君は変わったね

同じことを
君が言い出す前に
キスをしよう

全てが始まったあの日を眺めながら
全ての終わりを語る唇を
塞いでしまおう


傾く船にはもはや 
救いの手立 ....
蘭州を出発してからもう2日も経つが
鉄路は大きな曲線をいくつか描いて
岩の転がる砂地と、とうめいな蒼色の空
それだけの風景はいっこうに変わる気配がなく
ホウロウのカップで
開水に粉コーヒーを ....
谷の底に静かな村がある
昼の光が色あせて
働く人たちが 夢もみず
疲労のなかに眠ると
月と星が そこから昇る
鳥の死んだ目
亀の
平べったいの
動かない
体は来ない
のに心に来る
心が立ちすくむ

昔は
いきものが苦手だった
来るものの
怖さを
小さい僕は
よく知っていたのだろう
 ....
  
  わたしの中に森が生まれたとき
  その枝は音もなく広げられた
  指先から胸へと続く水脈に
  細く流れてゆく愛と
  時おり流れを乱す悲しみ



  わたしを立ち止まら ....
もし月が地球に落ちてきたら

全世界の人々は両手を天に掲げて

月を支えようとするだろうか
 
  
それが誰なのか、
記憶を探れば出てくるが、
誰が誰であったか、
この部屋では関係ない。

窓の向こうに手を伸ばそうとも、
扉の向こうに声を掛けようとも、
ひとつも ....
安全ピンに とめられた
近くで 鼓動が聞こえる

建てられた家の壁の 奥
にぎやかな笑も 枯れて

この 残された クサビだけが
奪われたものに対する こたえ

やがて 消えた鼓動の ....
薄紫の和紙に 小さなお山のように盛られた氷砂糖を
壊さないように 天辺からそっと摘まんで
可愛らしい唇に つん と付けては
何となく冷たい感触を味わうのよ あの子は。


口溶けは 冷やか ....
われ先にわれこそ先にと同じ日に蒔かれた姉妹の朝顔の咲く


狩りそして狩られることの無き国の王女の不在のごとき静けさ


水中を沈みゆくバス、運転手、乗客らみなほほえむ夏日


コン ....
  あなたが海を歌うとき
  わたしの瞳は波になる
  愛していたと
  告げる言葉が悲しくて
  静かに揺れる波になる


  あなたが空を歌うとき
  わたしの胸は波になる ....
モラルを守るの、ラルモ
それは大切なこと大切なことよ
生きて再び歩いたりしてはだめ
火遊びもまた
街がひとつ陥落しているわ
ジス・イズ・ア・ペン
それは荒井注のギャグよ
スペ ....
帰ってくるよ
夏が帰ってくるよ
この火で埋められた季節に
死者たちが帰ってくるよ



ただ白いだけの変な鳥がいます。暑い夏の日差しを受けて、きらきらとその翼が輝いています。飛んでいる ....
かくとは
どういうことだ

なまくらの安包丁
長く使い過ぎ
先がひん曲がって
薄肉を切るにも逸らされる
研石を買ってはみたが
いま切るのには役立たない


天井に匂いが立ちこ ....
トムソンはがぜる
がぜり続ける
健やかに育ち
育ち続ける梢と梢の
間からメニューを覗き
何という名のファミリーレストランか
ハンバーグを和風セットで注文する
まるで都会だねここは
 ....
どうしたら此処から翔べるのか
そればかり考えていて
けっきょく何処にも翔べなかった

次々と羽化する蝶たちを
横目で見ながら
葉陰に守られて留まって

安穏

すがるような言葉 ....
ある日の夕方
ポチは神妙な顔をして
私の前におすわりをして
喋りはじめた

ねぇ。
ボクはずっと前から考えていたのだけど
どうして人は平気で人を傷つけたり
いがみ合ってみたり
 ....
ロケット花火に夢を託して放り投げたら
其れは真っ逆さまに落ちて
地面を這うように飛んで行ったんだ

ひゅるるるるるるるるる


どうでもいいデブな女に無理矢理欲情して
広末や長谷川など ....
ひらいた おやまの
むこうの おそらに

ちいさく てをふる
おにのこ つちのこ

とんとん とんのに
とうせん はなおに

とんから とんから
とうそう はなおに

ひらいた ....
幼い日々
などというものは
これまでも 
これからも
全く変わりありませんので
特筆いたしません



或るときから
うたに喜ぶようになって
泳法はままならずとも
流れゆく日々 ....
 いまさらながらだが、まったくおかしな時代になったものだと思う。恐らく多くの人が感じていながら、それでも黙っているのだろう。二十一世紀という現代に生起する現象、人の思惑同士が交差し合い、とんでもなくお .... 矛盾した水槽の住人は
矛盾した椅子に腰をかけ
矛盾したテーブルにクロスをかけ
矛盾したグラスで
矛盾したワインを飲む

矛盾した水槽の住人は
毎日が矛盾しているから
その矛盾し ....
このひと だれよ

じいちゃんの にいさんだぢだ
五人兄弟だったのも
三人は 戦争さ いって 死んだんだ
ほら もうひとりの おじさんは かえってきて
そこで 店っこやってるべ
じいちゃ ....
爆弾を我が身に纏って散り果てぬそれを正義と笑わせやがる


見上げればおんなじ色のはずなのに我らの空もイラクの空も


銃口に面と向かったその時に「万歳!」なんてぜったい言えない

 ....
一点の翳りも見えぬ空の下白さを競う百合とTシャツ


軒下でチリリと唄うびーどろは風に撫でられ恋を煩う


結い上げた髪にかんざし挿してみる すこし淫らなおんなを気取る


誰がため ....
ミラーハウスで求め合わないか

前と
後ろと
右と左と
斜め、っていう曖昧な角度も
加えて
つまりはすべて

求め合う姿は
すべてに映るさ
求め合うふたりに
すべてを魅せる ....
  夏の最後の日差しが眩しくて
  何も言えずに目を閉じた
  晴れた空に向かって
  君は背伸びをして手を伸ばす
  それでも僕は何も言えない



  ひと夏が終わるたび
 ....
耳をふさぐと雨は遠くの国みたい 目をふさぐのをためらいながら



台風の日だというのに 僕たちに降る風はもう諦めている



キャミソール の 裾 を破いてもう少し生 ....
われらの旅についてかたろう
われらとは わたしであってわたしでなく
すべての旅を ひきついでありつづける
おおいなるひろがり そのなかへ わたしもきえるが
われらの旅にはおわりがない
苦労を取り戻す日々

網戸に半日も止まったセミをみる
見られている
セミの鳴き声に囲まれてそのセミは哭かない
なぜだろう
なぜ止まっているんだろう
網戸ごしにつついてみる。
死んでいな ....
ふるるさんのおすすめリスト(5744)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
淡い味だね- 千波 一 ...自由詩11*05-8-14
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そろもん(静かな村の話)- みつべえ自由詩605-8-13
こわくない- 石川和広自由詩6*05-8-13
森の風景- 嘉野千尋自由詩36*05-8-12
もし- たもつ未詩・独白1105-8-12
「_冷たい紅茶。_」- PULL.自由詩17*05-8-12
残された_もの- 砂木自由詩11*05-8-12
あの子の_お口- 千月 話 ...自由詩15*05-8-12
真夏の禁猟区- 本木はじ ...短歌1505-8-11
波になる- 嘉野千尋自由詩17*05-8-10
モラルを守るラルモ- たもつ自由詩1105-8-10
帰ってくる夏- 岡部淳太 ...自由詩16*05-8-9
包丁- 大村 浩 ...自由詩10*05-8-9
トムソンはがぜる- たもつ自由詩1005-8-9
風になれなかった- 落合朱美自由詩9*05-8-9
犬的思考- 落合朱美自由詩9*05-8-9
ひゅるるるるるるるるるるるるるる- 虹村 凌自由詩2*05-8-8
はなび- 砂木自由詩14*05-8-8
履歴書- 千波 一 ...自由詩19*05-8-8
異常な時代に抗する言葉- 岡部淳太 ...散文(批評 ...21*05-8-7
僕の中の矛盾した水槽- たもつ自由詩1205-8-7
かえってこない- 砂木自由詩10*05-8-7
書き殴り・アンチテロリズム- 落合朱美短歌13*05-8-6
影絵の夏- 落合朱美短歌11*05-8-6
ミラーハウスで- 千波 一 ...自由詩19*05-8-6
君と九月と、あの空と- 嘉野千尋自由詩14*05-8-5
- ピッピ短歌1305-8-5
そろもん(われらの旅の話)- みつべえ自由詩805-8-4
見られている- 石川和広自由詩5*05-8-4

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