冬の便り - 7編 -
ひより
蒼い 空に とけ込むように そまっていった 雲が 届けようとした 白い 水晶
いたい
風は さすように それを 運んだ
*
西の空の片隅で眠る冬は くぐもり
風の花を降らせては みたものの うつろ
ちらちら と 散るばかり
*
時の折りに触れて落ちるは 雪
募るほどに 降る
お戯れに風が 吹く
水面に落ちて 消ゆる
何かを申されて も しん しん しん
*
雪渡る
山河に埋もるる
冬の帷は
野うさぎの耳の
しばれ月夜
*
今日 の 日向
たおやかな おもむきに うもれて 眠る
真白きものも 思うにまかせて
ふる ふる ふる ふる ふ る
訪れは しずか な り
*
ほかり ほかり 春の うらら の
ゆらり ゆらり 辿り着きたい 白い 想い出
うっすら と とけて ゆ く
まだ かりそめの 冬の海
*
ささら さら さら
花の野へ咲き行く 春の おもい
ささら さら さら
風の野の花の 雪は ふる