おもいは目線のさきにあり
よそう前に 両手あわせます
名前も住所もしらずに ここにきたこと
目線のさきは しろいしろーい もちもちのふんわり
とどきすぎる、炊けるにおい
今夜 いっぱいぶ ....
私は、私の影であり
影は、影の影である。
どこまでも
黒く透ける現し身を
冷たい風がなぞり
さみしい熱を奪い去っていく
だからといって みたされることはない
このささやきが、色づ ....
マーガレットの花の綺麗さを
1ハナハナとするならば
君のかわいさは80ハナハナくらいだろうか
君は僕のことを好き嫌い好き嫌い好き
占って嫌いで終わってしまうと
40ヘナヘナで芯をくるくる ....
この時代、未熟な力が求められている。いまだ生まれえない、いつ
までも成長することのない力。たとえば秋のにおいのする草原に行
けば、妹という名の下にそれはごろごろと転がっている。妹のやわ
らかさを ....
071018
ダダダダダダッ!
ダジラが走る
ダッダッダッ
ダッシュボードが
噛みついたので
かりんとうのお化けが
絡むように拗ねるように
ア ....
どく、どく、と
森と、甲虫を熱くした樹液の脈拍の
どく、
夏の最後の一拍、
の響き終わったあとの静けさが
そっと割れて、孵る、
リ…、ひとつ、
生まれたての、震える鈴が
震 ....
着飾った女が、艶めかしい足で
ズタボロの男を、誘拐した
私の中身になってと言って
二人はひとつになった/
―― それと同じ時代、同じ場所で
中身が溢れるほどの女と男が
激しい海にふたり彷徨 ....
夕暮れと同じ色をした
雀の群れを乱しては進む
道標を飾る白い花
いつの世も悲しい子らはいる
わずか数秒のねむりのつらなり
分かるはずもないくりかえしのわけ
ねむりのまま ....
信号が青になり
「通りゃんせ」の唄が流れ
人波に紛れ横断歩道をわたる
若い市議会議員はひたむきに
「よろしくお願いします!」
そ知らぬ顔で通り過ぎゆく人々に
自分の顔がにっ ....
野いちごを食べて、細いけものみちをわけいった。
蔦が絡まる門が、行き止まりを告げているが、
白い壁に覆われた一対の塔をもつ建物は、
わたしを甘い蜜のように誘惑した。
とり憑かれたように、門をく ....
いまさらに つけくわえるべき
ものはない 言葉のおくつきに
まいばん 血まみれで
ひげを剃り あおざめた
馬にのって 詣でる
秋じゃなければできなかったのでしょうか
空洞は風が増すほどに
流れてゆきます
いちにちの日短さ
胸の欠けてゆくそして
焦げてゆく茜の陽
沈んでゆき夜になる前の隙間で ....
空にたつ少年
キャンバスを粗く擦ったような
雲をみあげる
銀色の髪
長袖Tシャツとバスケットシューズ
細い骨の孤独を
風に{ルビ晒=さら}している
視界に収まらない空
どこからがは ....
{引用=
それは久しぶりに口を開けたのでケーキをつっこんだら美味しそうに食べた
長年口だと思っていたが呼吸もしないし食事もしないので不安だったのだが
こうなれば他に食べるものも調べたいと思ってた ....
{引用=落花することに歓びがあるとするならば
目の前に横たわる海鼠状の災禍を受け入れてみたい}
あなたと
わたし
コロシアムと密かに呼び合う
誰ひとり立ち入ることの無い塔屋の片隅で
ふ ....
桔梗の匂いです
ほんのりぼかした地平線は
花のうねりが続いています
その上をすべる
乳白色 あおい月
輪郭はまだうすい
夜はさらさら
風はさやさや
月は花の ....
もうダメなのかもしれませんが…
とりあえずみなさん、これ読んでください。
『詩学』バックナンバーのぼくのお薦めは、伝説の「西脇セミナー」と
いうのがあって、西脇順三郎さんと詩人が集まって、『Am ....
いつのころだったか、わすれてしまったし、どこからきたのだったかも、はて、となってしまった。体温のようにそこにあった、ぬくぬく、や、ぬるまゆ、や、ぬめり、にみられる、ぬ、的なもの。それ ....
ひなごおり の よ
しずむつち はしゃいだ
わたりふね にがして
そろりと りょうて
あたたかく ないた
つめにかけた おまもり
しろいくも の ひも
夕焼けなんてなくなってしまえばいいとおもう。昼と夜
をへだてるものをなんとなくつないでしまう、そんなち
ゅうとはんぱな橋は、星からやってきたぬすっとにくれ
てやるか、三日月のくらいぶぶんになげこ ....
のどが呪文をとなえているよ
おふろでもないのにシャボンが飛ぶよ
とおくとおく
欄干があかく染まって忘れられない
だんだん
だんだん
からだをかさねるよりずっと
指のすきまの感 ....
水曜の午後は
bossa novaの和音に肘を抱えて
白い器の縁をみつめている
くるりと立ちのぼる
緩やかな湯気の香りで
部屋中を染める
耳からこぼれおちる
綿のようなものを
すく ....
指は
君の小さな生き物だった
どこか
遠い異国の調べみたいに
時おり
弾むように歌ってた
君が僕の指を食む
君が
少し子供にかえる
遠いね、
とだ ....
あんああああくびするより空に手を布団パンパンあたたかな風
どれを着てどれを仕舞おう→ほとんどが新品のより着慣れたものに
この風景をあなたと歩いて部屋に帰るまで疲れるくらいに
どこまで ....
胸は
すぐに
いっぱいになります
それゆえわたしは
多くを連れて
行けません
あなたを
はじめて呼んだ日に
こころの底から呼んだ日に
海は向こうになりました
永 ....
小石がはねた
みっつめのところで
沈んでいった
それはそれは
穏やかに
すこし左右にゆれながら
底を目指して
落ちてゆく
水面に
たくさんの輪を残して
さような ....
あなたと その周辺を分解し
組み立てなおし 恒星のことばで
したためて 郵便受けに
ほうりこんだが 返事がない
いや たぶん絶対に こない
僕の
頭の上で
機嫌を損ねた
灰色の空が
意地悪そうに
雨を降らせる瞬間を
見計らっている
僕は
被った帽子を
顔の半分まで引き下ろして
小さく
舌打ちをしたけれど
....
虹の消えるように
面影もまた いつか薄まってゆく
さみしさよりも
そこにあるのは 何
つかめないのに、いとしくて
「思わず」シャッターをおす
早くしないと はやくしないと
....
{ルビ海鳥=うみどり}は
{ルビ淋=さみ}しくないて いますよと
波間のふねを
そよ風が
帰っていって 透きとおり
なき声ひくく羽ばたいて
夕べの斜陽が今朝方に
燃え映ってしゃらしゃ ....
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