冬の便り - 7編 -
ひより

蒼い 空に とけ込むように そまっていった 雲が 届けようとした 白い 水晶

いたい

風は さすように それを 運んだ

*

西の空の片隅で眠る冬は くぐもり

風の花を降らせては みたものの うつろ

ちらちら と 散るばかり

*

時の折りに触れて落ちるは 雪
募るほどに 降る

お戯れに風が 吹く
水面に落ちて 消ゆる

何かを申されて も しん しん しん

*

雪渡る
山河に埋もるる
冬の帷は

野うさぎの耳の
しばれ月夜

*

今日 の 日向

たおやかな おもむきに うもれて 眠る

真白きものも 思うにまかせて

ふる ふる ふる ふる ふ る

訪れは しずか な り

*

ほかり ほかり 春の うらら の
ゆらり ゆらり 辿り着きたい 白い 想い出
うっすら と とけて ゆ く

まだ かりそめの 冬の海

*


ささら さら さら

花の野へ咲き行く 春の おもい

ささら さら さら

風の野の花の 雪は ふる


未詩・独白 冬の便り - 7編 - Copyright  ひより 2004-12-10 07:32:25
notebook Home 戻る