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二号館には
幽霊がいる


獅子のような尾を持った犬が
檻の内側から近づいてくる
わたしが檻の中にいるような
錯覚が怖くて目を逸らした

左側の夕焼けが
セキレイの羽音を焼き切る頃 ....
ピアノの調律を数式化した教室で
黒板に書かれた文字を
僕たちは理解しようとしない

故郷の水不足を報じる朝日
此方では雨が降るけれど
牛の鞄ではダムにはならなくて
蛍に逢いたいと
彼女 ....
{引用=

『たん純にさ、

 考えすぎなのかもよ。

 しん呼きゅうしてさ、

 だれかのうでに甘えてみるのも、

 たまにはいいんじゃないの?


 あんがい近いところに ....
振り返ったら
影法師しか
あなたの名残は落ちていなかった


雷雨が滑りこむ昼下がり

四角い白い箱の中
些細なことで
笑う
二匹の赤い鈴
あの日
パスタの蝶々結びが
{ ....
沙漠から取り寄せた砂を
僕たちは浴槽に撒く

言葉に塗布された意味を
一つずつ丁寧に
酷くゆっくりと落としながら
シャボン玉を
空間を埋めるために飛ばす

乾いた砂に埋もれた言葉を
 ....
ミンククジラのパンプスの中で
小さな金魚が揺らめいている

落雷があった駅からは
洪水が始まっていて
横断歩道の境界は灰に変わる

賭けに出る前に
豪雨の隙間ですれ違った少年は
折れ ....
「反対の階段下で待っています」
あなたの胸に蝶々が降りる



右耳に雫が一つ落ちるから、ワインのコルクは赤く染まる


幸せを謳う詩ならどこまでも響くものだと信じてたけど


 ....
野良猫が硝子扉の前で爪をとぐ
透明に遮られて佇む、
僕が手にしているのは猫の解剖写真

あぁ

ヘリコプターが{ルビ番=つがい}のように並んで行くね

鴉を追い払う小鳥の夫婦は
電線 ....
清算されない過去で
腐敗し始めた小指に
果物ナイフを突き立てて
基節骨の深い処に疵を入れる

白旗の揚げ方を知らないから
傷口を舐めた舌は赤く染まり

飼い慣らされて
飛び方も
 ....
網膜に映っていても見えていないそんなものは幾らでもある


見えなくて不安になっても本当は手放したくないものもあるから

早朝に裸眼のままで散歩する。眼鏡はどっかの鴉にあげた



 ....
{引用
=上からの目線は脅迫です
同じ目線は安心です
下からの目線は甘えです}


   小さな枝の陰に、
   小さな巣を作った、
   小さな鳥が、
   小さな卵を温めて、
 ....
名前は意味だ


狼を雌鶏に変えた鷲の嘴は
焼かれて煌く

聞いてくれ!と
散歩道で騒いだくせに
すっと黙るのは
卑怯者の群衆
{引用=

 森が育むのは
 夜という物体
 ....
わたしはうさぎになって
寂しさを抱いて、眠った
よく晴れた朝を迎えて
腫れぼったい瞼に苦笑いを零す
鏡に映る姿は
うさぎというより
醜い何かで
涙が眼球を傷つけていく
ことん、と音がし ....
{引用=deep-freeze
[動](他)
2 無期限延期[保留]する. }

小さな六畳間に溜め込んだ過去の残骸を
捨てる算段が立たない臆病者ごと
きゅっと纏めて窓から捨てる
海 ....
今よりもっと
空が高くて
今よりもっと
砂の中に潜む星を
見つけるのが上手だった頃

四歳の幼さで
舌足らずな
Ich liebe dich.

ドイツ原産の弟と話す為に
ひとつ ....
眼鏡を外し
全ての輪郭を奪う
青色の歯ブラシも赤橙色のオイル瓶も
銀色の蛇口も
緩やかに溶け出して
水の流れに混ざり

排水溝が渦を創り始める
わたしはその様を
掌に縋る抵抗で知る
 ....
父がくれたブタさん貯金箱に
思い出を詰めていく

新しい家に
わたしの部屋はない
巣立つ準備を婉曲に促されて
寂しさの余白が
無愛想なブロック塀で隠されていく
その白色は
この手で汚 ....
たくさんの雨が
パンドラの筺の、その奥底から降ったような夜
咳が止まらなくて
眠れなくて

今朝方ツクシが顔を出し始めました
と、一筆箋に書き始める

生物表記には片仮名じゃないと落ち ....
バレンタイン
伝書鳩も今日だけは
ハートのチョコを配達します



サメですがあなたを食べたりしませんて
彼は頬白、僕は甚兵衛



カメレオン
実はほんのり悲しいの
わたし ....
うにゃーとか
ごろにゃんとかで生きてみたい
そう云うあなたはナマケモノ



ハイエナが
悪者だなんて酷すぎます
一生懸命生きてるんです



ラブレター食べさせられても困りま ....
答えの見つからない黄昏は
何も語らず海に呑まれた
わたしはハルシオンを含んだまま
冷たい駐車場で{ルビ瞼=メ}を閉じる
柔らかな夜風が
アルコホォルの香りを運び
弛緩したピアノ線が
わた ....
夜、
左の肩甲骨に
小さな傷が生まれた
羽根でも生えてくるのなら
わたしはきっと毟り取ろう

朝、
柔らかい霧雨が降ってきて
わたしは傘を捨てた
強く責めるなら抵抗もしたけれど

 ....
兄の背中を見ながら
考えた

大きな体を丸めて
窓際の席でひとり頷きながら
形のいい耳に
壊れかけたヘッドフォン
六法全書をいちページ捲る毎に
くるっとマーカーを回す

デスクトッ ....
{引用=僕がチャーくんに出会った頃は
魚が飛んでいました
鳥が泳いでいました
月が溺れていました
太陽は寝ていました
僕の世界は笑うことを知りました


初詣に行く前に
チャーくん ....
老いた驢馬はゆくりゆくりと歩む
赤茶けた泥濘に蹄は重く
驢馬の道程に気紛れな心が曲線上に見える


{引用=黄昏時に直線は 物悲しいと私は思うのだ}
老いた犬が老いた驢馬に並び
二つの足 ....
{引用=357番の札をお持ちのお客様ー}


はい、睡眠口座の開設ですね
定期預かりにしますか
普通預かりにしますか

はい、普通預かりですね
いつでも定期に変えられますから
定期の ....
猫の眼を通って
新しい時空を覗き見る
混沌と静寂のメゾピアノ
僕の着地点が
其処に、在った


色々、ありました

とてつもなく
大きな罪を犯しました
あるいは
一番星みたく
 ....
美しき祈りを閉じ込めた
真っ赤なラズベリイケーキ
香り高きダージリンと
華麗なマリアージュでおもてなし

閉じられた心の隙間から
届けましょう
甘酸っぱい愛と鮮やかな赤、
そして祝福に満ちたカノンの調 ....
僕は犬です、わんわん
しがない犬です
一度主人を失いました
僕はもう仔犬ではなかったから

僕は犬です、わんわん
しがない犬です
先日野良の一員になり
金属に怯えるようになりました
 ....
僕には、
{ルビ鈴香=すずか}、{ルビ京香=きょうか}、{ルビ由香=ゆか}の三姉妹がいました
{ルビ次郎=じろう}君は彼女たちと一緒に暮らしていました
彼女たちにはそれぞれ次郎君の子供がいて
 ....
ぽえむ君さんの士狼(銀)さんおすすめリスト(39)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
あかい_ち- 士狼(銀)自由詩5*07-6-28
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創書日和「窓」__さよなら- 士狼(銀)自由詩11*07-6-12
レプリカ- 士狼(銀)自由詩19*07-6-3
合図- 士狼(銀)未詩・独白9*07-5-31
あさきゆめみし、知らない街で- 士狼(銀)短歌8*07-5-30
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風切羽根- 士狼(銀)自由詩9*07-5-6
朝の風景- 士狼(銀)短歌6*07-4-24
‐目線‐- 士狼(銀)未詩・独白6*07-4-16
アナグラム- 士狼(銀)自由詩11*07-4-11
- 士狼(銀)自由詩13*07-4-8
deep-freeze- 士狼(銀)自由詩13*07-3-26
舌足らず- 士狼(銀)自由詩20*07-3-13
素顔- 士狼(銀)自由詩9*07-3-4
ブタさん貯金箱- 士狼(銀)自由詩14*07-2-23
つくし- 士狼(銀)自由詩14*07-2-18
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たまには炬燵で寝たいんです- 士狼(銀)短歌21*07-2-6
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- 士狼(銀)自由詩9*07-1-9
永訣の朝に思いを馳せる- 士狼(銀)自由詩12*07-1-1
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深呼吸の時間- 士狼(銀)携帯写真+ ...8*06-10-24
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