070805
一人前500円
それ以上は駄目!
経理担当に釘を刺されて出てきたが
500円のお弁当は少し貧弱
食欲旺盛の人たちにはもの足りないと
....
雨と晴れをくりかえし
建物はまた高くなる
いつのまにか空は細く
うたは縦に縦に流れ
震えと響きははざまを覆い
異なる風の種が降る
いつか道の涙から
小さくひらくかたちが現われ ....
どうも批評というものは、ネットのような有象無象が集る場所ではかなり誤解されているようだ。批評を作品に対する単なる悪口と同義に思っている人がいるらしくて、びっくりしてしまう。その程度のものだったら「批 ....
41
市民会館の大ホールを
ゼリーは満たしていた
屋外では雨が
土埃の匂いを立てている
観客の思い浮かべる風景は
みな違っていたが
必ずそれはいつか
海へとつながっていた
....
時間だけ見られがっかりする時計
胸がつかえるような
泣き出す寸前みたいな
ぐるぐる回るくすぶりに
95%くらい持っていかれたから
そのままひとりになってしまいたかった
掛け布団をかぶって
端っこを全部なかに引き入れた ....
(あいしてるについて
ゆりかごに乗せて寝かせてみたり
バギーでおとなしく座って
目玉の病院
待合室にて。
おしゃぶりがいらなくなった 季節
こいしてるとのちがいを探すこと
いみのない ....
髪を 切った 襟足の ひみつ から
娘たちは 飛んで ゆくと いう
純朴な 神話が 解かれて いる
風祭を 孕んだ {ルビ帆用飛行艇=はんようひこうてい}の 陶酔は
....
おはよう、とみんなすべてが溶けていく今日の暑さはそれぐらいです
ヒグラシが遠くで鳴ってる午後三時、アイスクリーム注意報出る
どの味にしようかなんて君が言い、ブルーハワイと言っ ....
寒さに震えながら 畦道を 歩いていたら
冬は 寒いねえ と
顔なじみのハクセキレイに 話しかけられた
冬は 本当に 寒いねえ
ねえねえ 冬は寒いよねえ
冬は何で 寒いんだろうねえ
本当 ....
予報は雨
(真昼)
あらがえないの
この時計の刻む
奥底からきこえる声には
自性が宿っているのだから
茫洋として連なっている先へ
零時の胎動しているのは不在
の影が失わ ....
何ゆえあたしは起きているのか。
人が眠る時間に。
ああ、冷凍庫の変な安いアイスでも食せばよいのかしら。
もう意味がわからないわ、広い広いこの地球にいてガリガリくんを食べるなんて。
....
あたしは、
綿のスカートを翻して逃げる。
誰もいない、
....
07/07/30
不連続な顔を揺らして
新幹線の列車が通る
チラチラと漏れる明かりが
旅情を誘うが
いつまで経っても新幹線と呼称さ ....
弟が、
はじめて天体望遠鏡を買った夜のことは、
今も忘れない。
失われた母星を見ようと、
みんなでベランダに集まって、
家族で覗き合った。
結局、
あたし ....
蝉時雨たまに入れ歯が落ちてくる
自然の中を吹き抜けてゆく風は
循環している
その中で生き物は同じ場所で
絶えず同じ命を繰り返す
街の中を通り抜けてゆく風は
まっすぐに流れている
その中で生活する人々は
絶えず便利さ ....
そこは陥没した土地の底だった
ふしぎにあおぞらに囲まれ
馴れ馴れとSiraketa鳥のとぶ低地
新しいだけがとりえのその土地に
湧き出る雲は白くて尽きないのでおそろしい
すうすうすうすうゆく ....
梅雨明けを待てずに
空は青に切り開かれて
ホウセンカの種が飛び散る
新しいサンダルが
小指を破って
滲んだ痛みは懐かしい夏
種の行方を見つめ
きみがいない、
そんなことをふと思 ....
死んだ人々の霊が
自然の事物に宿るように
僕に忘れられたものたちは
自然の事物となるのかもしれない
僕が忘れてしまった
初めてプールに入ったときの記憶は
山道の苔となって
ひっそりと生き ....
安東{ルビ史継=ふみつぐ}(二十六歳)と
高柳ロワ(十六歳)は
バレエを通じて知り合った恋人同士
「ロミオとジュリエット」のように
悲しい物語は持たないけれど
「安東とロワ」と呼ばれて ....
ある日、
(傘を忘れてしまった
朝焼けに焦れた視線が
日影の後ろ姿を おいかけていった
風光は二度と再び帰ってこなかった
....
以前にも書いた通り、自分はこの現代詩フォーラムの投稿から
詩歴が始まる。
今まで詩を書いてこなかった自分にとって、どうやったら
詩をうまく書けるのだろう、そう思いながらあれこれと
考えていくう ....
雨がひらき
匂いは昇る
あたたかく 甘く
光になる
白い歯車
心をまわし
雲の映らぬ涙になる
手のひらの空に繰りかえし
現われては消え 叫ぶもの
二分きざ ....
そうさらあ さらそわあ
さおわあ するるるるう
すふぃいいおお おおううう
しょうほう
さはああ そふううおおお
おおうう るらるうう
ふうち くうち
じいい ひゅうおおお
うんじゅう ....
31
世界が坂道と衝突する
アゲハチョウの羽が
誰かの空砲になって響く
内海に
大量のデッキブラシが
投棄された夏
遠近法のすべてを燃やして
子等は走る
....
気の抜けた
サイダーみたいな夏
梅雨は
まだあけない
何年ぶりだったろう
母のうでの中で眠っていた
幼いころに 暑がっては
アトピーの背中で いら立つわたしを
そうっと うちわで仰いで寝かせつける
記憶が 優しかった
起きたときに
とても
....
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=122465
詩人は詩を書き始めるにあたって、一つの静寂、一つの待機状態に身を置く。詩人が詩の発端をつかもうとすると ....
誰も知らないその庭に咲く薔薇
朝一番の雨に濡れた赤い薔薇を求めて
僕はたどり着いた 足をひきずりながら
かぐわしいその香りを嗅げば幸せになると
ただひとつの愛を得られるとずっと信じていた
....
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