快速にのって先頭の時間が
紙の奥に消えていく

反対側に満ちる水滴は
音をたてずに指をぬらし

ひとおもいに 破けない陽射しに
汽笛の発車する叫びだけ
むしりとられる花びらに
とどめ ....
 *灯台

   かすかにまだ
   光っている
   間違えたままの、
   やさしい思い出
   わたしの幸福な思い違いを
   あなたは
   そのままにしてしまったから
 ....
月曜日
仕事から帰って
メイク落としシートで顔を拭いた
ゴミ箱に捨てる瞬間
シートがため息を吐いたような気がした


火曜日
上司に怒られた
理不尽なことが世の中には詰まっていて
 ....
セミダブルベット

アルファベットは外に吹き出し
また自動とかかれた扉がひらき
道路ににぎやかに人混みが揺れ
飛ぶということについて考える
指を折りながら時間を値踏みし
白ビニール袋が後 ....
かたりとなる昨年の暮れから
おそらくかなしばりにあいながらみる
まつげのさきの閉じかけのまぶたが愛らしかったとか
ぬるくひかっている足の爪のはがれぐあいだとか
いつも指をうごかしている完成をみ ....
雨が笑ったら
それは春の始まり



雨が色付いたら
それは夏の始まり



雨が美味しくなったら
それは秋の始まり



雨が意志を持ち始めたら
それは冬の始まり
 ....
「アサガオがひらいたら
二人の傘にしよう」


はねているこの粒の
行方を捜せば
水の 音、だまり に到着して

 バ
    シャ
  バ    
         シャ

 ....
「口さけ女」

{引用=
耳元まで、口が裂けて広がっている女性噂妖怪。
幅の広いマスクで口を隠しており、道行く男性に、「私、綺麗?」 と尋ねる。
答えた男性には、マスクをはずし、口を見せ付け ....
向日葵畑で飛び交う笑顔には
スイカの玉が よく似合う
夏を詠む右手に 夢から抜け出た指輪

七夕に見つめ合う男女に 嫉妬して 花枯らしても意味ないし
数多のホタルを 天の川に放つ

真っ ....
プリン
水ようかん
ティラミス
カスタードシュー
かき氷


かき氷


キャロットケーキ(クリームチーズフロスティング付
チョコバナナマフィン
杏仁豆腐
アフォガート
か ....
夜の水族館の部屋、真夜中になれば魚たちは
いちど死に朝になればまた生まれるのだと信じていたころのこと
累々とおびただしく規則正しく折り重なる
自分らの死体を夜の部屋に想像し眠れぬ
死体 ....
わがままな飛行機雲が
あおぞらに
まっすぐ線をひく

ちくしょう
飛行機雲め

あなたと
私との距離に
まっすぐな線
ひきたいけれど

公園の木々
信号
コーヒーハウス
 ....
身体の中で潮騒を飼っている
辞書はそれを焦燥や憂鬱や歓喜などというが
潮騒はそんなにもシュハリ、と
姿を変えるものだろうか。

生まれて初めての始発に乗った。
どうしてだろうかとは考え ....
なつかしい猫
いつか啼いていた気がする
私だけの思いが影を引いて
路地を今曲がってゆく


そんなに淋しい瞳で
私を見つめないで
やさしく撫でてあげたくなる


さしのべた指先を ....
沿線に建つ安普請のアパート
かたかた揺れて
かき消されたラジオからの古い曲に
毛布にくるまりながらそっとツッコミをいれた

いいえ、わたしは東京に住んでいました

やっぱりまぶしい時期
 ....
砂漠の真ん中で
ラクダが一頭
器用に足を折り曲げ
佇んでいる

背中には
大きな荷物と
大きなこぶ
そしてその谷間には
エジプト人の死体

ラクダは悩んでいる
自由を持て余し
 ....
メールが来た
日付けはなく 差出人の名前もない
蔵書を貸してくれという

家の居間から出ようとしただけで
不意にさびしい海岸に出てしまったなら
どうする?

まあ
椅子でも出して座っ ....
夏が来て
ちいさな歩道に
気のはやい病葉が舞いだすころには
わたしはもう
いないかもしれないけれど
いまはやわらかい
光のなかを飛んでゆくわたしを見てください

(きっとあなたは
  ....
雨が抑えている
気持ちにふたをして
重くのしかかるのは
度の強すぎる眼鏡のよう

咳こんだところで
深く吸ったところで
するのはただ、土のにおい
しみてゆくしみてゆく
こころもぬれて ....
小さな花がたくさん咲いて
母さん、思わず泣いてしまうほど
健気で、非力なのに全力で
息を合わせて丸くなる
丸くなっているのが、また、さ

垂直な茎が正しい主張をしている
程よい距離で集ま ....
きみと
きみときみを囲む白い壁と
きみの大層な毛皮がよく見える
首が痛くなるまで星を観測し
今はまだ冬至、これからこうなって
ああなって
こういう風に動いたらあたたかくなるのさ ....
顔のないつるっとした人たちがふいにに笑う声
風に巻き上がるコンビニ袋の不確かさで
枯れていく音があらゆる角度から無数にする
家と家のすきまでまぶたを閉じる
足元のアスファルトがめくれて ....
夜の空が皮膚のようにめくれていくのをみている
地平線に
ゆれている骨たちのあかり
ふさふさの影
それぞれのドアの鍵が存在する
接触したいだけの数の
不安と安心が
便器の中の ....
静脈を流れていった
幾度かの夏がありまして
網膜に棲みついた
((ただそれだけの))海があります

無人の駅舎―――ああ、思い返せば
入り口でした この仕掛け絵本の


 ....
木漏れ日を、流星だと言う
夜空だけのものではないよと
青空に引く、軌跡を追い
それはいつのまにか笑顔に重なる

視線
漏れ出した輝きは燃え尽きる星じゃない
鍵盤を叩いたときにできる段差が ....
寝苦しく目覚めた朝に夢うつつ
    激しく窓をたたくたたく雨


雨音を思えば雨が支配する
    人を思えば雨の一日


アンブレラ覗いた瞳くぎづける
    すれ違いざま舗道の ....
うろこの陽すべてをすべて指し示す声がきこえる声がきこえる



かがやきよ窓くだき割るかがやきよかけらに混じる空を数えて



しるべは木しるべはまなこしるべは火かたち ....
毎日をさかのぼる

一瞬があらわれない
そう出て来ない

さかのぼるから
には、そこにみなもとがある

けれど
ららら
ちょっと歌っていたら
買い物を忘れた
買い物も買われるも ....
爪先で掻き分ける、
さりり、
砂の感触だけが
現実味を帯びる

ひと足ごとに指を刺す貝の欠片は
痛みとは違う顔をして
薄灰色に溶けている


こころの真ん中が
きりきりと痛んで
 ....
 Chanson d'automne  
    Paul Verlaine


Les sanglots longs
Des violons
 De l'automne
Blessen ....
ふるるさんのおすすめリスト(5744)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ロウの帯- 砂木自由詩5*08-7-14
海辺の詩集- 嘉野千尋自由詩48*08-7-13
メイク落としシート- 小原あき自由詩22*08-7-12
セミダブルベット- モリマサ ...自由詩1008-7-10
とかが- ひとあめ自由詩508-7-9
あ、め- 小原あき自由詩17*08-7-8
解放雨- 唐草フウ自由詩5*08-7-7
都市伝説- 吉田ぐん ...自由詩2408-7-7
愛され上手になりたいわ- 北大路京 ...自由詩21*08-7-6
夏の真夜中- よしおか ...自由詩5+*08-7-4
鯨が枯れる(reprise)- mizu K自由詩5*08-7-4
夏の直線- umineko自由詩10*08-7-3
潮騒が撃つ- Rin.自由詩36*08-7-3
なつかしい猫- 石瀬琳々自由詩9*08-7-2
- FUBAR自由詩7*08-7-2
悩みすぎで肩こりが治らないラクダ- かいぶつ自由詩308-6-29
手紙- 「ま」の ...自由詩6*08-6-28
もんしろ- 「ま」の ...自由詩4*08-6-28
抑制雨- 唐草フウ自由詩18*08-6-28
不思議の国のアリウム- 木屋 亞 ...自由詩3*08-6-28
夜夜中- 嘉村奈緒自由詩908-6-27
ビスケットボール3- モリマサ ...自由詩1308-6-27
かなこ- モリマサ ...自由詩808-6-27
仕掛絵本- Rin K自由詩33*08-6-27
真昼の軌跡、描いて- たりぽん ...自由詩1208-6-26
雨、また雨- 石瀬琳々短歌7*08-6-25
青と叫び- 木立 悟短歌508-6-23
ねがい- 石川和広自由詩14*08-6-22
海蛍_(一)- 銀猫自由詩18*08-6-22
詩人のシノギ(上田_敏の巻)- みつべえ散文(批評 ...908-6-21

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