もう一度 

その無数の紅く小さい花々を闇に咲かせたシャツの下に
酔って赤らんだ白い背中で
僕に{ルビ凭=もた}れてくれないか

なぜ

君の背中のぬくもりを
もっと素直に感じなかっ ....
ねぇ見て 不思議よね
こんなにちっちゃいのに
ちゃんと爪もあるのよ と
満ち足りた母親の顔で彼女は
小さなこぶしをを開いて見せる

アキアカネが飛び交う夕暮れに
生まれたから 茜
はい ....
天国と地獄の分れ道には、三人の天使がおりました
真実を語るテレサ、嘘を言う正日、気まぐれな順慶です
しかし天使はみな同じ顔で、誰が誰だか判別不可能です
「あ、誰か昇って来たわ」
「あ、あいつは ....
こんこんこん。
と、
扉がいったので。

とんとんとん。
と、
返しました。

外に出る。
と、

誰もいませんでした。








 ....
「警部補、人骨が出ました!」
「これか。死後かなり経ってるな」
「それと、密室です」
「なんだとー、トリックか?」
「分かりません。あっ、遺留品が…」
「こ、これは!」
「弥生式土器!」
 ....
日常にくたびれた玄関先で
茶色のサンダルが
ころり

九月の夜気がひんやりするのは
夏の温度を知っている証拠

おまえには随分と
汗を染み込ませてしまったね
サンダルの茶色が
少し ....
寝顔だけは
どんなことをしても
取り繕えない

赤ん坊も
うら若き乙女も
お髭の立派な紳士だって
枕の上ではあどけない顔をして

お医者さんも社長さ ....
ここにちかよってはいけません
きれいなはながみえているでしょう
もうとりかえしがつかないですよ
かんぜんにはまだ
わたしはこわれきっていません
うつくしいおんなをもとめています
し ....
沸かしている。

こんな朝には、
カフェインが欲しい。

紅茶が飲みたい。
紅茶は飲めない。
願を懸けているから、
飲んではいけない。

だから、
珈琲を ....
かまどの火を あおったのが由来
火男とかいて ひょっとこ きみの恋心も
とか いいながら 耳に
息 ふきかけようとしたら
だいじなところ 蹴りあげられた
各駅停車の鉄道がはたらいている
ひとの数だけ
想いの数だけ
星空のなかで
各駅停車の鉄道がはたらいている

天文学には詳しくない僕たちだけれど
きれいだね
しあわせだね
このままでい ....
一瞬のタイムマシーンである日付変更線を越える飛行機


あの頃は、と思い出すたび僕たちは大きな洗濯機の中まわる


気の利いた言葉浮かばづきみの笑みに複雑骨折してゆくこころ


つま ....
もっと、もっと激しく降ればいい
雨は夜に降りこのまま私は助かるのかもしれない
夢はみない
眠ってしまったから


ばちばちと
音を立て雨が涎を垂らしつつ私を背中にそっと入ろうと


 ....
肩が
うっすらと重みを帯びて
雨だ

気がつきました
小雨と呼ぶのも気が引けるほど
遠慮がちな雫が
うっすらと

もちろん
冷たくはなくて
寒くもなくて
そのかわり少しだけ
 ....
 何ともやっかいな詩人を採り上げてしまったものである。しかし、一度決めたからには、筆を先に進めなければならない。
 入沢康夫は難解な詩人である。とても一筋縄ではいかない。僕のような素人が立ち向かうな ....
頼りなげな細い女が
曲がりゆく細い道を
秋風に揺れながら歩いている
茶色く{ルビ褪=あ}せた{ルビ麦藁帽子=むぎわらぼうし}に顔を隠して

道の上に時は無く
女に年齢というものは無く
長 ....
  
  「本を読みなさい」
  

   その人はそう言って
   夕暮れて図書館が閉まるまで
   わたしの隣で静かに本を読んでいた


   映画を観なさい
   音楽を聴き ....
幾千幾万の人波は終わりを告げない


すれ違う一つ一つの顔を
忘れる代わりに
白の背中が
鮮烈に映える

本当は
黒であり
青であり 
赤であるかも知れないが
白で良い ....
 




   膝をたたみ 目を伏せて
   思い出すのは
   折りたたまれた空に見つけた夏のかけら
   黒髪が 風を誘った雨上がり

   わたし ここで猫が飼いたいの
 ....
わが友 きみも 
魚が水のなかで
生き死にするようには
空で暮らせない鳥です
しっかり地に足をつけていますか
ことばは
しずかに
すべりおちていく
せなか
まるく
じてんしゃを
あめのなか
こいでいく

だいぶたいりょくがついてきた
さかをのぼる
としょかんへいくんだ

しはまいにち ....
地底人さんの朝は早い。

日の昇る前から働いて、
せっせせっせと働いて、
日が暮れたって、
月が笑ったって、
まだ働く。

地底人さんは穴を掘る。
くる日もく ....
ベンチに腰を下ろしたら
まるで恋人みたいな気分になって
不思議



人の通りの薄い時刻
けれども人がいない訳ではなくて


噴水を挟んだ向こうのベンチには
しっかりと
恋人た ....
ことん つみあきた 背中 の



しらば っくれて
更けゆき ゆく

斜面 水球 の こごり
しずく 罪もなく 踊り

たわむれた 中指には 触れず
逆らった 声 みなも ....
おおきなお空の、
でっかいおめめさん。

まんまるね。
あかるいね。
あったかいね。

お空を見上げたら、
いつもあなたがいるの、
いつもあなたが見ているの。 ....
ごらん あれは
眠りの間際の窓辺たち
ごらん あれは
烏賊を釣る船の漁り火
人々の暮らしは在り続けていてくれる

汗をにじませながら
涙をうるませながら
人々の暮らしは在り続けていてく ....
月が 舟を ナクシタ

木陰 に 零れた
ピラミッド の ベール

濃い青 の 淵
触れさせぬ まなざし

ただれた 地殻
うぬぼれた マルイ肩 

キィィィ きぃぃぃぃ ....
なにもないところから
無造作に とりだされる
刺されたひとは
いかなる傷もなく
こともなげに死ぬ
こどもみたいに
世界の底
天井がつきぬける
ように書きたいが

不自由な気持ち
気持ちとは無器用なものだから
なかなか
屈折率
もって
言葉はくねっていく

詩らしい詩はもうい ....
ごらん、


イルカが橋を飛び越えて行くよ。
ふるるさんのおすすめリスト(5844)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
背中のぬくもり- 服部 剛自由詩12*05-9-17
アキアカネ- 落合朱美自由詩48+*05-9-17
寓話_天国と地獄- クリ未詩・独白3*05-9-17
「_こんと。_」- PULL.自由詩16*05-9-16
寓話_不可解な死_41- クリ未詩・独白6*05-9-16
九月のサンダル- 千波 一 ...自由詩18*05-9-15
寝顔- 落合朱美自由詩12*05-9-15
ひとでなしつうしん- 石川和広自由詩8*05-9-14
「_沸騰しない。_」- PULL.自由詩11*05-9-14
そろもん(蘊蓄の話)- みつべえ自由詩305-9-14
銀河鉄道- 千波 一 ...自由詩31*05-9-14
星屑ろんりねす- 本木はじ ...短歌1405-9-14
むらさめ- ヤギ自由詩5*05-9-13
やさしい雨- 千波 一 ...自由詩20*05-9-13
入沢康夫(「現在詩」の始まり)- 岡部淳太 ...散文(批評 ...10*05-9-12
幻の花- 服部 剛自由詩9*05-9-12
十月の空を見なさい- 嘉野千尋自由詩25*05-9-12
火の鳥- 千波 一 ...自由詩16*05-9-12
落下する、夏の質量- 嶋中すず自由詩4605-9-11
そろもん(友の話)- みつべえ自由詩705-9-11
すべりおちていく- 石川和広未詩・独白7*05-9-11
「_地底人さんがんばる!。_」- PULL.自由詩13*05-9-11
少しだけ歩き疲れたら- 千波 一 ...自由詩19*05-9-11
つのり- 砂木自由詩6*05-9-11
「_おめめさん。_」- PULL.自由詩11*05-9-10
地下水脈- 千波 一 ...自由詩19*05-9-10
_はみだした_靴の_ために- 砂木自由詩8*05-9-10
そろもん(凶器の話)- みつべえ自由詩305-9-9
そのまま海- 石川和広未詩・独白4*05-9-8
台風一過- 携帯写真+ ...2205-9-8

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