矢野顕子を口ずさみながら
ヒールのコツコツの月を
連れて帰る
つらい分だけ吐き出した
あなたは楽になっただろうか
つらい分だけ黙り込んだ
私はどこへゆくのだろうか
もう二度と ....
行ったきり帰って来ない父を待っている間に
僕は肩を壊してボールを握れなくなった
故障した肩は匂いや形が花に似ているみたいで
通りを歩いていると勘違いしたハチが集まってきて困る
その度にそよ ....
膝についた土の足影
太陽で溶かした黒印
混じらない遠吠えに
砕かれる夜霧の血脈
降りていく杖の焜炉
縮んだ石からり炒り
潰した靴直して履く
立てるならまだ歩く
雨を聴く背の光から
こぼれ落ちる羽のかたまり
ほどけてはほどけては飛びたつ音
窓をどこかへ連れてゆく
ひとつがほぐれ
ふたつに分かれ
五つの姿に消えてゆく
羽 ....
思います。
詩は ある意味 個人の世界だと
maiは 仕事からの解放と それでありながら 日常を振り返り現実逃避したい自分にならない 大好きな自分を見つけるためにネットの世界にいます^^;
....
どううぶつえんの檻の前で親友は盤を取り出し
飛車角落ちで良い、と言う
親友の温かい手から飛車と角を受け取り
どううぶつの檻に投げる
どううぶつは隅でうずくまったまま見向きもしない
飛 ....
傘はふらりと咲く
街路樹はそれを見送り
またひとつ あかるくなった
ヨーグルトが発酵する
毛布はその音を包み
またひとつ あかるくなった
玄関のチャイムが鳴る
握手を交わし
....
ああ 雲ひとつない
騒がしい季節が終わって
空も
心を一つに決めたんだね
破 点線のぬり絵
やぶれても
まだ 色がぬられてない
電車内で 公園で 商店街で 能楽堂でぬっていくところです
能舞台では
面と厚い衣装
おはなしの全てが声
生き方の全てが
....
ふかえ とおく ふかの とおく
もした つのり のよみ くれて
そのわ とどき みちる ややこ
つき しろ まや かな おおて
すぎ はて ゆく まま あうせ
わたしは
乳房の小ささに悩むものの
自分が女であることをもどかしく思い
愛する人は欲しいけれど
女扱いされると複雑な気分
男のひとは嫌いで
男のひとに媚びる自分も嫌いで
....
てんびんに いろいろのせて きみは
てんびんが かたむくより はやく
くびを かしげてしまう
いっしゅんで すりぬけてゆく
ふあんとか そうぞうとか
ほんとうは もっと
いっし ....
散歩山 泥が白靴
川 見えていうなら
小川 湖
といったところ
清流
ならば
苔が ここに
魚
ちゅる
のびて生きる棒
さら
....
8月のはじめの
まだ水のあふれていた庭で
あたためておいた6月の
水々しい果実を口にする
風をおとしたような日陰には
小さな花が咲いて
あれは5月の始まりの
ささやかな名残なのだと思った ....
余計なものはすべて捨てた
部屋にはダンボール箱が一つ
私は体を折りたたんでその中に入り
蓋を閉める
部屋には今、箱だけがある
かや かや かや
しなの ほの なき
かな かな かな
つれた つもり の そそらの はなお
ひせの くら ふき
さや さや さや
冷え切った校舎の裏
ささくれ立った言い訳をした日
嘘をつくのは単なる処世術ではなく
空気と同じなんだと信じることにした
地球は今この瞬間も律儀に回っている
無数の嘘を繋ぎ止めながら
....
今日、雪が降らなかった土地に
雨が降る
今日、晴れなかった土地が
曇り
曇らなかった土地が
晴れる
起こらなかったことも起きたことであり
起きたことも起こらなかったことのなかで
....
よしんば私の思想がデタラメであるにせよ、私が語ることによってのみ、私は私のようになる。私の語りがどんなに奇妙でも、語りつづけることだけが、いっけん成長しているかのように見える時間的経過となってあらわ ....
いなかのまんなかと
なづけてもいいまち
ここではいちいちきどった
ことばはいらない
しんこきゅうする
はないっぱいにすいこまれる
いねのにおいってすき
でんしゃはりょうほうこうに
とお ....
ありったけの小銭を持って
僕らはオークションに出かけた
実家が火事なんです
と泣きじゃくる男の人に競り勝ち
三匹のサワガニを落札した
一匹は僕が名前をつけて
一匹は彼女が名前をつけ
....
連れてこられました
真っ青な部屋です
まるで深い青空のなかを
迷う小鳥のような気分にもなれ
濃ゆ過ぎる空を切り取ったような
真っ青な部屋です
君は今ごろどうしているだろう
連れてこられま ....
暗い道に
落ちているもの
気になるけど
拾わない
これまで何度も
何度も
拾った
それらは拾って持ち帰ると
どれも
黒くなった
わたしは悲しかった
暗い道に
落 ....
絹の目に風が通るような
さらさら と暖かい日差しが
空から降って来る度に
少しずつ体が 溶けていくようです
束ねた髪を解いて 窓辺で
流れる光と花の香り
白い手をかざして 空
高く高 ....
けふ ひとひを
やすらかに
すごすことが
しあわせです
けれども
野望をすてたあなたと
死ぬまで
暮らすことはできません
赤ん坊の頬をなぜるように
水蜜桃の皮をむいていく
あなたの指が
汁にまみれて
窓から差し込む光に包まれている
甘い水が
赤ん坊の膚のような
産毛の柔らかい皮をはぐたび
したたる
した ....
目、ぬれてる
ポケットにひばな、突っ込んで
夜が死ぬのを待ちました
ワルツされる 砂の中で
心底待っていました
(水溜りで溺れます)
(水溜りで喜びます)
林立した子供の列はファ ....
夏の終わりを待つ
私の耳には
波の音も
大きな地面を渡る水の音とはついに聞こえない
砂浜を歩きながら
光がどこから来るのかもわからなくなっていた
手を伸ばすと空間がななめになって
空がぐ ....
僕の必殺技のことを奴らは知らないでしょう
とても細いところで空ばかり見上げている奴らですから
ああ、高い高いですねえ
と、その間に電話をかける仕事は朝飯前です
朝飯前なのでまだ歯も磨いてい ....
「メリーゴーラウンド」 7
距離
星には決して手がとどかないって
知ったのはいつだっただろう
夜空のした
はじめて自分で立って見あげたあの ....
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