逮捕される前に
一緒に暮らして
外で
立っても歩いても
電車を降りると
豊島園駅は広い
花りが走りまわる
「くるくるまわるー」って
急行所沢特急所沢普通西所沢
改札を出ると
....
黒板の歴史について
君と議論する放課後
誰もいない教室の花瓶から花びらが落ちるしづかに
いつの間にか
窓から忍び寄る夜の気配
僕と君だらけの教室に
天使たちの無音のやりとり
聞きながら
....
さざなみは 群れをなし
幾人かは 手をつないでおります
光が噴水を照らし
さざなみは一気に羽ばたき
けれども
いくつかの水泡は遅れて真珠の旗を振り
あの辺りでは
協力して大き ....
二人で地面に小石を並べる
ひとつ、またひとつ
やがて円の形となり
収束していく始まりと終わり
夏の日
暑いね、という言葉だけが僕らだった
何故だろう
あんなにも
世界がありふれ ....
木々から 溶けていく
生命線 の から傘
涼しげ な 場所で
やけている 氷は
春 のすべてを 呪い
遙 だけに 往きたくて
のばされた風に 溶けて
みつめる ....
きみ の 入った
ゆで 玉 コ゛
殻 と うすいもの
取って
確かめてもいいかい
黄色 の 熟成に
ツイ テ
呑もうとしても呑めない
コップのなかの氷
それは
自分の指の影だった
音が止まってしまったのに
映画はまだつづいていて
あたりを見わたすと
席に ....
ゆら
ゆら 男が現れ くしゃみする
丸くなる背中 男 ひとり
ゆら ネクタイが 飛ぶ
男 引き上げられる 皮靴
会社へ 行きたくないと
取り払う 背広 ゆら 名刺
雲雀の羽 離れ ....
満ちる空に逢おう
欠けたままの自身で
雨や雲や雪や風の子供として
ボクは歩き歌い眠る
隠すものも
隠されるものもなく
ボクは今宵も
欠けたまま
満ちる
....
女は
胎内に新しい生命を宿したら
「母親」になるというのに
男は
新しい生命が誕生してから
「父親」になる権利を得る
のだろうか
それは
目の前に細く頼りない道が一本
....
覗いた世界は
薄汚れていた
彩りを失くした街は
希望も失くしたようで
それでもまだ
笑っていた
だから僕も
つられて笑った
彩りを失くして
希望を失くして
それでもただ ....
夜の手のひらに
背中を押されて
チラチラと散らばる
港の明かりを見下ろしに
いつもここへ来る
デパートの裏の階段にすわり
わたしたちは
寄り添ったり
ときどき 無口になったりし ....
あなたは、
簡素な手順でわたしの胸倉を開き
匂い立つ土足
こればっかりは慣れないものです
その度に鮮やかに毟られる
あなたと遭難したい
篭って
香しき動揺が眼に見える位置で
わ ....
ぼくの
きもちが
がやがや
かいぎを
くりひろげて
おしもんどう
したって
へやの
そとの
よるは
むしのこえと
ほしのひかりと
ゆめへ
たびに
でているものの
....
▲
そして
どこまでも
群青の闇を往く
魚のあとを追い
かつての白い肌は
鈍く焼けてしまった
水の角を曲がり
更に水を下る
....
壊れてしまった
ふとんばさみが
とりのような
弧を描いている。
夏のベランダ
まるで
ホワイトのように白い病室の中から
君は待つだろう
あらゆる部屋で踊っている死の山羊たちを無視して
根付く花に囲まれながら
真正面からベッドに腰かけている君は
瞬きをしない
くしゃ ....
28から7を引いたら残りはいくつになりますか
答えは0です
私は除かれた7だったから
+
ことがそろそろ長くなってきたので
座ぶとんを引いてパチンと切った
ことは勢 ....
月にテープを送ろう
これが僕の声だよ
誰かに似てると思うかい
風の速度も知らないし
今日も素面で歌ってる
虫に答えは譲ろう
僕は分からなくていい
悟りは空に任そう
....
守られないことを知りながら
またひとつ約束をする
もう切る指をなくしてしまったらしいので
嘘つきなのは僕のほうだよ
と
嘘をつく
今日はしゃがみ込んだ君の足もと ....
見え隠れする明るい夜が
一羽一羽に分かれ飛び去る
壊れた家から波を見ていた
傾いだ家から曇を見ていた
鏡の道に葉は落ちて
緑の上に銀はひろがる
小さくざわめく音 ....
降りしきる雨の中
傘もささずに俺たちは歩いた
死ぬほど歩き続けた
けれどそれで
俺たちが死ぬことはなかった
俺たち いい奴だった
俺たち 輝いていた
俺たちは生の肉だった
俺た ....
窓枠から漏れている気持ちを
ガムテープで目張りする
それで安心かというと
そうでもないらしい
困ったな
僕はそれ以上のすべを知らない
進みようのないことを
あれこれと堂堂巡り ....
踏み にじられた
柔らかい 道の草
白線 から 下がらず
垂れた こうべ 晒す
助けて 下さい と
死にたくありません と
誰も 聞きたくないのだ
誰も 幸せに ....
夢からはもう
とうに醒めてはいるというのに
僕の現実は
まるで夢に似てしまう
夜中でもなく
朝でもなく
ただの希薄な時間に
冷たくもなく
暖かくもない
....
街に忘れかけられた
公園のベンチに座って
西日の中の滑り台の上では
始まりかけた夏が
くるくると回っている
夜に向かっている
夕暮れの片隅で
ジャングルジムの天辺じゃ
出たがりの金 ....
まわりの
おんどは
うらはらに
つめたくなってゆく
ては
わたしの
こころを
みすかした
ぶんせきすべきは
そのことば
ぶんせきすべきは
そのうしろすがた
ぽこ ....
肩は既にはばたいていた
鎖骨から胸へと流れる羽を
抱き寄せようとする腕もまた羽だった
耳も髪も眉も目じりも
風にそよぎはじめていた
咲きつづけるからだをひらき
子はひとり川辺に立 ....
くらい部屋の中
あなたはいつからいたんですか
ずっとそこにいたんですか
さっき?さっき来たばかり?
そうですか
全然気づきませんでした
すみません
なんだか元気がないですね
お腹がす ....
夜 が 鳴る
切れた 窓辺
背いた 天井
見知らぬ 幸
消えた 願い
夜 が 立つ
誰 を 救う
誰 が 救う
誰 に 救う
外 に 写る
夜 の 髑髏 ....
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