宙に打つ
神の標
春のしるし
幾重にも
幾重にも
彩陰を重ね
時の無い静寂に
さやけき歌の
無間に響きわたり
夢幻うつし月に映え
淡きは命か
ゆるやかな風に揺れ
....
初老の母ちゃんを乗せた
旅客機は
赤ちゃんを産んで間もない
姉がいる富山を目指し
羽田空港の滑走路から
大空へ
飛んでいった
定年をとうに過ぎた親父は
警備の泊まり ....
くちばしで穴をあけ幹に棲みます私そのように君に棲みます
熱病に抗えぬまま君に手をのばす殉職への序章(プレリュード)
なにひとつ約束はない 安定の利いたシャツを剥ぎからまる逢 ....
目が閉じそうよ。
油断したら眠っちゃう。
お嬢さま、おねむですか?
ええ。
それでは寝室へいきましょう。
うん。
疲れが溜まったんでしょう。ゆっくりおやすみにな ....
遊歩道 風化の隅にももいろの雨が逝く午後 そっと手つなぐ
触れられるそばから羽化をした 二度と同じではない スプリング・イズ・ヒア
夜が終わる前に
銀河がサイクロンになって
いらない文字を吸いとりに来る
(サクラ、サクラ、琴のおと)
貼りついてしまったものを
ひとつひとつ
はがしてみれば
どれも忘れがたいもの
けれ ....
この野郎、ピンポンダッシュしたろかな
マンションだと言われればそんな気もするアパートの角部屋
レースのカーテン越しに人の気配が行ったり来たり
どうやら生きてることは間違い無さそうだけど
....
人や物を分類し整理する。そして種類ごとに区分けし箱詰めして、市場に出荷する。人は様々な異なるものたちであふれるこの猥雑な世界を、そうやって分類してきた。そうしないと、世界を捉えることが出来ない。人が ....
論争スレを読んでいて思ったことを書きます。
私は自分が男しかやったことないので、異なる性の気持ち、存在状況とかそういうのがわかるといったら嘘だとは思う。
けど、どんなジェンダーにいてもね、欲望 ....
言ってしまうんだろう。
「頑張って」
「私も頑張るね」
頑張るって便利な言葉だなぁ。
あの人とのやりとりで決まり文句のように使う。
もっといい言葉はないのかな。
....
ダイ、ダイラ、
風吹きわたり
陽あたりのいい場所で
投げ捨てた果実の種が
ことごとく芽吹いて巨樹となり
大地を引き裂いて
ダイ、ダイラ、
風吹きわたり
陽あたりのいい場所で
はらわた ....
晴れて
水平線のまるみが遠い
海岸通りに迫る波は
テトラポッドに砕かれて
泡ばかりたてている
その水は
まだ冷たかろ
けれど青、
翡翠いろならば
思わず爪先で冒したくなる
散らばっ ....
ひいばあちゃんはな
いっつも縁側で内職しとったんやわ
そこでいちんちじゅうな
つるらるらーって数珠みたいに
ぎょうさんつながったしょう油入れを
ずーっとぼじっとってなぁ
( ほら、おす ....
10年ほど前から、わたしはネットで詩を書くようになった。単純に、保管できる場所が欲しかったからだ。
それから今まで、たくさんの人に出会った。詩を書く人、詩を読む人、両方の人。
彼は、その中の一人だ ....
水族館で
深海コーナー
ダイオウグソクムシ水槽の前で
しゃがみこんで
ひらひら
なんとまぁ
水族館のスタッフは
餌付けに成功したらしく
(それまで何食べてたんだ?)
最近では
....
あなたは憶えているだろうか。その日、桜の花が咲いていたことを。少し早い桜が、あなたの行末を暗示するかのように咲き、そして早くも散り始めていたことを。その日、あなたが亡くなった日、外のバス通りでは桜の ....
むしろ、さくらではなく
今朝の濁った空色が
薄灰色の風となって
じんわり染みこんでくるのを
わたしは待っているようだ
三寒四温の春は寡黙に地を這って
あたらしい芽吹きを迫る
枯れ枝に ....
夜にこてんと横になったときの
すべり台の温かさを知っています
昼にそんなことしてると
子どもが降って来ますからね
そこかしこのベンチは
どれもこれもなんだかんだされてしまっていて
星や ....
この季節に居たくない夜
どこか、向こうがわを見ようとする
すべり台の天文台に寝そべって
どんな温もりでも
消えていくときはいつも赤い星
経験の記憶が
証ではないのに
あい ....
「ねぇ。」
「ねぇ、キミ。」
「ねぇ、ねぇキミ。」
無限廊下の、うさぎいすが鳴きました。
淋しいうさぎいすは、死ぬのです。
無限廊下に並ぶのは
無限個数のうさ ....
俺は対人恐怖症です。
上手く伝えられないのだけれども、俺は人付き合いというのが良く分かりませんし、特に同級生などとはもうどうしたらいいのかわからずいつも目が合うたびにビビリます。毎朝起き ....
たのしいことを
たくさん
かわした
むねのひょうめんの
さかげが
なめらか
ほらこんなことばたちが
わたしを支えている
こえにだしてみても
書いても
つたわらないことが ....
白っぽい視野の中に
草の生えた道があり
知らない樹木が立っていた
母は和服を着て
道にひとり佇んでいた
すると向こうから
何年も前に死んだ父が歩いて来た
ぱりっとした背広を着 ....
目覚めると輪郭だけが残っていた はまって遊んだあとで、笑った
ソファの上に速度の違う一日あり胸とくとく打つ猫と私と
いまはもう見えなくなった補助輪のかろかろ我の胸に鳴り在る
....
沈丁花の、
高音域の匂いがした
夜半から降り出した雨に
気づくものはなく
ひたひたと地面に染み
羊水となって桜を産む
きっと
そこには寂しい幽霊がいる
咲いてしまっ ....
さ。く。ら。ち。る。ち。る。
さ。く。ら。ち。る。
文字は花びら、桜散る。
て。ん。て。ん。て。ん。て。ん。
転々と渡り暮らした町々の
別れの記憶に桜散る。
....
秋葉原電気街
2008年11月02日
風邪気味だったが、気が急いて並四ラジオの部品を求めに秋葉原電気街口を降りて、総武線ガード下にあるラジオストアの2階の ....
曖昧に惹かれて
曖昧に触れ
曖昧に笑った
曖昧に撫であって
曖昧に気づかず
曖昧に傷つく
永遠に曖昧
冬眠をしていた
たまご焼きが
ゆるゆるとのびをして
大きなあくびをしている
なべのなかで
たけのこと かつおぶしが
ことことと
ないしょ話に花をさかせる
ふと、牛乳の肌 ....
{引用=――続・The Poetic Stigma}
こんにちは。
こんにちは。
僕たちは呼びかける。呼びつづける。誰に向かってなのか、何に向かってなのか、僕たちにもわからない ....
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