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指先はあたたかい
たぶん、その、ほどけていく瞬間まで
写真の空は記憶よりも鮮やかで
古い団地の隙間から
見上げるのはたくさんの
呼吸のない、窓

手のひらに
折りたたんだ空
に、記載 ....
指先で辿るだけのものにも
どこかに意味はあったのだ
そう気付かせてくれる君たちの声は
どこまでも、仄かに明るい
埃を被ったままの本の
隙間を捲る指の順番から
繋がっていくものがある
体温 ....
白い壁の、階段の、連続していく景色
寒い手を賑わせる文字、投げる言葉の
飛び越えた繋がる線の上の、息のある場所
いつか、気付く心が伝えたかったこと


特別な声が流れて
枯れ草が風になび ....
よく喋る温かい君の肌は遠くの転換点に於いて何処を通過していくのか
酔い覚めの軽い足取りから目を覚ますといつの間にか越えてしまっていて、楽しむことも出来ない肌触りを懐かしむ、歩道橋の上、今にも落ちそう ....
死体になることも出来ない
朝の、調子はどうだ、と聞かれても
貝殻になりきれない私では
考えているからと、通り過ぎるしかない

美しくありたい
ほんの、時々でいいからそう思って
張り詰めた ....
絶える昨夜が静かに終わって
それでも、紡ぐ言葉が見つからない
明日の羽音がまだ見えるのは
踏み込む足が力強い、から
ほら、世界はこんなふうに明るい

ドアが開くと、大勢の人が流れていく
 ....
ただいま
と、呼べる場所をいつもこの手の中に持っている
気付かないほどに当たり前の鼓動の中にいる
夜更けへ向けて風速は加速し続けている


明日を見渡したいから、と
君は潜望鏡を買ってき ....
砂糖が乾いていく
あるいは溶けていく
運ばれていく
最初からそこにはなかった
かもしれない
舞う風、の風上
私はただ口を開けて
私の中を乾かすことを止めようとしない

追い掛けること ....
今日も名前を落しました、と
誰かがその部屋へ駆け込んでくる
それではあなたを何と呼べばいいのか
振り向くと君の支えは薄いものでしかない


ついに君も名前を落して
誰か、の一人になってし ....
間違えることが、終わって
拍手がいつまでも続いている
始まりと終わりが気になるのは
それだけが手触りを残していくから

雨に濡れた窓が
鉄塔に光る赤い昨日を反射している
さよならを言えな ....
空に、鳥の滑空していく
きん、とした音が響いている
いつも何かが足りない
青いだけの視界を補うように
手のひらはいつも、上を向いている


いつも着地する景色には
逃げ出してしまう色が ....
想像して
君はよくそう言うけれど
実際のところ僕は、何も思い出せずにいる
海沿いの寂しい国道を夕暮れに倣って左に折れると
何もない町があるのか
君の住む町があるのか
もう、どこにも行けない ....
よく分からない、ということを
よく分からないだけ口にして
僕らはどのようにして、というようなことを
常に曖昧な部分ばかりを気にするために
ただ少し、西によって歩き続ける
ときどきに、冷ややか ....
足跡は
続いていく交差点の
その先に落ちている
踏締めるには少しだけ、遠い景色

よくありそうな一日を
(転がるように)


 *


無駄なことだと、言葉にしたものと
無駄 ....
そうして
幼い僕の侵攻は
今、どれくらいの位置にあるだろう
左手をここに
全てが巻き戻る下り車線に添えて


旅のような言葉があった
細い腕で、深い夜に何かを抱えて
昇りそうな気持ち ....
ぽえむ君さんの霜天さんおすすめリスト(15)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
微温湯日和- 霜天自由詩607-3-4
形状- 霜天自由詩607-2-26
息のある場所- 霜天自由詩507-1-7
羊の朝- 霜天自由詩806-11-11
トーン- 霜天自由詩1106-9-20
言時雨- 霜天自由詩306-9-17
潜望鏡- 霜天自由詩806-9-13
舞う風- 霜天自由詩806-9-11
無名- 霜天自由詩406-9-8
明日の窓- 霜天自由詩406-9-7
遠くにいる- 霜天自由詩906-9-6
名付け- 霜天自由詩1106-9-3
白夜- 霜天自由詩406-8-14
13- 霜天自由詩1106-4-16
下り車線- 霜天自由詩406-3-22

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