言葉を重ねれば重ねるほど
伝えたいことが遠ざかるような気がしたんだ
だから今日はもう何も言わない
沈黙の中でこの感情は満たされるだろう
目を閉じていても そ ....
らりりりり、るるりらり。
らりりるりり、るるりらりら。
らりらりらりりろ。るるらりりるるる。
こんにちは。こんにちは。こんにちは。
らりり、らりり。
世界はPink。
....
来るな、
ここから先に火柱が上がる
来るな!
はじめから、ここにいる
....
さましている
頬 の 上
いくつも の
星が
裏側 へ
地殻に 馴染んだ
息の まつ毛
強く つられて
苦い ゆきゆく 渡りを
にごらない 粒に
かえていく
夜中、目がさめて階下に降りると
君が僕を積み上げていた
たどたどしい手つきで慎重に積み上げ
途中で崩れると
ふうとため息をついてまたやり直す
時々どこか気に入らないようで
何か ....
小鳥たちの声で目覚める山小屋
まだ春は浅く
遠い山々は冠雪している
あなたは今日も野鳥保護のために
でかけるという
朝の食卓には
熱いコーヒーとトースト
そして朝露に濡れた ....
唇紋のような首飾りをして
一筆書きの花束を持ち
彼女はひとりテーブルにいた
誰もが通り過ぎてゆくうちに
花束は水彩になったので
髪の毛のなかの夜のため
彼女は少し首を ....
あんた大晦日の紅白みた?久々に僕は見ちゃった。
なぜか?
松平健を見るため
ホントに感動しました
暴れん坊将軍という時代劇で有名な硬派の役者…
彼の中の「暴れん坊」ぶりが、大爆発したの
や ....
天井に頭がつきそうなあなたと
どてっ腹に穴のあいた私は
どこか浮かれた心地で手を繋ぎます
やがて日暮れて
子どもたちはそれぞれのミノに潜りはじめる
私たちも
アンゴラのマフラーを身につけま ....
かりから ゆすりせ こまほす めいさい
つづきの まつほに けむりて ゆれゆう
はからい きれづに ちろちろ なみふみ
こすくも ねにつむ くにえの ひほのお
まだだ。
あの辺りがぼんやりと白けるころに、
だ。あと少し。どのくらいかは、知
らされない。その隙間に、乳白の詰
め寄るかろやかさで、午前5時。2
日前の雪は ....
兄は崖ましたに見ゆる睫毛越し美意識以前の黒髪を抱く
弟が洪水前夜飲んだ水うしなわれてゆくものがけだるい
姉をさらえば十億年弥勒に届かぬ短き長さ噛み砕く
妹の髪梳く流れ見て ....
{引用=春のうららの ふあら ふわら
雪 かしら?
どこかしら 届く ぬくもり
ふあら ふわら
おひさまに 気づかれないように
かくれんぼ してた のに
みつかっちゃっ た ....
変色を免れていたあの日彼が歌集に閉じた水色の蝶
傷ついて体操座りで一千年蝶の呼吸と風化を見てた
美少年微笑している美少女の水晶体の奥でこはれる
もういちど橙いろの明るさに ....
白につづく銀と鈍
黄につづく金と土
線は繭にくるまれていて
まるくなり まるくなり
連なりのなか震えている
海と川の鳥たちが
街の橋を
曇の朝を越えてゆく
ふたつの ....
あんた 大殺界よ
餅ばっかり 食べてないで
芋を焼きなさい
絶対ウレルわ
ひこなに よいごと
つつぬく かきもや
ちよやに くれとく
わきふす みやむめ
ひにすく ゆきやけ
うつるて はうつめ
シビレエイに
さわったことはない
海のふくらむ昨日
しらないことは
ありすぎる
とおりすぎても
とおりすぎても
新しい
料理を注文する君の声が
空気の振動のような透明さで店内に響く
放っておくと月明かりしか入ってきませんから
と、ウェイターがカーテンを閉めていく
中央のテーブルでは座高の高い男が
大声でメ ....
茶碗の中につがれた
乾燥した お茶の葉
の だし水
海から
山から
やってきて
とことこ 二階に
あげられて
私のものだ
土くれの上で
ブクブクと肺をうごかして
息を吸う
息を吐く
それから
しらじらとした空気の中で小さくワルツをする
手はこう、角度はこう、小さく、チラチラと、
....
おばぁさま おばぁさま お花が咲いておりますの
のんのんさまの おひざもと
のんの のの花 咲いて おりますの
おそばに おられましょうか?
問い直せない問いばかり
白い段差に降り積もる
足もとにくずれては舞い上がり
白い段差に降り積もる
くずれるものらは道になり
道の下へと波打ってゆく
吹雪のなかを
....
結露が止まらない
いくら拭いても
壁や窓から滲み出てくる
このままでは
部屋が水でいっぱいになってしまう
僕らは慌てて非常食、ラジオ付き懐中電灯、
釣り竿等々をリュックにつめる
....
眩しくて君が見れない
近寄りたい私の手、を伸ばす
精一杯の指に届いたのは かすめる君の後光
その光りを浴びることで
君が君で居続けて
私が私で居続けて
ただそれだけのこと
そこに居 ....
カナリヤ
時限発火
たたたた
この廊下をはしるな
年金は払えない
道祖神
産まれた足
....
かたちがない雲の
のんのんした響き
缶
コロ
しばし倒れて鉄塔
はめられたんだ
生きる鋳型に
はめられたんだ
被害者意識それ
わたし
受け身をとれない
打 ....
目を閉じてもひらいても
夜に重なり現われる
光りかがやく胸のかたち
蒼のなかのからくりたち
高らかな鉛の奥から指さし
水面の緑と並んで馳せる
星と同じ色の曇
星と同じ ....
定期券が消えた
ある日こつ然と定期入れから消えた
懐かしい色の子供たちが
僕の知らない歌を歌いながら
道の一箇所に立っている
煙草を吸う
定期券が消えた
煙草を吸う
わっこ ほっこ ゆぎっこ ちみで
なして おらえのほうさ ふるなだべ
まんじ あさはやぐがら おぎでしゃ
みぢ こしゃねば あるがれねべた
ゆぎっこ つもって あるがれねべた
....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192