となりに君をのせて
海沿いの夜をゆく
波は
そこにあるのに気づかない
君はたぶん
空気で出来ていて
誰の目からも見えないけれど
見失いそうになるとき
君をのせて夜をゆく
ボク ....
化石になるときに
石と入れ替わってしまった
私の部分
を、さがしているのです
外側の触れている世界から
入れ替わっていくから
私の肌
は、こんなにカサカサとはがれ落ちて
化 ....
傷ついているなら
はっきりと痛んでよ
何も起こらなかったように
すましたままで
密かに終局へなんて向かわないでよ
泣いたらいいのかどうかさえ
わからないじゃない
こいしける
そらたかく
おちていく
みどりいろ
はがしげる
はるのいろ
なのはなは
たまごやき
そらたかく
こいしける
ひこうきと
くも ....
ぐんにゃり ぽっぽ
雪の草原を 女は
赤い着物着て
歩いたのだ
ちらほら雪は降ったのだ
女は倒れて
吐いたのだ
赤い血を
青白い空が覆いかぶさる
女は血を指先でなぞりながら言った ....
全国の学生が巻き込まれた
受験戦争は終戦した
人それぞれ勝利したものもいるし
敗戦したものもいる
ぼくは最大の敵
志望校に全力で戦った
だが結果は粉々にさせられ
....
朝焼けに燃え尽くされて 空
「熱を帯びたから、私行くわ。」
そう言うと 彼女の全身から
冷たい汗が吹き出したのだった。
憶えているのは 丸い尻
しっとりと 揉んだ
憶えているの ....
詩集にするために
詩を集めて
何になるんだ
って あなた
詩集になるんですよ
あんまり驚いたので
だって あまり変な事いうものだから
そんなことして どうなるんだって ....
たくさんの資料に埋もれて君に愛を告げた分室という部屋
僕の住む街を指でなぞれば指紋が乾く空のない地図帳
こけしを削って食事に入れ続けた、母は父に何の復讐
ひとことで言 ....
高原行きの{ルビ汽車=ディーゼル}を待つ間
プラットホームの先っぽで
二人は駅弁を食べるんだ
二段になった折り詰めの
おしゃれな駅弁を
うれしそうに開けるんだ
中央アルプスの山嶺に ....
花はそのままで美しい
草木もそのままで美しい
根も葉も茎も枝も美しい
葉が還る土も美しい
あれらは光の受け手である
ケイソウはそのままで美しい
渦鞭毛藻類もそのままで美しい ....
風車が
巨きな時計のようだ
三つの針を吹雪にまかせて
早回しで、ゆっくりとまわる
うなっているのは
雪を孕んで吹く北風
だろうか
誘導電流を生み出すコイルの声
それとも
ただの ....
書けなかった詩の断片が
ちぎれた草になって
風に舞っている
いのちは永すぎる未完
死してなお
始まりにさえたどりつけない 未完
私の夜はいつもと同じ旋律を
内側の街路にまきち ....
道に空いた
吹雪の目に立ち
陽の光にとけだす
頬の雪を聴いている
もうひとつの吹雪を引き連れ
列車が鉄路を通り過ぎ
まばらに記号を落としては
路傍の崩れた家々を鳴 ....
カミキリムシに噛み切られている
僕は薄い紙になっていて
手も足も出せない
手足が出たところで
噛み切られるだけだけれども
昨日までの厚みは
どこに行ってしまったのだろう
でき ....
議事録 01
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=67405
まぁいい、わかった。
ご主人様→(雇う)→メイド
という構図ではないわけだ。 ....
ヘリウムを
胸いっぱいに吸い込んで
あなたの街に
飛ぶんだ
飛ぶんだ
川をこえて
ビルを
入江を
ほら
雪めいた季節が溶けて
あなたに
春の雨が降る
今年は
ちょ ....
風にさわる手を
持っている 心
揺らいでいるのは
壁の外 ではなくて
壊す意味も途切れた
伏せた目の奥の ハンマー
持っていられない 紋様を
さらして 威嚇する蝶
かが ....
焚き付けた割り木が
煙と 灰に
分かれていく
土に根を張り
陽の光を 葉に受け
倒れたら
日陰に 宿るものを 育み
倒されたら
日なたに 凍える者を 暖め
遠い水脈 ....
「私がおばさんになっても」と森高は歌った
ついこの間のことのようだけど
もう十二年も前の話だ
その年に僕らは結婚した
つまり、僕らが結婚して既に十二年たった
ということだ
僕は一度、交 ....
赤ちゃんが乗っています
世間でステッカーがはやりはじめると
和泉町3丁目にある零細ステッカー会社の社長はへそまがりだから
赤ちゃんだけ特別扱いするのはおかしい と言い出し
次のような亜種をどん ....
食べちゃうぞ!
食べちゃうぞ!
食べちゃうぞ!
ねえ、ブランシュ、
あのとき
あなたが越えようとしていたものがなんだったか
今のわたしにはもう
それを知る手だてもないけれど
あなたはいつも わたしの
理解の範疇をこえて
日常のただしさ ....
長い洗濯をしていると
パンツもシャツもくつ下も
きれいになって
空を飛べるようになる
洗濯の匂いが土にしみ込み
そして全ての建築物にしみ込み
青い空で見えない
全ての恒星にしみ込んで ....
弱さについて
溺と死と弱の近さについて
もう十二分に知ったはずだ
まだ日が改まらぬ宙空の笑いと
睡眠のない子供たちについて
まばたきと生物学と水かきとエラしか論ずることがで ....
{ルビ朱=あか}くて小さなさかなの
息のように
そっと触れた
てのひらから
あなたを呼吸する
ほんの少し
の温もりが意識を
わたしに繋ぎ止め
る、わたしの体温
....
彼女の落としたペンシルを
返しそびれてそのままに
そっと握りしめてみて
ドキドキしていたこともある
机の引き出しその奥に
眠っていましたペンシルが
転がり出てきたその時に
あの日の気 ....
清さこそ、いやらしいとは思わない?若い和尚の鼻梁にみとれて
アルコール分量わざと間違えて きょう 今 あなたに{ルビ手=た}折られたくて
ガールという字面で服を ....
このコインの桜をじっと見てください あなたはだんだん春になります
失踪は春の間に すれ違う人がよそ見をしているうちに
肩と肩近づいていくまだ雨はそうだね雪のにおいがするね
....
耳たぶを
どうか
噛みちぎってほしい
此処から出られなくていい
私が誰で何処から来たのか
なんのために生きているのか
なんども問いかけて
なんども見うしなう
歌なんか
....
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