鉱 山 や 氷 河 期 抱 き 耐 え る 夏
網 戸 ご し 細 か い 夜 が 並 ん で る
盆 支 度 墓 の 間 に 間 に 少 女 た ち
盲 目 の 父 と ....
そんなに ふるい うた ばかり
あなたは まもられ かぜの ひめ
なくな とつうじる くうはく の
とわ の はごろも その まなに
それでも ふるい ゆめ ばかり
あなたに まもら ....
さびしさに
ひざをかかえて
タオルケットははいだまま
「る」の字でねむる
あの{ルビ娘=こ}は今頃
遠い空の下
今夜も誰かに抱かれて
求めあう「る」と「る」を
くみあわせてる
....
ぐおん
と唸りをあげて
自動販売機が震え出す夏
電車のゆれる空間で
ヘッドフォンの君を見る
ひどく 暑い
冷房が壊れているとか何とか
聞き取りにくい声でアナウンスしていた
ような気 ....
井の中の蛙は外へ出たかった。しかし、何度跳ねても高い壁を越えることはできなかった。見上げる丸い空を、時々鳥が横切る。あんな羽が欲しいと思った。その気持ちは子供たちに受け継がれ、彼の孫のまた孫の背中に ....
エレベーターに張り巡らされた毛細血管が
落下速度で波うっている
床の区画整理は大方終了し
換地では細胞がでろでろ
何故だろう
僕らはあんなにも愛し合ったというのに
上腕の発疹が赤らんでいる ....
銀河の天秤がゆっくりと傾いて
月がかろやかに昇ってゆきます
夏の星座の中心へです
澄んだ湖面は夜空をうつし
魚が背びれに月明かりをうけて
チカリ、チカリと輝きながら泳ぎ
まるで流星のよ ....
あせもがかゆくて眠れなくて
だらんだらんとあなたとめーる。
他愛のないことば一つ二つみっつよっついつつー
いつもは難しい話ばかり。
たまにはいいよね
そうやって距離をはかる。
....
まつげ の隙間
に からから
閉じた 指
そっと 痛いくらい ひろげて
輝く どんな 言葉 よりも
たゆとう どんな 海よりも
この 指 の谷間 に吹く 風よ
....
チンピラだ
わたし
声がもう
濡れてる
夏の
アスファルト
熱い
マンホール
開けて
野良猫を
放り込んで
自分も飛び込みたい
人が恋しくて
誰かにしがみつきたい ....
リンと
鈴の音鳴るやうな
シャンと
玻璃の砕けるやうな
ピンと
水の凍るやうな
切なく淡き
音に誘はれ
我が魂は迷ひ出で
我が魄は舞ひ出づる
リン
シャン ....
ちらつきながら水平に下り
疲労の渦を抱いて
硝子瓶の粒輪が昇る
ミネラルの刺激
風鈴でうすまる
ソーダ水
....
ほんじつ
ちかりょこうへ
ごどうこうさせて
いただきます
ガイドです
よろしく
おねがいいたします
みなさまと
おもいでに
なるような
りょこうに
したいと
おもっておりま ....
どうしたらいいのかよくわからない
ので
眠れるように激しく
どうか
お願いします
はりねずみをなでなでしてくれる
奇特なひとはいませんか
手のひらが血だらけになるかもしれないけど
....
理不尽なことが多すぎる
どこまでを正当防衛としてくれますか、そうなる前に完璧なマニュアルをください
ため息の液化
5番線に電車が入ります白線の後ろまでお下がりください
エラ呼吸に切り替える
....
夜空にパンチ。
その紙くずは
目覚めの頃に
見つかるだろう。
薄水色の
明け方の空に。
手が届きそうな低い空を
逆光に輝く雲が流れる
私は何か恐ろしかった
歩く犬の眼が不吉だった
堤防の道を愛想笑いで
私は歩いていたと思う
濁った ....
実家に帰った妻から電話があった
私はその時一人で部屋にいた
お互いの今日の無事を確認した後
私は巨人が広島に負けていると告げた
長距離電話
他に話すこともあるだろうに妻は
清原の調子はどう ....
僕と君の不思議は
彼方の記憶が知る
いつか逸れた僕ら
ひとつのタマゴ
長すぎるお昼寝で
何度も星を廻り
やっと見つけた
出逢いに行くよ
そらぞれが欠片だと
....
深緑の
深くなる光を
鉄筋コンクリートの箱の中から
眺めています
時計の針は
ここを刻むと
それ以上は動かなくなるのです
取り残されるように
私と空間は
どこか
こころ ....
苫小牧の少女が一篇の詩を書き上げる頃
渋谷の未成年たちは今日の居場所を探す
小さなハコで鮨詰めになって揺れながら
沖縄の夜の珊瑚礁を思う
糸井川の漁村の少年は
明日の朝の漁を邪魔 ....
ふうわり 心地よい うたは
ふと めをつむり 眠くなり
つらぬくような つらい詩は
ぼろぼろ 泣けて 目が霞む
胸のあたり に くすくすと
笑える詩 には 逆らえない
....
もう何年も前のこと
ある夜のブラウン管の中
孤高のステージで
赤毛を振り乱して歌う{注ジャニス=アメリカの歌手}
夭折した彼女の生涯を
ナレーターが語り終えると
闇の画面に
白い文字 ....
ぼくのいえの
おとなりさんは
おれんじの
かべで
ほそながくて
みどりの
かみのけをした
かぞくが
すんでいる
あらしのひ
かんばんが
あたまに
ごつんって
あたって ....
不意に
あたし窓と
繋がってしまう
鉛筆で
描かれた
教室の
窓
田の字のあたし
とても
赤い空が
あたしの中
震えてて
どんな
ちいさな欲望も
残さず
きれ ....
この庭を今
黒猫が横切りました
急ぎ足です
影だったのかもしれません
向日葵は私を追い越して
手探りで空へ
夕暮れの角度を真似して
ちょっと斜めに傾いてみると
向日葵と空が
一緒 ....
ぎざぎ ざ
の はーと
小骨 を トッテ は
陣取る
いかれた ピアの ん
かき抱く 絶望
抜ける 髪
あんたは つまり 正しくて
嘘 は つけません
....
今日はいつもより嬉しい事があったので、
僕の乗る総武線は、
両国あたりをすぎる、
軽快に。
遠くの景色はゆっくり
近くのものは素早く
そんな当たり前の遠近法さえ、今日はなんだか
(ああ、 ....
母方の祖母の雪江さんは
70歳くらいでガンで死んで
お通夜の次の日に突然生き返った
その時なぜか僕1人しかいなくて
雪江さんは自分の死化粧を見て
「えらい別嬪さんやなぁ」となぜか ....
ストーン・サークルで君が
ウチューと繋がった夢を見る時
僕は君のために
何が出来るか考えた。
煌めく星座の下で
丘に萌える草の息吹と
立ち並ぶ石の冷たさを感じながら
僕は君のために
何 ....
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