「・・・・何にもないね・・・・」
「・・・・うん、何にもないね・・・・」

枯れ果てる直前の海はただ広いだけで
船も浮かんでいなければ、海水浴の子供たちもなく
鴎の鳴き声も聞こえなければ ....
私は今まで通り過ぎて来た
広大な荒地の上に黒い血を吐いた
無数の遺体の傍らを

倒れかけた木造の家の
ベランダに干されたシャツが
突風に身をよじらせ
空に飛んでいく様を見ては
鈍い心 ....
玄関のドアを引く
駆け込むようにして進入してくる朝は
少しだけ暗い白
今日も天辺まで積み上がった世界で
濡れたままの人たちが歩いていく

傘を忘れたわけでもなく
濡れることに気付かないわ ....
血を 花を
みどりの草地に散らかして
突っ伏している 兵士たち
風のニュアンスを聞きわけた
鳥は しばらく帰ってこない
わたしは、ほんとうは楽譜なのです
と 告げたなら
音を鳴らしてくれるでしょうか
指をつまびいて
すこしだけ耳をすましてくれるでしょうか
それとも声で
わたしを世界へと放ってくれるでしょうか ....
色画用紙に一日の花を描くよに



夏服の少女の贅沢なアトリエは
少し柔らかなメイプルの
敷き詰められた木床の上で
重なるパウダービーズのクッションが
転がる足先まで受け止めた ....
家具屋に行った
広いフロアを丹念に見て歩いたが
家具はどれも高くて
困ってしまった
結局小さな置時計をひとつだけ
買って帰ることにした
また時計を買ってきたの?
呆れ顔でそう言う妻に ....
思い出の森をさまよう僕はもう少年時代の歌詞から遠い


おにぎりの形している山登る今はまだまだ海苔の真ん中


紫陽花に紋白蝶の眠る午後わたしが汚れているのが解る


花粉から誘われ ....
雨に濡れるのを忘れた人が、信号の前で返り血を浴びている。どんよりと、ただどんよりと生きていけ。おまえの夜の病はいまだ進行中だ。魚群探知機に映る影の人びと。探そうとしてもけっして探し当てられない影の呼吸 ....   
  君の歌が聴こえる朝には
  泣きたくなってしまうんだ
  少しだけ風の冷たい、
  土曜日の始まり
  齧りかけのトーストと
  マーマレードのかすかな苦味
  それから君がア ....
六月のつかの間に澄んだ夜更けの丘から大勢の骸骨が這い出ててくる
そのどれもが出来損ないで、ところどころ豚や犬の骨も混じっていた。
実際彼等は見世物小屋へ身売りしようと考えていたが
現れて二ヶ月、 ....
からっぽだから
蒼いの

とうめいな翅を
ふるわせて
飛んでいったから
からっぽなの

埋めようとして
あなたが
抱いてくれたとしても
満たされないの

満たされない ....
さよならの「さ」は
さよならの「さ」

さよならの「よ」は
さよならの「よ」

さよならの「な」は
さよならの「な」

さよならの「ら」は
らっぱの「ら」

突撃らっぱ ....
テレビの中の日本列島は低気圧に覆われて
天気予報によれば明日は「曇りのち雨」
明日も見えない荷物を背負い
傘を手に門を出て行く人々の上で
無表情な曇り空には
ぼんやりとしたかみさまの顔が浮か ....
ぶんぶんぶん!
僕等は歩いているのだ、手に手に何かを持ちながら。
それは煙草であったり、燐寸であったり、鉛筆であったり。
僕等は歩いているのだ、手に手に何かを握りながら。

ぶんぶんぶん!
 ....
また夜がきた そうして風がしみる
ぼくの肩も胸も もろく こころは
出血を くりかえしているが
かまわずに よりかかってくれ
きみひとりなら まだ支えられる
歪んだ陶器のティーカップに
微かに波打つ紅茶の中で
{ルビ一塊=ひとかたまり}の砂糖が溶けてゆく
長い間 抱えていた悩みのように

「着々と時間が解決してるじゃないですか」

カウンター ....
池袋のスクランブル交差点
ど真ん中で俺は
釣り糸をたれる
ジョニー にぼしのジョニー
おまえはどこか
白い皿の上で美しく
干からびている
ジョニー にぼしのジョニー
おまえもかつて ....
アホの振る舞いは
小さい頃に母に叩き込まれたから
自然と所作として表れる

でもバイパスを渡るときは
高校球児のようにお守り握って
全てを忘れて決死の勝負
渡りきって汗をぬぐい安堵感いっ ....
私たちは、ただ

一滴の水を残すために

この世に現れ

子を産み、育てるのでしょう









両手に溢れる ....
針はやがて
真っ直ぐに
体に 落ちて

朝は はじまるんだろう

道に ふさわしい風が
崩れた後を 戸締りする

大切なものは 隠され
破けないものは 消した

時刻は
 ....
 今日はやたらとカラスが鳴くね

 梅雨の晴れ間の風の強い日

 まるで、おとむらいの鐘の音のよう

 黒い飛行船が青い空に消えていくよ

 風景を切り取って

 荘厳な葬送

 ....
I'm always close to you
「そばにいるよ」

歌声の素敵なあなたは天に召されてしまって

ずっと悲しくて、つらくて、どうしようもなく
落ちるところまで落ちて

 ....
あなたからの手紙、
「。」が全部ミジンコで
「、」が全部ゾウリムシ
だったよ
どうでもいいから
早く会いたい
たくさんの葉のなかの
ひとつだけが震えていて
どこか見えないやわらかなものへ
届かないくちづけを繰り返している
なにゆえに見放すことができようか我が奥底に棲む群盲を



しかばねの多さに目を突き哭き叫び地獄の番犬喰らう日に記す



何億人殺めようとも救われぬ我が魂に触れるもの ....
ふと目についたところから壊して捨ててゆく。
それから新たに建て直す。それから新たに作
り変える。捨てていけ。変えていけ。わが国
の年間一人当たりのゴミ排出量は、年毎に右
肩上がり。とうの昔に二 ....
探さないでください

そんな手紙を残して
君がいなくなってしまったから

僕はちまなこになって探したんだ

押入れ、風呂場、トイレ
良く行くレストラン、レンタルビデオ屋

何処にも ....
まめのこ は 
ぽくぽく 
つち の おうち
で ゆめみてる

どうなるのかな

しろい おうちには
みんな と いっしょ

おおきなて
に つかまれて いまは

ひとり ....
青き百合を水に葬る手のひらのかたちのように流れゆく指


横隔膜の失いたる平衡感覚で剣のうへももはや荒野


牛乳を一気飲みする冷たさにすべての蝶の真白く映えり


目を閉じて遠き木 ....
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