陽子は、すっと敷居をまたぎ

玄関を通りぬけ門をくぐり

香気ある光の朝にあいさつをした


罪とはいつか
姿なく大地に影をおとすような
色なく野原に咲きほこるような
清々しい朝日 ....
抜けるような蒼い空の向こうに

煌めく未来があると信じていた

薄紅色の蜃気楼のような架け橋

ピカピカの一年生といっしょに

駆け抜けていったのは希望の花

凍てつく寒さ ....
砂に流されて
つつつっとはさみで支えても
知らん顔の風は共犯なんだ
波といっしょにさらおうとするから
ぼくの未練は
黒い小さな瞳にぬれて
もつれてしまうように
ころころころげて
夕日に ....
何もかもがかすんでゆく
人も 街も

さくらの艶列が
そこだけ
重ね着みたいに咲き誇る

生きのびる
自信がある者の
惜しげない
笑み

見下ろす川は
あの夏
爛れた皮膚を ....
みずくぐり の 破線

ついた先に
からひく みつる 淵

蛍光灯 の 粉
から うまれた

眠る 
石 の 蝶

そっと
たずな を
もてば

つらつら
頬を 

 ....
指から指へ
景はわたる
花をまわす
雨をまわす



雪に点る青い芽の
ほころびぬものだけがうたいはじめて
折れた枝 折れた風
泣き眠る陽に触れてゆく


ひとつ ....
みかん色 落ちたよ
夜はもうこんなに蒼だし
蒼はもうこんなに夜だよ
西に光って 鳥も帰るよ


冷える音 止まる音
ひとつずつあたたかく
めごい瞳に降り来るよ
ひとり ....
半年振りで姉は嫁ぎ先の富山から 
5歳の{ルビ姪=めい}を連れて帰っていた 

家族{ルビ揃=そろ}って
僕の出版記念すき焼パーティーをするので 
今朝の出勤前母ちゃんに
「 今日は早めに ....
墓標に刻んだ自分の名前に背を向けて
てのひらはいつまでもとどかないのです
生きることの意味を知らされないこぶしが
硬く握られたその先で照らして

夕日が水平線を越えて旅立つこの場所で
朝日 ....
音楽好きな老人ホームの所長と 
週に1回演奏してくれるピアノの先生と 
介護職員の僕と 
レストランで夕食を共にした帰り道 
最寄の駅に先生を車から降ろした後 
夜の{ルビ空=す}いた国道を ....
 人が日常生活において言葉を発する時、それは普通ごく近い場所を対象にしている。家庭でも、職場でも、あるいは街中でも、言葉は近くにいる人に向けて、または自分がいるエリアの中に存在する人に向けて発せられる .... 濡れはじめた空が
歌をくりかえすのに
私はピアノを弾けないでいる
雲が沈み雨音が遠くなり
やがて射しこむだろう光に
伸びた髪をさらす
地上が反転する雫のなかで溺れる
鳥の影が風に波打つ
 ....
きのう
夢の中で
誰かが死んだでしょう?

ボクの夢の中で
毎日
誰かが死んでいく
君はそのことを知っている
それは
君が仕組んだことなの?と
おそるおそる聞いてみる
ひ・み・つ ....
               
  □□□□□ □□□□□  
  □   □ □   □  
  □   □ □   □  
  □   □ □   □  
  □□□□□ □□□□□   ....
昔々 いつまでもいつまでも青空が続き 
ついに空の青さが 星空のむこうにとどくほど 
深く窮まってしまったことがありました
空は自分の痛々しいまでの青さの窮みに
ついにたえられ ....
踏みつけていた
いつの間にか踏みつけていた
{ルビ直線歯車=ラックレール}

きれぎれにされた
人生のように
強さだけを必要とされて

  ずっとつながっていました
  峠を越えるの ....
夜明け前の道を 
自らの高鳴る鼓動を胸に秘め
歩いていく 

川に架けられた橋をわたり 
駅の改札を抜けて 
無人の列車に乗り込む 

腰掛けると 
発車を告げるベルがホームに響く  ....
(あれが僕の星)






開けられた鳥籠からっぽ当たり前


叱るという概念のない2090年


光る星は全て同じ


片足の彼女の羽のうつくしさ


き ....
日々は
音に紛れてゆく


静寂さは救いにならない
蕾の綻ぶ音さえも
きみは哀しいと云うのだろう


指先からは空の遺伝子
過去は遠く、未来は果てしないのならば
揺らぎの ....
さあい さあい
砂の道
緑がなでる
石の道
さあい さあい
雨の指


空も 窓も
夜になり
月は廊下に
横たわる
さあい さあい
光る息


粒の声が触れ ....
じょーらんじょーらん
雨の音

屋根に雨の音が、たたき付けるのです

滝のような雨に

兄は花屋をしております 私はむかいで服屋をしております

兄の育てる花は、綺麗に咲きます 雨に ....
春雷が鳴る度に
回廊に籠もるので
駕篭かき風情が

嫉まれている

回廊を出たら
富士山が見えた
のろのろ歩いていたので
後方からの
人力車に抜かれて
お客さんに叱られる
抜 ....
 くたくたに疲れた僕の神経は
 歩くことさえ千鳥足

 支えてくれる人がいる
 幸せだ

 人はぶつかりあい
 人は慰めあう

 凍りついた時間に
 頭のディスプレイには
 絶望 ....
くちびるで囁く竹林内部の神主

白い粉かぶった故郷に無傷の女体

霊が来るんだ次の次の駅緑地公園

溺れてるみたいでしょう追い風なんです

庫内の傘やがて遺跡の足を濡らす

父ら夜 ....
世の中ってのは皮肉なもので
世界を蹂躙したのは空を飛び焔を吐く蜥蜴ではなく
ましてや暗闇に潜む異形の魔物ではなく
かつてそれらを夢想した人間という猿だった。
世の中ってのは皮肉なもので
世界 ....
駅蕎麦で向かいに立った君もまたこれからきっと戦うのですね

道で会う思い残さぬ君とでもしてる笑顔にたくましさもらう

音のない会社で煎れるコーヒーの豆の香りで朝は始まる

小さき ....
小さなホールケーキ
真ん中に添えられたクッキーには
“パパ たんじょうび おめでとう”

みどり色のロウソクがひとつ
中ほどがポッキリ折れていて
むき出しの白い芯が
辛うじて身体を支えて ....
階段にしずくの傷がつらなり
あせた光を流している
そのうちのいくつかが
私とともに上へあがる


雲から水が去ったばかりで
手のひらと屋根は渇いている
空の風より強い風 ....
黒い静寂の隙間から
甘く短い便りが届き
振動はそのまま
片耳から深くに伝わって
封印が容易く解かれる


ひとつひとつの接吻が
蝶になって
夢心地だった恋の日も遠く

雪と降る ....
名残の冬を集めて
風がつくった
春待ち味の
ロールケーキはいかが?
ふるるさんのおすすめリスト(5844)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
用事- こしごえ自由詩10*06-4-10
*みらい*- かおる自由詩11*06-4-9
ヤドカリ- ナオ自由詩3*06-4-9
春焉- umineko自由詩11*06-4-8
駈ける_熱- 砂木自由詩8*06-4-7
ゆくえ_ひびく- 木立 悟自由詩506-4-7
ノート(子守唄)- 木立 悟未詩・独白5*06-4-7
姉のまなざし_- 服部 剛自由詩18*06-4-7
漕ぎ出す春、夕日へ- たりぽん ...自由詩14*06-4-7
無言の声援_〜同僚のMさんに〜_- 服部 剛自由詩5+*06-4-6
遠い場所へ届こうとする言葉_——中村剛彦『壜の中の炎』につい ...- 岡部淳太 ...散文(批評 ...7*06-4-6
予感- こしごえ自由詩24*06-4-6
じゃあまたね- umineko自由詩10*06-4-6
みたび_山に登る- 槙田雪自由詩3+06-4-6
青空の神話- まどろむ ...自由詩5*06-4-5
駅・軽井沢- たりぽん ...自由詩16*06-4-5
始発列車- 服部 剛未詩・独白13*06-4-4
ファンタスピカ- ピッピ川柳6+06-4-4
日々。- 有邑空玖自由詩5*06-4-4
さあい_さあい- 木立 悟自由詩606-4-3
雨の群れ- 緑茶塵散文(批評 ...3*06-4-3
濃縮回廊- あおば自由詩8*06-4-2
通り雨- 炭本 樹 ...自由詩106-4-2
ファンタノイズ- 黒川排除 ...川柳506-4-1
ANTI- yuma自由詩2*06-4-1
きょうも戦う- たにがわ ...短歌306-3-31
誕生日- 佐野権太自由詩8*06-3-31
ノート(午後と柱)- 木立 悟自由詩306-3-30
甘い振動- 銀猫自由詩12*06-3-30
冬のロールケーキ- たりぽん ...携帯写真+ ...1506-3-30

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195