風花の
細雪が落ちてきた
七輪の上にのっている
二つきりのホタテにも

降る度に
曇った空を見上げると
雪はいつも
遊びながら落ちてくる

ときどき気まぐれに

 °し 。
 ....
人がいないと
グラウンドは淋しそうだ
ただ広さを主張するばかりで
しかしその声は誰にも届かない


私が足を踏み入れると
グラウンドの広さが私を取り囲む
全てが遠ざかっていくので
私 ....
今朝、レモンを産んでしまった
それは、色も形も匂いもレモンそのものだった
もし産んだのが卵だったら対処のしようもあったろうに
なんでレモンなんか産んでしまったんだろう
レモンに耳をあてると ....
きいろあかちゃいろみどりいろどりあざやかなあき
にこやかなほほえみのかげのにがいおもいに
なぜかめをつぶりいねむりしているような
るいべのとろけるあじにからみつきまじわる
あこがれのように ....
水仙のラッパ
ファンファーレが聞こえるよ
寒い季節だから聞こえるよ
「出ておいでよ!!」
「一緒に遊ぼうよ!!」
聞こえるよ

北風のピッコロ
水仙のラッパ
コタツのもぐり姫の私に
 ....
遠い日の雪ふる夜あなたの瞳の中にみた海辺の足跡
理知のかがやきをひめて波間にただようほのあかり
やるせない吐息にうっすらとくもったガラスの部屋
窓に貼りついた蛾の群れが突如としてまっさかさま ....
雪が降る朝
こたつにもぐりこんで
みかんなど食べていると
外で誰かが
“あ”と

こんな寒い朝に
誰だろうと
障子を開けば
雪ともつかぬ
白い梅のつぼみ一つ
“あ”と
ほころび ....
きのう女にふられて夜から朝までのことを話す男に

従姉ベットって知ってる?と聞く
従姉ベッド?
従姉 ベッ ト
ベッド脇にあるから来て
とか言って寝室

これが従姉ベッド?
従姉ベッ ....
このようにして世界がおわる                                 
あなたの腰に手をまわし                                     
ささ ....
真夏の草いきれ。
立っているだけでじっとりと汗。
しかしこいつだけは
やけに涼しげだ。

やさしいみどりの草のうえ
冷たい泡で身体を覆って
まるで
クーラーの効いたワンルームの住人。
 ....
しがないの
皮膚のうちがわでピシーパシーと速球と直球が電気信号みたいにせわしくて
私はなんだか むずむずと空っぽになる

夜な夜な
世界のはてを切実に望んでいるのだけれど
胸を張って言えな ....
見捨てられたガラスの温室は
屋根も壁も割れて
折れた支柱には
へくそかずらが絡まって

でもその支柱のそば
深紅の小さな薔薇が咲いていた
頼りなげに細い茎には
淡い色の棘がたくさんあっ ....
駅からちょっと斜め方向の
ひまわり商店街は
活気をとりもどすために
商店街の名前を
マシンガン・ストリート
に変更した

それぞれマシンガンと銘打った品を出す
ことにつき 


 ....
めぐりきた敗戦後五十年目の夏の日々
ひとびとの思い出がいっせいにふきだす
メデイヤにあふれいきつづける酸鼻
あれもこれもみな生の意味を問いかえす
太陽はたなびく雲をとおして下界をこがす
くり ....
父の指にあわせて
ピアノがアカペラで歌う
大胆なくせに不安げなその歌声が
休日のリビングからご近所にも響いてしまって
父はますます手のひらに汗をかく

父よ
バイエルの14番から
 ....
〜人間の脳みそは耐えきれないほどショックなことを忘れるように出来ているらしい〜

病床で
昔の恋人を思っていたら
今 好きな人の名前を呼んでいた
うなされて 私がその名を呼ぶので
家人が
 ....
地下鉄で インフルエンザ うつされた

気づかずに 6じかんめ 受けていた

帰ったら 寝てめし食って 飲んで寝て

翌日に 起きたら体温 40℃…
あの人が死んだ時
私は不思議と
悲しくなかったのです
頭では死というものが理解出来ても
それが心までは伝わってこなかった
まだ

もう二度と話せないという現実
もう二度と笑えないという ....
瀕死の人間の魂が電波を操れるわけはなく
だからあの明け方に二度鳴ったベルはあなたのおじいちゃんの仕業ではなく
単に誰かの間違い電話だったのだよ、 と言われ
冷静な私はそれを十分わかっているの ....
森に 街に 空に                             
さんざめく                               
いきものたちの ささやかないとなみ       ....
長谷川七郎八十二歳の詩集『もうおしまい』
くもり空の伊豆高原で祝いの酒宴をはった
そこには詩人のぶあつい生の風景が舞い
夏の夜はたのしい談笑のうちにふけていった
女流反戦詩人の膝枕はやわら ....
夜の海が私を欲しがっている
或いは一つになれるだろうかと
踏み出した足に私は困惑する
そのとき私は生きている


そしていつも自らの中に
私は小さな一つの海を持っている
寄せては返すこ ....
くもり空のおもたい朝
欠伸をしている川獺
頭にかぶっている笠
ぷんと鼻にかおる野糞

きみの眼のまぶしい若さ
よれよれになっている裾
てのひらにあふれる乳房
白い毛の犬がのそのそ
 ....
○ところで皆さん!

ところで皆さん!
口を開けてください!

と、日記に書いた

書いたのは私一人
読むのも私一人
そこから先が続かずに
皆さんが口を開けて待っている

 ....
時々
理由もないのに ふと
立ち止まりたくなる
その時
そこには
透明な人の透明な碑があって
私たちは
それとは知らぬまま
刻まれた言葉を
心の指先でなぞっている
急に泣きたくなっ ....
ひとなかで あへばしらぬ そぶりして
鏡のみぞ知る 乱れ牡丹
きみにとってぼくがそうであったように                   
ぼくらにひとつの指針が ....
吹雪の中を歩いていると
灰色の世界に浮かぶのは
手が届くような白い太陽

北には日本海
南は山ばかり

ひょっこりと氷壁登頂家が
足元から現れたのは
本当にびっくりした
二人して
 ....
50億年前
宇宙が出来
45億年前
生物が誕生

ポンと叩かれ
ふっと生きはじめ
夢中で生きて
死んでも生きる為
生殖した

いつも疑っていた
誰がポンと叩いたか
それは解か ....
男の子だったら
悠人という名がいい
ゆうと 悠然と人生をわたるひと
みえこも大賛成
女の子だったら
悠帆にしよう
ゆうほ 悠々と海をいく帆船
あるいはUFO 未確認飛行物体
みえこは猛 ....
ふるるさんのおすすめリスト(5756)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
風花- 純太自由詩504-1-30
グラウンド- 和泉 輪自由詩1204-1-30
レモンの日- たもつ自由詩4204-1-30
十一月のバラッド- 狸亭自由詩404-1-30
水仙の咲く頃- 春日野佐 ...自由詩604-1-29
十月のバラッド- 狸亭自由詩404-1-29
“あ”- 春日野佐 ...自由詩7*04-1-28
従姉ベッド- 山内緋呂 ...自由詩7*04-1-28
このようにして世界がおわる- よねたみ ...自由詩704-1-28
アワフキムシ(百蟲譜21)- 佐々宝砂自由詩4*04-1-28
ソーダ水- あみ自由詩8*04-1-28
ハゴロモ(百蟲譜20)- 佐々宝砂自由詩3*04-1-28
夕焼けが足りない13(マシンガン・ストリートの少女2)- AB(な ...自由詩1104-1-28
八月のバラッド- 狸亭自由詩404-1-27
幼い手つき- 石畑由紀 ...自由詩704-1-27
名前- 山内緋呂 ...未詩・独白2*04-1-27
つい1週間前のできごと- 虎狼川柳304-1-26
あの人の死- 快晴自由詩6*04-1-26
眉尻- 石畑由紀 ...自由詩504-1-26
森に_街に_空に- よねたみ ...自由詩704-1-26
七月のバラッド- 狸亭自由詩204-1-25
遺灰- 和泉 輪自由詩1304-1-25
ぼくの童話 - 狸亭自由詩504-1-24
小詩集「なんでだろう」- たもつ自由詩1704-1-24
墓碑銘- 石畑由紀 ...自由詩604-1-24
48しゅのひとひら- 佐伯短歌404-1-24
きみにとってぼくがそうであったように- よねたみ ...自由詩1204-1-23
だんべ(ぼたん雪)- まんぼう自由詩504-1-22
夜明け前の唄- まんぼう自由詩404-1-22
男の子だったら- よねたみ ...自由詩704-1-22

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