なにゆえに見放すことができようか我が奥底に棲む群盲を
しかばねの多さに目を突き哭き叫び地獄の番犬喰らう日に記す
何億人殺めようとも救われぬ我が魂に触れるもの ....
ふと目についたところから壊して捨ててゆく。
それから新たに建て直す。それから新たに作
り変える。捨てていけ。変えていけ。わが国
の年間一人当たりのゴミ排出量は、年毎に右
肩上がり。とうの昔に二 ....
探さないでください
そんな手紙を残して
君がいなくなってしまったから
僕はちまなこになって探したんだ
押入れ、風呂場、トイレ
良く行くレストラン、レンタルビデオ屋
何処にも ....
まめのこ は
ぽくぽく
つち の おうち
で ゆめみてる
どうなるのかな
しろい おうちには
みんな と いっしょ
おおきなて
に つかまれて いまは
ひとり ....
青き百合を水に葬る手のひらのかたちのように流れゆく指
横隔膜の失いたる平衡感覚で剣のうへももはや荒野
牛乳を一気飲みする冷たさにすべての蝶の真白く映えり
目を閉じて遠き木 ....
あてもなくふらつく夜の地下道
家の無い汚れた列が うようよと 笑ってる
バケツに入った配給の{ルビ雑炊=ぞうすい}を待ちわびて
地上への階段を登る
雨に濡れた新宿ミロードの傾斜を
危う ....
言う男 の 言う が
ぷかぷかと空に浮かんで
言う の 雲になり
言う の 雨を降らせる
言う男 は 言う の雨にうたれながら
言わない
言う男 の 言わない は
地面にこぼれて ....
西の空の
あの薄桃色は
今日を
黙って許してくれる
と いうしるし
明日を優しく
連れてきてくれる
と いう約束
大きく大きく
愛されている
ぬくもり
光る機体が
傲慢に突 ....
あの日
僕はふらっと出かけたそうだ
何処にも行けない身体で
何処に行けるはずもないのに
何処かへ出かけてしまったそうだ
(言葉を忘れるということは
そんな遠い旅に出ることに似てい ....
陽に焼けて
薄い力を
なくした紙
ぺタリと セロハンテープでとめてたけど
格子から はがれてしまい
なにもないより 荒れてるような
みじめな部屋に 苦しくなり
重い腰を上げて 張り替 ....
東京の水面は光りに紛れる
湾岸の運河は白っぽい夜空の下
ビルたちと同じように街灯りを抱いている
街中を少し外れると水面は暗い
平らかな夜景に微かに縁取られながら
水があることや河であるこ ....
片付けた くつ箱の
外に 放り出された
ビルの舗道
駅の時計
ごふん
先を 急いでいます
あらいばは こんでいて
海辺は 遠くて
あっちへ 行こう
埋められた ....
誰かの記した言葉を読むとき、自分自身がそっとその言葉の傍らに寄り添っているような気がすることがあります。詩集に頬を寄せるわけではないけれど、言葉のひとつひとつに愛しささえ感じるような想いで、その ....
ネクタイ
ほどいて
第一ボタン
はずして
ことばのねじを
ゆるめて
外はとても熱いから
そのまま
要するに
たどりつけないということだ
だけどそこにあるでしょう?
そんなふうに
要するに
好きなんだということです
無限に
割り切れないのです
だけど
そこにあるのです
....
遠去かる陽がうなずいた草の輪にやがて降り来る雨のふちどり
痛む目となだらかな背を持つものは皆それぞれにぽつんとしている
ひとりだけ此処に居ること奏でれば返る応え ....
ため息が汽笛となり
涙は色の無い雨となり
配膳車で旅をする
乗っているのは
おまえたちというより
俺たち
港町
哀歌
巨大なカウンターに腰掛け
俺たちは
おまえたちの肩を
そ ....
いじわるな 雨
知らずに傘を 忘れて
舗道を 行く
少し 寒いのも
寄り添う 薄い 雲に
心 写して
宿る 屋根
捜しながらも
走らない
身体の熱が
冷たい粒の ....
中学の修学旅行で京都に行った
鴨川を見た
仁和寺を見た
苔寺を見た
いろいろお寺を見てから
かわらまちどおりの旅籠に泊まった
消灯後には
マクラ投げを少しした
その後で
真っ暗の ....
ぼくたちの出会いを事故と名づければたちまちエアーバッグが邪魔で
消えかかる蛍光灯の真似をするきみの瞬きずっと見ていた
きみのその背中の刺青の蝶を捕らえるために彫りし蜘蛛の巣
....
{引用=またひとつ、なさけない歌}
#1
夜は水のように滑らかで
闇は塩のように喉にひっかかっている
残る思い
その中で 何故と問う暇もなく 男は死んだ
海の そのくるった観念の中 ....
いつでも石を
なげつけ られたがる
ひんぱんに騒ぎを
おこさずには おられない
そんな人たちの そばでは
深呼吸の意味を教えて下さい
と、遥か空に問うのです。
朝鳥が木々を揺らして
飛び立つ足元から 追いかけてくる
化学物質を溶かし空 空間を
切り裂き 切り裂き飛んで行く
....
〜夜明け〜
森の呼吸
白く霞む朝
誰かの声
遠く響く
満たされる
満たされる
静かに濡れた空気
新しい命
〜静かな午後〜
緩く開いた手のひらを上に向けて
目を ....
「昨日はふたつの嘘をつきました今日は今日とて数え切れずに」
たくさんの傘が車道をすぎてゆく雨上がりの陽に影を失くして
風あおぎ枯れ川の春祝うのは帰る場所無き ....
春の花ほつれゆくまま雨模様
現し世のなべて二重の涙かな
雨の舌双つの蝶を行き来する
手のなかに生まれ滅びる己かな
留めおく術も失くし ....
休日の朝だけ傍若無人の人
「役立たず」叫んだ後悔あとに立たず
部屋のなか足で優雅にコーディネート
ぽちゃぽちゃと茶のなか茶柱バク転す
平日の何が「平 ....
赦すがいい赦せぬものを赦すがいいおまえがおまえでありたいのなら
できませんどうしてもそれはできませんわたしがわたしでありつづけるなら
かがやきのただ ....
朝起きたら晴れていた
Nack5を8時まで聞いた
たまっていた洗濯物を洗った
掃除はやっぱりさぼってしまった
朝飯を10時ごろ食べた
笑っていいともを見た
パチンコで4000円負けた
昼 ....
知らない方角から
明るさを取り戻してゆくかのように
朝はぼくのもとにやってくるのでした
遠くの響きは
古い透き間から静かに流れ
ぼくを取り囲むのでした
後戻りする物音は見あたらないのでした ....
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