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風が入り込み
這いまわり
出てゆくたび
ひとりになる


夜の地に立つ夜の洞
夜を二重に夜にする音
雨は洞を抜け別の夜へゆき
音だけがこちらに残される
 ....
夜をのぞき込む夜が
少しだけ喉を痛くする
壁の虫はどこへゆくのか
おまえはおまえの夜をゆくのか


朝に張り付いた昨日の雨が
陽に刺されては落ちてくる
ひとつの ....
空を海へ引く光の紐
雨と機械の音が重なり
遠い話し声となり
さらにさらに遠去かる


音のはざまに見える陽
すべては明るく
白いものの前に浮かんで見える
だが暗が ....
影の尾が地に触れ
うたっている
忘れかけていた蒼が
目を馳せる


特別に
彩られているはずだった
その衣は
どの空を刻んでいるのか


手のひらは白く ....
わたしは生まれながらの嘘つき
嘘泣きをしながら生まれ
嘘泣きに囲まれてこの世を去る


わたしの金属
わたしの針
わたしの金属の針
わたし自身


屋上のわた ....
夕焼けの海辺には
この世の終わりを求める人々が集う
だが終わるのは夕焼けのみで
皆とぼとぼと何処かに散ってゆく
蜘蛛に触れたい
蜘蛛に
あなたの脳に棲みたいと言われたら
空けてあげたい


雀に触れたい
雀に
あなたのうなじに棲みたいと言われたら
開けてあげたい

 ....
鉄の雛鳥が川を分ける
岩の生きものが川を進む
彩雲が谷に落ちてゆく
雨の骨の門がひらかれる


どこまでも深く深く
突き刺さる雨音の上を
踏みながら飛びながら
歩 ....
雨 雨 孕む雨
雨 雨 流す雨
水がしばらく水でなくなり
再び水に戻る時
雨粒の間を 越えてくる声


真夜中の光が隔てる心を
多くの花が見つめている
誰 ....
岩の集落に刺さる虹
色を失い降りる鳥
横倒しの如雨露から流れる曇
ゆうるりとゆうるりと線路を覆う


家の何処かで
茎が動いている
片方だけ 葉が幾重にも重なり ....
午後を歩き
空を吸う
斜めの鉛芯
やっとひとつの島を巡る


空から落ちる花の軌跡
声はずっと声のまま
水たまりの上を旋回し
宙に桃色の輪を描く


雨の明るさ ....
光の文字を裏返し
水の警笛 真夜中の息
窓をすぎる 蛇の横顔
墨の季節 矢印の季節


朝も午後も夜もなく
曇りの音に満ちている
ひらくことのない雨の手のひら
冷えた ....
中庭と廊下に
誰も居ないことを確認して
使うことのない鍵を握り
少しだけ明るい裏庭に出る


低い草と
色の無い花の間を抜け
影の無い径に出る
薄暗く揺れる午後に ....
手指の爪に光の針が立ち
関節に光の毛がそよぎ
風に当たると消えてしまう
視界が
少しだけ苦しくなる
いたるところに在る
きらきらとしたもの
忘れてほしい
ふたつの景色


雪を呑んだままの朝
音もまた呑まれたまま
聞こえるものは無く
火の穂は降る


両腕 ....
夜の廊下に
落ちている声
踏まずに歩けば
聞こえくる声


思い出せない
幸せな音
思い出せないまま
そこに在る


遠のく雷 遠のく虹
遠のく空 空
営み ....
蛾と葉が共に地を転がり
匙の足跡をなぞりゆく
雨は止む
音は残る


水が叩き
水が呼ぶ
目の痛みが
もう一度降る


夜の火は覚め
水は起きる
銀 ....
空を哭き仰ぐ朝があり
磨く価値もない宝がある
砕象 砕象
底に敷いたもののかたち 


午睡の白は塩の白
窓にたたずむひとりの白
何ものにも染まらぬ花嫁の白
帰る ....
夜明けに立つけだものが
空を掴んでは離している
虹の足音
虹の足音


月は森に居て
径は光に流され
まぶたは眠り
さらに 昇る


何もない昼の空
 ....
硝子が
黒く空をゆく
映るのは音
変わりゆく音


真昼の霊が幾つかの影を
円く短く
花のかたちに置いてゆく
笑う背中に乗せてゆく


手足の指が
痺 ....
鏡を上に向けすぎた昼
映らない
何も
映らない


雪が径をすぎる
さかな ふるえ
背びれ 夕刻
自ら 光の個のほうへ


応えをしまい
さらに しまう
 ....
雨粒が描く横顔
花弁 花芯 青空 花嫁
緑の浪に吼えるもの
朽ちた舟に咲く光の輪


星の渦のなかの横顔
誰にも到かない微笑
空は動かない片翼
分かれては出会う分かれ ....
暮れの空に 巨きな曇が
ひとつ浮かんで動かない
街を隔てる径のむこうに
家より高い鉄の樹がある


街へ 光へ
到くもの 到かぬもの
降りそそぐ 機械の星
花の星
 ....
痛みを持たない笑顔から
毒も疫病もない広場へと
脈打つ雫が落ちて来て
紙の上には無い言葉を晒す


今は誰からも忘れ去られた
早死にの国から群れは来て
陽に焼けた影の落 ....
何も無い荒野から
無いものの無い荒野へと
言葉を言葉に放つ指
言葉を言葉に散らす指


腕の先 拳の先
曲線 放物線
吸い込まれてゆく
泪とともに生まれる花

 ....
線を踏んで 花の内
爪先立ちの 花の内
花を 花を
他から多へ


掴もうとする手の反対側へ
しずくは落ちて 落ちてゆく
膝を折り 倒れる鏡
映るものは空と地ばか ....
またたき またたき
またたきの音がする
しびれているのは 右か左か
どちらの目なのか
両方なのか



左足を咬まれて
愉快でたまらない
左足の内に 咬んだものが潜 ....
考えても仕方の無いことを
考えても仕方が無いのだが 考えてしまう


考えて書けってなんだ


書くことは常に
考えの外に在るのだ







 ....
水に押された風が
屋根の上を梳き
かがやきを降らせ
音を降らせる


光の羽の子と光の蜘蛛の子が
どうしたらいいかわからずに
ずっと見つめあったままでいる
風の螺旋が ....
夜の蒼のなか 点滅する灯
赤と白と 碧の建物
鉄のかたちが 
径に横たわる


夜のなかの夜を見すぎて
暗い泡が浮かんでは消えない
目を閉じたまま何を視 ....
ふるるさんの木立 悟さんおすすめリスト(375)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夜_消える夜- 木立 悟自由詩523-7-17
雨の街と夜- 木立 悟自由詩223-7-17
朝へ_朝へ- 木立 悟自由詩423-7-17
どこまでも昇る水- 木立 悟自由詩423-2-13
人よ_わたしは(メドレー)- 木立 悟自由詩522-12-1
ノート(終わり)- 木立 悟自由詩622-12-1
ノート(蜘蛛_雀_ヒト_霧)- 木立 悟自由詩522-12-1
水の地をすぎて_Ⅳ- 木立 悟自由詩322-11-21
水の地をすぎて_Ⅱ- 木立 悟自由詩222-9-15
水の地をすぎて- 木立 悟自由詩222-9-15
曇間と門前- 木立 悟自由詩222-7-19
花と終わりの迷路- 木立 悟自由詩222-5-12
裏庭を越えて- 木立 悟自由詩222-4-10
ノート(手指)- 木立 悟自由詩122-4-10
青空と絶滅- 木立 悟自由詩222-3-8
遊迷樹- 木立 悟自由詩621-12-13
幽霊_器を持つ虹- 木立 悟自由詩121-11-4
秘名_降りつもる色- 木立 悟自由詩121-9-14
左目_この世の果て- 木立 悟自由詩921-8-14
午後_山は飛び_ひとりを歩み- 木立 悟自由詩321-6-23
あかり_くらがり- 木立 悟自由詩521-3-12
八季巡夢- 木立 悟自由詩321-1-1
夜_迷_灯- 木立 悟自由詩420-11-29
はじまり_はじまる- 木立 悟自由詩320-10-8
持たざるもののための水- 木立 悟自由詩220-9-28
夜と歩いて- 木立 悟自由詩220-9-5
ノート(またたき)- 木立 悟自由詩320-8-14
ノート(考え)- 木立 悟自由詩520-8-14
空と虹彩- 木立 悟自由詩820-7-3
降り来る言葉_LXIX- 木立 悟自由詩219-4-29

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