が

濃くなるにつれて



幅広の滝が

血を流し ....
心が抜けてしぼんでしまった
わたしの身体に
あなたの息を吹き込んで
ちょっとあたたかな
ちょっと煙草臭いあなたの息を
自分までもが赦せなくなった
あの日から
わたしはわたしじゃ無くなって ....
ピエロは
いつも装っていた 
彼のまわりには 
いつも明るい{ルビ日向=ひなた}があるように  

ピエロは 
どうでもよかった 
彼のことを 
まわりの人々がどう言おう ....
中国人の女の子が
俺をじっと見ている
秋晴の真っ青な空の下
バスは
俺たちを乗せて
ゆっくり坂道を登ってゆく
母親が
女の子の目線をおって
俺と
目を合わせ 微笑む
 ....
ああ
回る
回る
回る
回る

浮遊の{ルビ塵芥=あくた}
{ルビ薔薇=そうび}の水面



視界が赤い
死ぬかもな

飲みすぎた
              ―刺青


そこには船があって
ずっとずっと遠くで
何かを引きずりながら
航海を 続けている

そこには涙があって
ずっとずっと近くで ....
詩を書くとは
ろくに泳げぬ者が、寂しい山中の湖にひとり
溺れているようなものではないか
公園を ぐるっとかこむ 金網から

この花は 出てゆきたいの だって


アスファルトの 道路で 生るのは

とても とても 大変だと言っても

聞きやしない

僕と おなじ
 ....
真夜中の発電風車が
月を三回切りながら
一回転する
生きていないカラクリ仕掛けは
今日も北の海に吠えていて
生きてもいないのに
時々、さぼったりする

風も生きてはいないのに
ため息 ....
わたしの中を
夜の明ける方へと飛ぶ
一羽の鳥がいる
同じころ
一羽の鳥の中を
どこまでも墜落する
わたしがいるのだ
その日最初の列車が
古い踏切を通過していく
建物の窓はひとつ
ま ....
バスの発車する音が聞こえた
15時02分
西日に染まる時間
カーテンにくるまって見送っていた 
ビルの向こう

机の上に広がった書類
領収書も
重要なメモも
紛れ込ませている
そう ....
土砂と分かつ孤独をヘリが迎えにくる

雪に焼かれて木々まっ白に背骨

業に似て四ツ首・三脚・胸に目ひらく

あとは原子炉までずっと下り坂

今日は石碑が北にあるから日影はないです

 ....
コルクにあわせた
瓶などないのに

飲み ほしたら
捨て去られるだけなのに

杖のように立って
流れていかないように

静かに仕事をしている

歌われないことなど
気にもしない ....
夢に月が現れて

どうしてあの山荘に

月見に来なかったか

と咎められた

バイトだよ 

欲しいゲームソフトがあったのでね

そうやっておまえは

取り残されていくんだ ....
見覚えのない住所から
冬の匂いの封筒は届き
記憶の引き出しから
銀のペイパーナイフと
あらん限りの想いの欠片とを
わたしは交互に取り出す


かさり、と開くと
月夜の薄明かりのなかで ....
色をぬる記憶
人に触れる記憶
僕らの言葉が
キスを学習すると
背中にも匂いがあってよかった
バッタのようなものが
死んでいたよ
あのあたり
空も見ないで
陽はひらき
もの皆きしみ
葉を迷い
土へ降る色


曇をせばめる音は冷え
路はひととき白くなる
風に生まれる幼いまだら
水たまりの空のはじまり


ゆがみを抱いた黄 ....
「最初で最後の、黙礼を交す」



いまはむかし
(この{ルビ宇宙=そら}もなかったころ)
それは無としかいいようのない、事象でした
そんな折に私は、
星占いをゆめゆめ零さぬようにと、 ....
鳥はそらをとぶ魚
地は往かず
なのになぜ
鳥のみが
寂しい風土を暗示する
海上に 白き海嘯を湧かすことなく
羽ばたき軋む骨格のゆえか 
それとも
その骨奥にほそぼそと伝えられきた捕食と ....
ぶんっ

  
風がさそう夜は
目が潰れるほどに 
 眩しく 暗い
銀に輝く夜が

ぶんっ
  
視線をすい ....
かわいた中洲は
鳥に埋もれ
流れはただ
飛沫の跡を運んでいる


望まれぬものが橋をすぎ
影は明るくひろくなり
音や色に梳かれては落ち
にじむように流れを濃くする

 ....
僕らは縄跳びをします
回数はとっくに僕らの歳を超えて
縄の外、日が暮れていきます
僕らは縄をなくし
それでも縄跳びは終わることなく
気がつけば僕らは形をなくしています
誰もが僕らのこと ....
はずされてからは 机に
並んだままのコルク

昔いた場所には
白と黄色の花が
さし込まれている

細い緑の茎から
吸上げる水は
今は 無関係な液

祝うために届けられた
紅い液 ....
◇コスモス


炭鉱の閉山跡を

コスモスが埋め尽くして


炭鉱夫の青春が還つてきた

背景はあまねく

コスモスと青空



◇金魚


金魚は

いくら ....
ラップの上に海苔をしいて
ご飯をのせて

梅干をいれて
また ご飯をのせて

そっと 両手で包んで
おむすびをにぎる

まあるくまあるく
はい できあがり

そして はっと 気 ....
 この町が余りに寂しそうなので
 一人遊びする 例えば


跳ね橋の上でドリアンが食べたい

皆に嫌われているので
誰も居ない明け方食べたい

橋のあっち側に好きな人がいるから
 ....
うたたね ひつじたち
はる の あったかさ

ひるさがりに
まくらのしたから うまれて

ばんごはんのじかんに
また かえってくる

みどりのにおいの かぜに のって
ふうけいを  ....
夜中、リビングに降りると
テーブルがひとりで
テレビを見ていた
外国の戦争映画だった
たくさんの人が
次々に命を落としていった
リアルなくらい
みな清潔な最後だった
突然テーブ ....
遠ざかる二段ロケットの軌道
静寂に浮かぶ銀のカプセル
どちらが動いているのか、は
もはや問題ではない
ただ、離れてゆく
    {引用=
(お腹空いたかい、ラナ
(大丈夫、ピザを持ってき ....
ふるるさんのおすすめリスト(5744)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
君はもう見たのかい?- ぽえむ君自由詩15*06-11-8
赤い山肌- 杉菜 晃自由詩13*06-11-8
赦すと言うこと- 恋月 ぴ ...自由詩46*06-11-7
ピエロのハンカチ_- 服部 剛自由詩15*06-11-7
秋晴- 水在らあ ...自由詩40*06-11-7
葡萄酒の川- morituri携帯写真+ ...306-11-7
船と涙- 水在らあ ...自由詩30*06-11-7
- 「ま」の ...未詩・独白106-11-6
λουλουδια- morituri携帯写真+ ...306-11-6
真夜中の発電風車- たりぽん ...自由詩6*06-11-5
夜明け- たもつ自由詩2906-11-5
香水- ku-mi自由詩8*06-11-4
液全体- 黒川排除 ...川柳706-11-4
コルク- 砂木自由詩14*06-11-3
月が出た_夢に出た- 杉菜 晃自由詩10+*06-11-3
ベルベットの夜- 銀猫自由詩24*06-11-2
初恋- たもつ自由詩906-11-2
ひとつ_めぐる- 木立 悟自由詩406-11-2
星と礼- こしごえ自由詩20*06-11-2
無意なる旋回(改)- 「ま」の ...自由詩3*06-11-1
今夜- 藍静自由詩11*06-10-31
ひとり_海へ- 木立 悟自由詩806-10-30
産声- たもつ自由詩1306-10-29
花瓶とコルク- 砂木自由詩11*06-10-29
コスモス_金魚__・・・・・- 杉菜 晃自由詩13*06-10-29
つき_の_はな_3- 砂木自由詩13*06-10-28
ドリアンの正しい遊び方- 千月 話 ...自由詩14+*06-10-27
うたたねのうた- 夕凪ここ ...自由詩8*06-10-27
生存- たもつ自由詩16*06-10-27
衛星クーピー- 佐野権太自由詩19*06-10-27

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192