路地裏の色なき風の通り道


コスモスの現れて消え君の町


栗拾いひとつぶ持って帰り道


草の絮あしたの風は明日吹く
痛みを持たない笑顔から
毒も疫病もない広場へと
脈打つ雫が落ちて来て
紙の上には無い言葉を晒す


今は誰からも忘れ去られた
早死にの国から群れは来て
陽に焼けた影の落 ....
何も無い荒野から
無いものの無い荒野へと
言葉を言葉に放つ指
言葉を言葉に散らす指


腕の先 拳の先
曲線 放物線
吸い込まれてゆく
泪とともに生まれる花

 ....
美しいと感じたものを美しいといいたい
全てはそれに尽きるけれど
その思いがどんなに強いとしても
なし得ないいろいろな理由が海のように拡がっている

海に{ルビ喩=たと}えれば海にゆるされ人に ....
今日、先年の水害で何もかもが水浸しとなった地区に行ってきた。路肩に植えらていた筈のマリーゴールドは尽く引き抜かれ、その代わりに黒い農業用マルチがのっぺりと施されていた。

ちょうど一年 ....
線を踏んで 花の内
爪先立ちの 花の内
花を 花を
他から多へ


掴もうとする手の反対側へ
しずくは落ちて 落ちてゆく
膝を折り 倒れる鏡
映るものは空と地ばか ....
またたき またたき
またたきの音がする
しびれているのは 右か左か
どちらの目なのか
両方なのか



左足を咬まれて
愉快でたまらない
左足の内に 咬んだものが潜 ....
考えても仕方の無いことを
考えても仕方が無いのだが 考えてしまう


考えて書けってなんだ


書くことは常に
考えの外に在るのだ







 ....
深くて静かな宙を一羽の鳥は行く
深くて静かな宙の深い静けさを私は感じる
私は気付き言い思う

たましいという いのちは、
山を形作る石の石としての役目であり
手紙入れに眠っているあの人の涙 ....
ぼくたちはいつも何処かに落ち着こうと

ぼくたちはいつも誰かに愛される為に
莫大なエネルギーをつかいながらも

それでも
せめて自分だけでも保持しようとしている


腸内フローラと循 ....
{引用=蝶の行方}
レモン水の氷が鳴った
白い帽子に閉じ込めた
蝶はどこへいったのか

太陽が真っすぐ降る
眩い断頭台から眺めていた
あの蝶の行方

自殺した詩人
現実を消去して残 ....
夏夜にヒューズが飛んで、飛んだヒューズを両手で優しく捕まえた。
そいつの正体は何と小さな蛍で、僕はその小さな光で一夜を過ごした。
肩幅で生きる
肩に幅があって良かった

夏は草の履歴と
雲の墓場
ただいま
おかえりなさい
言葉が影になる

初めてできた影だ
子供たちに見せてあげよう
昨日いた犬にも見 ....
去年の夏
海沿いの古い集落の
小さな宿に泊まった
窓から見えた自販機だけが
灯りらしい灯りで
ジュースを買いに出たとき
本当の夜を知った
すぐ近くなのに
宿の灯りが届かない
夜がこん ....
水たまりだらけのいちにちを
病院のベッドから眺めている

何冊めかの本をてにとり
2日めも暮れなずんでゆく

痙攣していたてあしが痛みから解放され
滞っていたからだの中の運河がなが ....
林床にはブナ林特有の雑木が生え
そこを刈り払い機で刈っていく
すさまじいヒグラシの鳴き声の海が森を埋め尽くし
私たちの耳に、錐もみ状に刺さっていく

急な斜面を足場を作りながら雑木を刈る
 ....
みさめがふりつづけばつちはながされて
                 わたしがうまれた
由来から植物は埋もれ酵素も分解されて
              腐食の生きものたちがはみ出してくる ....
上っ面の言葉を交わしすれ違う恋人家族その他大勢

本当がまるで無いのになぜ刺したナイチンゲールの胸はくれない

表面張力肥大する星一つ縛れる嘘が行ったり来たり

面倒な人付き合いを弾いたら ....
人にかける言葉の
優しいひとを選びたい

選んでどうするのかと
問われても明快な答えもないが

そうなんだ僕たちはそんなには曲がってはいないはず
規定するあなたがたの定規はどこまでも ....
水に押された風が
屋根の上を梳き
かがやきを降らせ
音を降らせる


光の羽の子と光の蜘蛛の子が
どうしたらいいかわからずに
ずっと見つめあったままでいる
風の螺旋が ....
とどまる 1

{引用=ここに
とどまっていると
裁かれる

変化のない停滞に見えて
それは罪であると
見做される}


とどまる 2

{引用=ここになんとか
と ....
 大白川登山口に着くと雨となり、当然誰も居なかった。レンタル簡易トイレがのっそり立ち、周りには雑草やらススキが生い茂っている。雨は次第に本降りとなり、雨具を着る。
今日を逃がすと次回はいつ行けるかわ ....
「私もかつては人間でした」
ロボットはラピスラズリを
キャンディ紙に包み
両端をクルクルと回す
「さあどうぞ」

彼女はそれを受け取って
代わりに写真を渡す

「火星の渓谷ですか ....
母さん??

私が呼ぶと
文節のない文字を
あなたはつぶやく

失ってしまったね

私は

悲しいことだけど
自然なことかもしれないね
あなたの

あと何年かで
そこ ....
あたたかなあなたのひざを枕にしシャイな笑顔と目があうプリズム


はいっ!という返事が真っ直ぐだったので顔を二度見た。初恋でした。


こらえてる、腰も砕けて座り込むほどの失恋でも ....
その蜜をかけて
わたしのすきなバニラの
エッセルスーパーカップに
全部にかけたいけれど
大きいので
内の蓋を少し開けて
半分ね


地面を舐めている
落とした自分のを
命にな ....
日の箱につめたわたしを取り出せばだらりゆるんでたれてひろがる

忌まわしい記憶もともに箱につめ埋めてくれ地下四千メートル

夜の箱に夢の甘さの菓子箱のあなたをつめてそして眺めて
 コロナの影響で家業はさっぱりだったが、昨日は久々に朝から厨房に立った。昔から来ていただいている県内客の四名様。この人たちは少人数でやってきては、楽な場所で楽に山菜を採りたいと色々と突っ込みを入れてく .... ちいさくてとってもちいさな貝殻があった

優しくてとってもやさしい友達がいた時もあった

幼いころ姉がひらがなの練習をしていた
たぶん卓袱台で宿題でもしていたのでしょうか

対面でそれを ....
 四月二十三日、若い女性看護師Aの説明を受けながら、跳ねる川魚のような指先で打つキーボードをぼんやりとみていた。柔らかい声で適切に私の話を聞き、それを一切漏らさずキーで打ち込んでいる。血液検査の注射針 ....
ふるるさんのおすすめリスト(5744)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
風の通り道- もっぷ俳句320-10-9
はじまり_はじまる- 木立 悟自由詩320-10-8
持たざるもののための水- 木立 悟自由詩220-9-28
セノーテ- 道草次郎自由詩2*20-9-19
洪水のあとに- 道草次郎散文(批評 ...10*20-9-17
夜と歩いて- 木立 悟自由詩220-9-5
ノート(またたき)- 木立 悟自由詩320-8-14
ノート(考え)- 木立 悟自由詩520-8-14
いのちは- こしごえ自由詩7*20-8-10
仮説- 梅昆布茶自由詩720-8-10
夏の囚われ人- ただのみ ...自由詩2*20-8-9
- クーヘン自由詩7*20-8-7
終戦- たもつ自由詩1120-8-7
丹後ちりめん- ガト自由詩7*20-8-7
レインダンスのまち- 梅昆布茶自由詩1820-7-25
ブナ林にて- 山人自由詩16*20-7-24
もの語るの虚と真実- アラガイ ...自由詩12*20-7-22
胸は紅- 為平 澪短歌820-7-21
カート・コバーンに捧ぐ- 梅昆布茶自由詩19*20-7-18
空と虹彩- 木立 悟自由詩820-7-3
小詩集・とどまる- 岡部淳太 ...自由詩820-6-14
雨はきらいじゃない(落ちの無い話)- 山人散文(批評 ...5*20-6-14
Was_us- mizunomadoka自由詩320-6-13
青、もしくはブルー- umineko自由詩13*20-6-10
三千世界に、春陽かがやけ- 秋葉竹短歌620-6-6
グッバイ、バニラ- 唐草フウ自由詩9*20-5-25
- ブッポウ ...短歌120-5-18
厨房に立つ(改題しました)- 山人散文(批評 ...7*20-5-17
五月の歌- 梅昆布茶自由詩1020-5-5
気が付いたらボロ雑巾のようにベッドに転がされていた- 山人散文(批評 ...6*20-4-28

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192