それから(あ…

涙のさめる速度で
失ってゆく
かつての海原へ
予感する視線がまっすぐ立ち
地軸のかたむきをなぞる
そっと
(夢を瞳の奥に燃やしている核心
のぼっていった少しばかりの ....
旅程、 それは
気体としての体の呼び名
約束は山嶺のむこうで
鼓動が、 「遠く」と嘆く
あなたの住む町に
なごりを凍らせて
肌の温度で流れ出す
液体としての心

  はるか、 はるか ....
ふるわされた小紋の
遅い続き

とりつけられたままの
フレーム

切り落とした爪だけ
泣いてる

どこにいければ
そこは どこなの

力づくと
開けられたものに
かぶる 溶 ....
恋しさにとまどう心シクラメン
    うつむく頬にそっと紅さし


今もなおあの日の夢にくちづける
    クリスマスローズ淡き語らい


冬を恋いうす黄に咲くはわが心
    いつ ....
あなたの花開くようなお口へ
鈴の音の鳴る金のスプーンに
一さじの杏ジャムを載せて
含ませたいの 
とても穏やかな様子で
わたくしの はやる気持ちを隠して


柔らかな顎に そ と手 ....
欠けている
それだけで思い悩む
砂のようないのち
たとえば
ふたつの石を打ち合わせて
火をつくる
そのために
石が欠けたとしても
かまわずに石を打つ
ただ
火をつくる
それだけの ....
色を持たない水彩画のように
雨が。

数えてよ そのいくすじか
みつめてよ その息づかい

ふるふれ 雨の無表情

  
 ....
この街にまだ雪は降らない
灰鼠色の空は浅い冬のまま
恋人たちの吐息や
ブランコを揺らす手に護られている


わたしの何処か深くにある黒いものや
寒い、と寂しい、が似ていること
それに気 ....
湖心から湖畔へと

一艘の無人の白いボートが

静々と漂つて来る

寄せくる波に身を委ねて

従順な驢馬のやうに

いつたい何を乗せるつもりなのだらう

あるいは誰を
 ....
疲れた顔したあなたの前に 
一杯のお茶を置く 

( そこにいてほしい 
( くつろいでほしい

長い間 
心に固く閉じていた 
{ルビ蓋=ふた}を開いて 
今までそっとしまっておい ....
チェーレ
君の長い睫毛から
真珠がこぼれる
チェーレ
あまりに無垢すぎて
僕はひとつもこぼさないよう
手のひらで受け止めようと


振り向きざま
君の髪がやさしくなびく
歌を歌っ ....
かかえこまれて
光線から隠れて

鼓動の深さに滲む
羅列 

虹のような破線 

こぼれる 
ガラス の

底の底

あなた
立ち去りなさい

私が
自由になるのだか ....
今日生きれてよかったと
思える日が一日でもあれば
一週間は生きてゆこうと思える

今週生きててよかったと
思える週が一週間でもあれば
一ヶ月は生きてゆこうと思える

そう思えるのはわず ....
( ピエロは独りよたついて
( {ルビ歪=ゆが}んだ後ろ姿で
( 深夜のネオン街を横切ってゆく 


早朝 夢から覚めると 
そこはネットカフェの個室だった 
昨晩は酔いどれたまま
揺 ....
◇尾瀬ケ原


虹に遇ふ

もつとも

さやかなるときに



◇車窓より


白鷺は立つ

点々と



四、五枚の

刈り田に

一羽



 ....
えー、ふと思い出したことがあるんで、書いておきます。

高校1年の頃、家庭科の授業で、妊娠と避妊が取り上げられました。
いまにして思えば、保健体育のほうの分野だけど、当時はそこまで考えてませんで ....
うたた寝をしていた 
週末の終電を降りると 
駐輪場に一台 
自転車は倒されていた 

それを黙って立て直し 
冷えたサドルに{ルビ跨=またが}って 
軋んだペダルを今日も漕ぐ

人 ....
読みかけの雑誌を開いたまま あのひとが
透明なルリルになってしまった

笑みもそのまま ときめきもそのままに
ガラスのルリルになってしまった

うす青い 摩天楼の最上階
ここでは 音がこ ....
洗濯物を取り込む音が
二階のベランダから聞こえてくる
言い争うことも無く
君はもう産まない
とつぶやいた

僕らは同じ悲しみを
分かち合って生きる
多分同じくらいの
分かち合えな ....
風紋をつまみ
風紋になり
つままれ もどり
風紋に満ち


{ルビ真沙羅=まさら}に揺れて
刺すように
さすり さすり
骨ひたす色


踊る{ルビ要=かなめ}
花 ....
ほらこんな風に
指と指で窓をつくる
その空間に映し出されるのは
きっといつか見た事のある
冷たく水を{ルビ湛=たた}えた青い空
耳をそばだてて そして
聞くのはなつかしい声
冬から冬へと ....
何が 入りこんでいたのかも

突き止めては いけないものみたいに
吐き出すものに 流れて 流して

ターン するために ターンさせられ
海 の 底

開けられちまった 無口な口に

 ....
焼きいも食べたい
だって寒いから

焼きいも食べたい
だって手がかじかんでいるから

焼きいも食べたい
だって体の芯まで冷えてしまっているから

焼きいも食べたい
だって北風が正面 ....
くらくらしている。クラシカ、遠い世界にいます。海。空に海があるよ。落ちてこない、あれ、今気付いた。なんで落ちてこないんだろう、あの海。空が青いです。ふしぎ。白いさかなが、いっぱい浮いてる。あれは死んで .... 天蓋に 日 月 輝きあり
静かに 佇む 汀に 潮騒

天空に 漂う 色彩のうず
甘露の 滴り 綺羅に染む

濃い靄 明るい気息の賛美歌が
輝く海から 立ち昇り 漂い広がる
汀のあたり  ....
触れて触れて 粗く
肌が肌に 痛く
どこまでも拙い指きりに
耳をすます


{ルビ白湯=さゆ}の林
そよぎささめき
花を織る熱
冷えて 冷えて


波 海鳥
山の ....
太陽がしずむときの

空と海が融けてく境界線を

あたしはきっと知ることはない

美しさ

で胸をしめつけられるなら

それできっといいのじゃないか



世界の黒を思いし ....
高い塔がある
空を突き抜け街を{ルビ睥睨=へいげい}するように
その塔はそそり立っている
塔には一人の姫が住んでいた
囚われているのではない
自ら閉じこもっているのだ
目も耳も口も絹糸で縫 ....
音は高く
鳥の背にのり
光はにがく
水をつぶやき
道にこぼれる
日々の花房
砂の花 花の乳
うすくくゆる みどりの


建物は泣き
門は目をふせ
かつての幸は
 ....
山になった洗濯ものの回りで
君は
春のような
スキップを踏む
  {引用=おうちを買わなければ、よかったね
だって、お金持ちだったんでしょ?
たた、たたん}
ちいさな袖をそろえて
重 ....
ふるるさんのおすすめリスト(5744)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
流舞結晶_〜冬のクジラとさいかい〜- こしごえ自由詩26*06-12-10
旅程、もしくは別の呼び名で- たりぽん ...自由詩15*06-12-10
そえひわ- 砂木自由詩14*06-12-9
花言葉Ⅲ- 石瀬琳々短歌14*06-12-8
ナイチンゲール- 千月 話 ...自由詩18*06-12-7
eclipse_*- 岡部淳太 ...自由詩13*06-12-7
色を持たない水彩画のように- 藍静自由詩23*06-12-7
雪待ち草- 銀猫自由詩21*06-12-7
ボート- 杉菜 晃自由詩15*06-12-7
お茶の時間_- 服部 剛自由詩19*06-12-5
チェーレ_真珠の涙- 石瀬琳々自由詩14*06-12-5
コルクと瓶の海- 砂木自由詩19*06-12-5
悲しみは明日には持ち越さない- ぽえむ君自由詩13*06-12-4
白い手_- 服部 剛自由詩13*06-12-4
小詩集__雪の扉- 杉菜 晃自由詩15*06-12-4
女性の方、きいてください。男性の方、ごぞんじですか?- 逢坂桜散文(批評 ...9*06-12-4
夜道の信号_- 服部 剛自由詩15*06-12-3
透明なルリル- 藍静自由詩29*06-12-2
空にあってよかった- たもつ自由詩2106-12-2
ノート(わきみず)- 木立 悟自由詩306-12-1
冬の窓- 石瀬琳々自由詩29*06-12-1
海底の瓶- 砂木自由詩16*06-11-30
焼きいも食べたい- ぽえむ君自由詩9*06-11-30
classical- ピッピ自由詩1006-11-30
光の日- アハウ自由詩3*06-11-30
降り来る言葉_XXVI- 木立 悟自由詩706-11-30
別つ日- 明日殻笑 ...自由詩7*06-11-29
鳥籠あるいは高い塔- 石瀬琳々自由詩19*06-11-28
ノート(庭)- 木立 悟自由詩506-11-28
はだかんぼう- 佐野権太自由詩45*06-11-28

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