すべてのおすすめ
遠く見えていたはずの あれは
きみの思い
いつも 通り過ぎてゆく 雲のようだね
みずたまな くりりん まんまるね ふるるん はじけてみたのは
わたしの中の あなただった
どこへもゆける ぷりずむの 軌跡 のこして
思い出は語り部
小さくなった夕の背で眠りについた
子守唄を
遠い眠りに就いていた きみを起こしてしまったような
今日が なんだか 明日を待つより こんなにも 愛しいなんて
見上げても 見下ろしても
曇り空のむこう あおい あおい たまり
切れ切れになって揺らいだ想い出を抱きしめて小さくなった
今日の日は もう 帰らない
想う気持ちを 何処かへ 忘れてきたから
小雪
憧れていた
空を咲かせて居りました
敷き詰めていたので 海にも似たり
ほろほろ しょっぱい
夕暮れの街へ帰る人は嬉しそう
オレンジ空の向こうで待っている あの人に
逢いに行くのだそうです
しらしらと 明けの天の原 家々は行くように浮かんでいた
まぼろしの城跡 君を攫って
行きたかった それだけのことでした
遅い空に浮かぶ お月さまは おぼろ
ちりぢりの瞬きに戸惑いを覚えられましたのか
ぎこちなく上る
晴れ渡った あの空 だったかしら?
それとも 父が抱き上げてくれたあの空だったかしら?
母の 背中のあの空だったかしら?
おばあちゃんと見上げた夕焼けの空だったかしら?
悲しくて目覚めたら夜だ ....
その朝 北の窓辺のカーテンは ゆっくりと
大きな呼吸した
潮の香りは
「訪ねよ さすれば 息つく夜を捧げよう」
鳴く鳥に委ねた
わたしは
一日中 呼吸していた
呼吸する潮の香 ....
稜線の上は曇りの空
お月さまの赤ら顔
うつわに揺らぐ天の原をのぞむ
降らせて
賜う 夜空の星よ
降らせて
たもう 落ちてゆく
雨にもにせて
窓の向こう ほお杖ついて
しとしとしと いつ止むの?
忘れ物 風のいたずら 落ちて 悲しみ拾えずに
春だというのに 止まない 雨に
ため息こころぶん 落ちて ゆく
....
埋もれては きえてゆく 冬は にごりながら 春を むかえに 風は ふく
日にひに とどく たよりほど 待ちきれないと 知ってか 知らずか 風は ふく
水たまり ゆらゆら 白くのぼり 消ゆる
あたたまって 心 雲になるは ゆらゆら
申し送りの 風とともに 消ゆる
季節といえば それだけで 過ぎてゆく
はるかな る ゆらゆら