紅い空に足跡
群れで飛び立つ帰りの鳥たちが
カイトを引っぱって
うごく星座の結び目たち
ゆうぐれに影の成す
シンクロのダンス
花が半ば眠りそうに
しおれていた
風が吹いても
....
注意・・・あくまでも私の主観ですから、笑い飛ばして下さい。
ズバっと言ってしまう系が苦手な方はお控え下さい。
ノークレームでよろしくお願いします。
毒舌指数★★☆☆☆☆
第一 ....
いまはもう
降り注がれた毒の
牙は抜け落ち
月がのぼるように
人は絶えている
それでもまだ
新しいモノクロ
様々な直立が
階調をまさぐり
どこまでも伸びようと
相殺できない
遊歩道に列をなした花たちが
ちいさないのちの
ちいさな手から
水をもらう
風になびいて
呼吸ができたと
よろこんで
くすぐりあった
えにしある ひとが
たびだって いちねんになります
えにしをつなげてゆく
おなじ ちを うけついでゆくものが
さかずきを あけます
あなたの むかしばなしに
みみをかたむけつつ ....
電気などつけなくたってじゅうぶん明るかった
雑踏でさえも何かを叫ぶひとが皆無
熱くなるのがきっと恐いから抑制
保冷剤をどこかに忍ばせて
融けてしまったことなど知らずに
こころを切りた ....
{引用=
ヒトラーの「わが闘争」を
いつもポケットに入れていた
まるでサリンジャーの小説の
脇役のようなH君から
十二年ぶりに電話がきたのは
二年まえのことだった}
何気な ....
闇、叫び、月、銀、狼、爪の痕ほとばしる血は昴の花弁
月を噛むアカイ目眩に舞いくるう鴉揚羽の鳴り止まぬ翅音(はね)
雷(イカヅチ)の刺さる。蒼きは明星の息遣い。眠れぬ ....
近づいてゆく
風が乾いた草の匂いをはこんで
近づいてゆく
滅んでゆくものの気配を
怖がらないで足をのばし
サンダルを遠くに飛ばして
近づいてゆく
秋のサテンのやわらかな手触り
私はこの ....
光の綱が 交差する
あや取りみたいにくぐり抜ける毎日
そのなかに哀しみでもいい
あなたにそばにいてほしい
知らない間にねむってしまった
カーテンが揺れて、わたしを起こした
....
くちびくろさんぼ
銀星を憎む製図コンパスについ
た小さい鉛筆のぼくだ
おっかけこする心臓がつぶれそ
うなくちびくろさんぼのぼくだ
くるくるまわるタイガーの春だ
空から桜が散るよ叶わない ....
ひとが生えている
近寄ると体温が匂う
生えたばかりの子株が
かわゆらしく親にしがみついている
泣き顔、笑い顔、憂う顔
みな目を閉じ
しずかに空の下にたち 並ぶ
農夫の姿は見えない ....
ひさしぶりに会う
という 感覚は
目の前がはにかんで
人見知りのふりをして
かよっている
流れの果てには、どこ
時間の果てには、なにも
少しずつ、はなれてゆくね
さみしくな ....
重なりつづける眠りの底に
かすかに生まれ
浮かぶ手のひら
目をつむり 在るのは
無いということ
分からぬくらいに
離れていること
隠しても隠しても
は ....
青や緑の絵の具を
うすくのばして
あの透明をあらわそうとして
さっきから
なんども失敗している
{引用=
手をひいて
石を渡る
ぬらりとした光沢に滑らせた足を
からだごと、ぐいと引き ....
低い空に積乱雲が育ちはじめる朝
目が覚めたら痕跡はなくなっていた
夢じゃない証拠をさがして
扉をあけて外へ出たり
勝手口へまわったり
冷蔵庫をあけてみたり
蛇口をひねったり ....
雨音が
逝く夏を囁くと
水に包まれた九月
通り過ぎた喧騒は
もう暫くやって来ないだろう
踏みしめた熱い砂や
翡翠いろに泡立つ波も
日ごと冷まされて
さみ ....
君は 今
自分がどんなふうに立っているか
知っているかい
言葉は 心をあらわし
表情は 心を語っていると
そう 思うだろうけれど
本当に
今 ある 自分を
本当に
....
いつかゆく
このばしょ
やんわりとした
ひとたちへ
ふりかえりつつ
おくる
おもい
ありがとう、と
ごめんなさい、の
リフレイン
わらっていてください
ぼ ....
ポケットが汚れ始めている
待合室は朝から眠たい
何かの整備工の人が
口を動かしている
語りかけるように
沈黙を選ぶ言葉があった
目を閉じようとすると
少しばらばらになる
水が優しい濃度 ....
月の瞳に
海が映るのか
海の鏡に
月が潤むのか
旅立ちはいつだって
こんな夜の、ブルー
マストを背にした
ひとつひとつの心に
青はなにを
語りかけるのだろう
....
そこは空かと問うたなら
鳥はきれいに黙して
はばたく
そのたび言葉は
空から遠いわたしの胸を
いやしの為に
傷つける
幻はまだ
あこがれとしての痛み
選 ....
・
家を出ると
道端に
無数の舌が落ちていた
赤信号が
誰ひとり停められなくて
途方に暮れているような真夜中だった
舌たちは
うすべにいろの花のように
可愛らしく揺れなが ....
かすかな声でなぞる
あれは面影
うらの林のすきまからみえた
私の亡霊
沈むことのできない舟
いっそうの複音
静かな{ルビ水面=みなも}をもっている
{ルビ自恃=じじ}{ルビ矜恃=きょ ....
壊れなかった夜に
あなたの乳房の中で
浅い眠りに落ちていったのさ
どうしたって壊れなかった夜に
あなたの薄い乳房の中で
夢も見ないような眠りに
落ちていったのさ
朝は狂わないままにや ....
晴れた日に
テレビゲームをしていたら
外で遊べと言われ
公園でサッカーをしていたら
ボール遊びはするなと言われ
自転車で探検に出かけたら
行き先を必ず言えと言われる
ぼくたちの遊びを ....
今まで黙っていたけど僕はイケメンです
突っ込まないで下さい 突っ込みは後で受け付けますから
皆さんここは黙って僕をイケメンと認めて下さい
今日だけ僕をイケメンってことにして下さい
一度やってみ ....
かつて潔く閉じた手紙は風を巡り
伏せられていた暦が息吹きはじめている
朽ちた扉を貫く光は
草の海を素足で歩く確かさで
白紙のページに文字を刻みはじめ
陽炎が去った午後に、わたし ....
あなたは
きえそうなひかりのまえで
手をかざしている
胸元から
オイルの切れそうなライターを出して
何度も 鳴らす
うつくしいけしきの
まんなかにいる
いつも
き ....
夏の終わり
りんりんと鳴く虫の音の響く夜の淵
なまあたたかいぬめり気が
頬をなでる
セックスを終えてアパートを出た後の
このにおい
夏のにおい、のような
記憶のか ....
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