夏の
残り火に
照らされて
じんじんじんわりとする
思い出
・
さようならは
言わないよ
またね だ
あなたの優しさを
忘れないよ ピース
お客さん、焼きましょうか?
それとも煮ましょうか?
、そのままで
夢を食べる人がいる
お腹がふくらんでいつも放屁ばかりしてる
愛を食べる人もいる
少し物足りないので自分を傷つけ ....
夏の日に
僕等は少しだけ詩的になる
降り注ぐ太陽は殺意とともに肌をじりじりと焼いて
そんな苦役さえも受け入れて
僕等は夏を楽しむのだが
夏の日に
僕等は少しだけ何かを予感する
この喧 ....
「冷やし中華はじめました」、それは夏を大まかに括っていた、水色の一枚の暦のように、町中華の古びたガラス製の開き戸に貼られていた、その水色の張り紙を、店主のおっさんの手がゆっくりとひき剥がしてゆく、ぽっ ....
白い折り紙
茶色や灰色を裏側にして
折って畳んで持ちあげたら
イノシシの肩甲骨に
トンビの翼に
エゾジカの硬い角になって
歩く
駆ける
羽ばたく
私の手の平に包まれて
....
生まれた時からバッハもピカソもあった訳です
赤ん坊の私がそれらに気づくまでの長い距離は
何かの原型でありそうだなと推察し終え
当時の感覚まで思い出されていたのです
座卓には抽斗がついており
....
土を踏んで
滴る花をたしかめながら
きみにあいにゆく
どこにもいないということは
どこにでもいるということ
青いイチョウに
さえずる梢に
ありがとうを伝える
空の匂いを探している
....
その子の瞳に
歪な丸さの ヒが躍る
画用紙の真ん中で
赤み帯びた鮮やかなオレンジは
吠えたける
甘い香りも
緑の葉蔭も
棘のある茎も
パレットに襲って来る溶岩 ....
こころとこころが
ただ在る
宇宙のなかの
この小さな星の上に
いろいろなこころ
・
私の
こころの終りには
ありがとうを
置いておく
その時に咲く花がある
・
....
ハロ~!
と声をかけられたらアホ~と言い返してやれ
勲章を差し上げます。 要るか、ボケ!
と言い顔を向けてやれ
きみた ....
レタスがいのちをもっている。
わたしなんかより。
小さく千切られた彼のほうが
みずみずしく、麗しく、愛くるしく。
レタスにフォークを突き立てる。
ドレッシングの不純さが、
少しだけここ ....
長い通院生活も今日で終わる
とある春だった
通い慣れた道、河川工事はまだまだ続くらしい
詳しくは知らないけれど新しい駅が出来るという
パン屋、スーパー、マンションや公園、行き交う人々
駅を支 ....
春が来た、カーテンを閉めよう
落ち着きのなさを気付かれぬように
行く人、とどまる人、帰る人
私の行く場所はどこかと、心が騒ぐ
花をつけ始めた桜は堪える
激しい雨風に打たれても
花の散っ ....
一日一度静かに燃える家があり
今まさに燃えさかっている
そしてその近くの電線に
数羽の小鳥が舞い降りた
いつぞやのにぎやかさはどこへやら
今日の電線の音符は歯が抜けた様相
それでも音符たち ....
もうその土地は更地にして
地主さんへ返したそうですが
礼文の古い家 元は漁師の 父方の親戚の家には
ものすごく腰の曲がったおばあさんが
何年ものあいだ 一人で住んでおりました
私の母 ....
おしまな!
(そうだね、お日様
(今日は良い天気だね
おじゃたまくし!
(ちいさな春の子
(おまえと同じ
(三月生まれかもしれないな
斜めに陽が差し込むと
ぼくたちも斜めになってたね
....
命が染める
花冠の真紅
燃え立つ
森の深みへ
誘う命の灯り
満々と水、
疾駆する車の到着する
真面目くさった顔に
紅潮した君は美しい
快活な笑い ....
卒業式より入学式
きっとそのほうが近い
おわかれが悲しいより
ちょっとどうなっていくのかなって
そわそわ、未知の道
ようこそと迎え入れる
手の花束を渡って
そこはしばしの ....
お骨はゆうパックで送れるんだって
へぇ
そんなわけで叔父の骨を預かって
春と夏が過ぎた からんと
最近は近所に犬を見なくなった
骨を差し上げるあてもなし
わたしが咥えてしまおうかしら
叔 ....
僕らの明日はどっかにつながってるんだ
さよならなんて言うもんか って
鳴きつづけてぱたりと絵本が倒れるように
さよならとくじらが言った(ように見えた)
さよならと機関車も ....
あのラーマが販売を終了する
ラーマとは、インド神話最大の英雄の一人で
タイの現国王もラーマ10世なのだが、
販売を終了するのはマーガリンの名前だ
ボクたちは、あたりまえのように
毎朝パン ....
白と黒の、うっとりと時の踊り場で寛いでいるかのような、冬
雪は未だ、ここに居てもいいのかどうなのか、
わからないでいるように見えたりする、初冬
暗い雪の夜道を歩いてみれば、小首をかしげた四つ足獣 ....
「クリスマスチキン」
だから、と
ちょっと張り込んで
ネットで評判が良かった
ガストの
ローストチキンとピザのセットを
【娘と夫に確認してから】
予約したのに‼️
....
闇夜の坂道に落ち行き
突然に遠く消える君、
僕の想い描いた
理想、吐き出せないママ
逃れいく逃れゆく、
三鷹台というホームに
たこ焼き買い夜な夜な
神田川沿いのベンチに座り
熱 ....
中華料理を食べそこねた兄が
急行列車で帰ってくる
僕はまだプールの水底で
習字の練習をしている
兄は僕より背が高く
顔も様子も似てはいないけれど
よく双子と間違われた
習字のはら ....
ことしは喪中はがきが多い
きょう、八通目が届いた
古い友人
映さん、七三才
わたしの姉と同い年なのに
映さんの本名は、恵子だという
知らなかった
詩友とはペンネームでのお付き合いだか ....
やわらかい毛布
まくらのふくらみ
あなたの手の平
うねる運命線
天井のしま
耳たぶ
かわいた爪
ぬくもり
お夕ご飯
ニンジン
....
ありがとう
空よ
私の至らない部分が
人のこころを傷つけてしまうのは
私が至らないからです。すると
みんなが至らないよ、と
空は
青ざめてくれる
空よ
ありがとう
いくつかの雲は ....
一斉に発信される音を
受信したラジカセで変換し流す音楽が
ドアも窓もない部屋で飽和していき
ベッドの上で潰れそうになるから
カセットテープに録音してはつめを折って
レターパックへ入れても宛先が ....
モリエールからドストエフスキーへ至る僕たちは人間が嫌いだった
鳶から揚げをもらってありがとう。宇宙から見上げれば重量の力を借りているだけそれだけだからこの不安は不安と入り混じれば風船は鳶を ....
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