散り散りと 舞い降りたのは
白い蝶々
風の中に 突っ立っている
加減のわからない 眼に
身ひとつで 超える
天辺から 乞うてくる
切れたものは また生まれて
避けたものは つ ....
因果応報ってあるでしょ。
アタシの今の姿が前世の報いだとしたら
アタシの前世はきっと絶世の美女だったにちがいない
で、寄って来る数多のオトコを食いものにして
ずいぶん泣かせたんだろうな ....
ぼくは詩を書きたい
自分の創作は
自分が作るもの以上でもなければ
自分が作る以下のものでもない
今日もまた
朝の散歩をしていると
画家に出会いました
いつも綺麗な風景画を ....
手作業が大事です
自分との戦いです
バーストしたあとの
むなしさのたびに
大人になります
高野五韻さんが今日現代詩フォーラムで、すばらしい散文を発表していた。(http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=75981)以前ブログで発表していたので、読んだこ ....
となりに座っても よろしいですか
わたしの喪失は たぶん
あなたほどではないのに
あつかましいお願いですが いっしょに
すこし泣いてくださいませんか
生きながら魂となり
死してなお人を愛する
その心は
千年の時を超えて
今も誰かの命に宿る
今宵も
妖しく燃え立つは
情念の炎の
ふたつ みっつ
今夜 私には
逢いにゆく人がいない
孤独な夜の散歩者は
アスファルトに響く雨唄と
ビニール傘に滴る雨垂れの
二重奏に身を浸しながら
果て無い雨の夜道を{ルビ彷徨=さまよ}う ....
朝の空気の
光に濡れた
清々しい香気に、
私の五感はしとしとと沈み{ルビ水面=みなも}をみあげる重く熟した金属の愁い。
空間をよぎる
不透明な視線は、
無知な陽炎となってさえずり虚空を ....
ぼくは詩を書きたい
苦労を積んでも
すぐに忘れてしまうのも
人の自然かもしれない
今日もまた
朝の散歩をしていると
坂道に出会いました
幼い頃から
学校へ行くとき
昆 ....
ぼくは詩を書きたい
何も気にしないことに
気になるものである
今日もまた
朝の散歩をしていると
ネコに出会いました
目が合うなり
さっと距離をおかれてしまった
嫌わ ....
ななめに銀の 朝のはじまり
指が背になり 背が指になり
よろこびのあとのまどろみを
ひとつふたつと過ぎる鳥影
結ぶ光 結ぶ記憶
髪の毛を結わえる見えない手
風のなか
....
風景は翠に染まり
懐かしい記憶に薄荷の味がする
今、ひんやりと誰かの影が映った
声を掛けようとしたら
今日の霧雨が人差し指の形になって
口元を制止する
濡れそぼった公園のベンチ ....
ぼくは詩を書きたい
恋人とは自分の鏡
相手の不満は
自分への不満でもある
今日もまた
朝の散歩をしていると
波紋に出会いました
池から
鯉が静かに水面へと浮き出る
そ ....
夜に、わたしは
はしたないほど口を開けますから
どうぞそこから私の中に
入っておいでなさい
内側から私を喰い尽くして
やがて空洞になった私の躰は
それでもまだぬるま湯ほ ....
笑ってたんだ
笑ってたんだ
きっと
あったかい土に抱かれて
優しい雨に愛されて
まだ見ぬ地上の風に憧れて
君たち 泥んこぼうず達は
笑って
幸せに
暮らしてたんだ
そして 素直に育 ....
こんぺいとう 目を閉じ頬に手 しゃりしゃりしゃり
たったひとつで 幸せの姫
ケチャップで うさぎが先っ! ぞぉーが先っ!
コラコラ押すなよ ほーらこんなになっちゃった
{ルビ祖父祖母= ....
*
朝起きて色を塗る
テーブルの上にある
野菜ジュースの中を
遠くまで行くことは
とても難しい
*
虹を壊し
虹に壊されながら
走る子どもたちの足音が
回覧板でまわ ....
ぼくは詩を書きたい
当然に疑問を抱かないことが当然ならば
疑問を当然とすることが疑問である
今日もまた
朝の散歩をしていると
清風に出会いました
この風は太陽からつくられ
....
僕は、女が欲しい
女のかたちではなく、女というものだ
できれば女のかたちに入っていると
うれしいが
それが別のかたちでもかまわない
君がもしも男だとしたら
僕は女というものになりた ....
在りつづける羽
鳴りつづける羽
変わりつづける羽
空の空に重なる黄金
宙に鎖がれた魂が
風のなかで動けずにいる
鉄に鉄を打ち込む音が
雲の下に響きわたる
....
みてよ みてよ
わたしのこと
って ものほしげな
おはなにも ちゃんと
みずを やってますか
わたし
夜に写真を撮ったわ
あなたの家の
木を
あの頃
毎晩見ていたわ
あなたのことを思いながら
わたし
夜の写真も撮ったわ
あなたを
夜のあなたを
それはもうないわ ....
誰かと笑い転げる日々を過ごす私
仮面を一枚{ルビ捲=めく}れば
誰の手も触れ得ぬ「もう一人の私」がいる
あたりまえの幸福は
いつも手の届く場所にあり
浜辺へ下りる石段にぽつん ....
紙屋町から橋を渡ると
折り鶴に祈りを捧げるための
順番待ちの列
それは確かに祈りのかたちだが
朝夕の公園掃除とは
似てもにつかない
ベンチに座り
おにぎりを取り出すと
えらそうに鳩 ....
勢いこんで始めてしまった「近代詩再読」シリーズ。前回は長い詩暦を誇る草野心平をとり上げたが、今回はいきなり立原道造である。草野心平は八十過ぎまで生きていた人だが、立原道造はわずか二十四歳で亡くなって ....
ぼくは詩を書きたい
ふさわしい名はつけるのではなく
生まれるのである
今日もまた
朝の散歩をしていると
葵に出会いました
人が生まれるまえから
そこにあり
その葉は人の ....
ぼくは詩を書きたい
早いか遅いかは
その時点の問題であり
大切なのは
その時点で何を創り出したかである
今日もまた
朝の散歩をしていると
草船に出会いました
小川に架 ....
きみの睡眠の中を走る
列車の軋む音を聞くと
世界が本当に
平面であることがわかる
ぼくらは座席に並んで腰をかけ
お手製の弁当を食べる
屋根の瓦が一枚落ちかかっているのだ、と
きみはさっき ....
ぼくは詩を書きたい
たとえ自分を見失ったとしても
進むべき道は必ず存在する
今日もまた
朝の散歩をしていると
静寂に出会いました
林の中
光をも遮り
薄暗いその空間は ....
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