語らないでいると
ケニアがある
暗闇の中
愛美が物語の続きをせがんでいる
言うなれば足だ
五本指のソックスで
地表が埋め尽くされていく
人に理由などないように
人であることに
理由な ....
冷たいアクアリウムの床は濡れていないのに濡れた色をして
あたしたちの足音を消してゆく
透明な嘘の輪郭に包まれた
透明に眠る魚たちの呼吸は泡となり嘘の空へと昇る
あたしたちはぴ、ぴとその輪郭を辿 ....
書いておかないといけないのかな
十一月の林檎もぎをする足元に咲く
たんぽぽと

実った林檎をもぎ取る同じ時期に
今年は 林檎の花が咲いている
全部ではないけれど 全部だったら破滅だけど
 ....
崩れた崖にしか
射せない陽射しがある

とがった石くれが こぼれ
風に拾われた 影を埋めた

朝焼けを浴びて 土の奥が泡立つ
浮かばなかった あの想いが

花のように上を向いて
踏 ....
おめかししてまいりましょう
からす瓜もほんのり色づいて
アザミの花が熱いため息ついたから
あなたに逢いたくなりました


おめかししてまいりましょう
赤いカエデに負けないように
くちび ....
あきらめは
落葉に{ルビ埋=うず}まる倒木だ
{ルビ水面=すいめん}に浮かぶ枯れ葉の息だ

全てに対し
後ろめたいことの無い
青い空をあおぐ

倒木も枯れ葉も
{ルビ生命 ....
しずかに激しく
ひとたちが群れては
やさしいことばをかけて
やさしいことばにすくわれる


ああ、きみの手ぇ、あったかいねぇ

網の目たちがあくしゅを、している
みえないものをわたし ....
ただいま調整中 メロウ おまえ ちい先生を見たか
庭の大きな老木に しあわせにしがみついて
羽化をする せむしの 背から
ギラギラとした 出てくるんだ
真っ昼間から 羽化だぜ
メロウ おい メロウ おまえ
 ....
水が、渇いていく
いのちある喉から
光陰の{ルビ嗄=か}れる
か細く陽光に
反射する雲へ

終ぞ
逃れられぬ影を傾きつづける
静寂の光

水涯にたたずみ咲いている睡眠

絶大な ....
柔らかく重なる
雲の色彩は
思う
あなたの
帆走する
今を、未来を

かすかに拓かれる
澄んだみずいろは
呼吸
わたしの
アクアリウム
泡よ、せつなよ

いつのまにか、ふた ....
 
 
1.
ハイスクール・ボーイなりの事情でひきのばしたまま、と、自身の怠惰らしき怠惰な事情を知りつくしたまま、で、まったくアップテンポな27歳その年にして彼は、初めて煙草を口にした結果かどう ....
海を見ている

さくり、さくり、
音をたてる足元の砂に
こころ揺らがぬよう
爪のかたちが付くほどに
手のひらを握り

海を見ている

潮騒に混じって
耳に届く ....
部長室にはいつも
風が吹いてる
日あたりのよいところで
書類の端がめくれている
窓を開けているのは
たぶん部長さんだと思う

机の上で
ピストルが少し色あせてる
微笑みながら毎日 ....
 以前書いたある文章への反応に、作者である自分からしたら思いもよらないものが返ってきたことがある。その文章は自らを特別な存在のように見做してしまう「詩人」へのエールのようなつもりで、同時にひとつの作品 .... 水に降る水
白を摘みとり
蒼を咲かせ
水に降る水
空から空へ
伝うまなざし
水に降る水
水に降る水


子の胸に
しっかりと抱かれた鏡から
にじみゆく色
ほどけ散 ....
まもれない
バイバイ、の約束
まもれない

切り出そうか迷う
えいえんの別れ、って
あるんかな



これからずっと
ずっと、の約束
まもれない

これまでだって
いつ変 ....
 
 
しらんだ空が
産んだ青い退屈
駄菓子屋の秘密
ゆうぐれのすきま
 
纏った仮面を振り回す
夏の日の少年
残像の香りはせっけん
ぶんぶんごま
 
鉛筆を構えるより
丸め ....
(そっと 音も色も立てずに
 ただ流れしたたる透きとおりを
 みつめている


ひたされてゆくね
僕たちはどの位
もう走れないのなら
このまま



  アイニク、という
  ....
甘い想いを、
歪んだ言葉で


哀しく優しく、
激しい、そお



バディ・ホリーにお願い、を。
泣き虫にならないように、



世界の涯で

笑顔にナレマスように。
 ....
 
ピッチャーの投げたボールが
輪郭をあやふやにして
雲の形になり

やがてひつじになって
待ち侘びていたバッターと
いっしょに頁から退場していく

指が擦り切れるまでめくり続け
 ....
去年の今日。
2006年の10月26日 昼過ぎに、祖父が他界しました。
祖父が亡くなって、ちょうど一年になります。

祖父が亡くなったとき大阪にいました。
知らせを受けて、
すぐ帰ったので ....
とろとろに
燃えている、もう
ひとふき、あとひとふきで
したたる
ぜんぶしたた、る、

そこらじゅうが燃える、
燃える!
次のことを知っているのねそんなにも潔く燃えて、したた、る、 ....
呼びかける名を一瞬ためらって
声は父の枕元に落ちた

あの日
医師から告げられた、
難解な病名は
カルテの上に冷ややかに記されて
希望の欠片も無く
黒い横文字となって嘲い
無情に ....
子供たちは
キティちゃんのホークで
なぽりたんを召し上がる

何千キロという海の大きさも
何十万ガロンという容積も
その喫水の深さも
まるで想像できない
きっと、大切なことなのだろう
 ....
台所で
母が米を研ぐ音は
別な音がする

えっちら おっちら
えっちら おっちら

母の手が
つめたい水のなかで
ゆきをふみしめる

わたしはうまく研げないので
そんな音がしな ....
街をひずませている調性のない
属性をもったビルディングが
太陽にむかっておじぎしている
じりじりと今
風は耳をすます
調性のない音のうねりから
こぼれおちるものをひとつ
すくいあ ....
雨という予報で
雨合羽を着込んでの
葉取りの作業と
覚悟は決めていたのだが

袖口をカバーしたつもりでも
やがてしみこんでくる雨水
顔に落ちる雫に
少しづつ体温が冷える

まだ こ ....
  *注
  http://www.quilala.jp/prize.html
  で読める掌編小説『鳥男』のスピンオフ詩作品


鳥女は鳥であるから空を飛び
女であるから山に降り
やっ ....
おもいは目線のさきにあり
よそう前に 両手あわせます
名前も住所もしらずに ここにきたこと

目線のさきは しろいしろーい もちもちのふんわり
とどきすぎる、炊けるにおい
今夜 いっぱいぶ ....
ふるるさんのおすすめリスト(5755)
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水族館の日- サトリイ ...自由詩8*07-11-11
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朝_あるところの人たち- 唐草フウ自由詩8*07-11-9
CA・STAR〜ヴァニラ・スノー〜- Rin K自由詩23*07-11-8
小詩集- 嘉村奈緒自由詩1407-11-8
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瞬く氷- 唐草フウ自由詩9*07-10-30
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おじいちゃんへ- 北大路京 ...未詩・独白21*07-10-26
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父のこと- 銀猫自由詩16*07-10-24
キティホーク- 佐野権太自由詩21+*07-10-24
米をとぐ- 鴎田あき自由詩5*07-10-23
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鳥女- 楢山孝介自由詩607-10-21
愛飯- 唐草フウ自由詩10*07-10-19

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