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昨日が、夜の中で解体されていく



肉体だけを、濡れた風がばらばらにして
過ぎ去り、それでもまだ鼓動は 宿る



わたしが必要としているものは
わたしの内部の、底辺にあって
 ....
遠ざかる夏の約束今さらに水たまりに咲く蓮の鳴き声




失ったものなどひとつもないような ちいさな津波のあとのリセット




くちづけで透明なピリオドを打つ始まらないままの第一 ....
{引用=
きみがとなりにいて、まつげの
触れるくらいとなりにいて それは
おどろくほど退屈で いとおしい
午後で}




きのう、オジギソウが発芽して
日記にそのことは書かなかっ ....
水深5キロメートルの恋に落ち プールサイドで墜落する午後




砂浜の午睡からうつら目を覚まし すいかの縞の波に溺れる




ピーラーで削がれ半裸になりしきみ 水にさらせば ....
ねえ、ブランシュ、
あのとき
あなたが越えようとしていたものがなんだったか
今のわたしにはもう
それを知る手だてもないけれど
あなたはいつも わたしの
理解の範疇をこえて
日常のただしさ ....
油染みだらけの記憶のわら半紙提出期限をとうに過ぎ去り




透明なグラスの底を目にあててきみの星座を見る白昼夢




あの夏にきみが投じた問いかけのこたえをさがす 波のまにまに ....
ヘッドフォンから流れでる星を聴く白む空に祈る午前5時



昼過ぎの日ざし出窓の水槽でスプリングして七色プリズム




空の手前でカーヴしてはくりかえす「はなれたくない」ロケット旋 ....
雷鳴にかきけされてく「さよなら」と微笑みながら消え逝く夏よ



画用紙の上でちぎれんばかり手をふるは向日葵それともきみか



欠けてゆく月も満ちてゆく月も紙一重に映す海鏡


 ....
深くまでつづいている
いつか見失った道の先にある、森で
夏の日
ぼくたちは、生まれた


頭上には空があった
ぼくたちと空の間を通り過ぎてく風があった
ふりそそぐものは、光
光とも見 ....
金魚鉢かすめる涼風の行方知ってか知らずか手招きの夏



逝く春の背中押しつつ背中からはじまるアブラゼミの{ルビ時間=いのち}よ



きみがたわむれてた波ならひとすくい両手ですくって ....
 平均台の上を歩くみたいに、生きてる


 両の手を横にのばして、バランスをとる
 あせってはだめ
 はしるなんて、なおさら


 足もとばかり、見ている
 けど、前を向いたほうがキ ....
わたしは、ほんとうは楽譜なのです
と 告げたなら
音を鳴らしてくれるでしょうか
指をつまびいて
すこしだけ耳をすましてくれるでしょうか
それとも声で
わたしを世界へと放ってくれるでしょうか ....
 水たまり広がる波紋に耳すましきみのリズムでやってくる夏



 砂浜に置いてきたもの捨てたものロケット花火と添い寝する夜



 8月のリップカールのてっぺんで届きますよにぼくのメロ ....
手をつないで
深いところまで、いってしまった


引いてゆくまにまに
記憶の砂がすれあっては
かすかに音をたてる
ノートブックの波に
毎日つづった、日記
夕立ちをよけて、キスをして、 ....
夜の手のひらに
背中を押されて
チラチラと散らばる
港の明かりを見下ろしに
いつもここへ来る


デパートの裏の階段にすわり
わたしたちは
寄り添ったり
ときどき 無口になったりし ....
前も後ろも
音はなく
深く深く まで
たどりつきそうになる

手や足や
髪の一本一本が
光る砂を撒き散らしては
まぼろし

忘れたように見えることと
忘れたこととは
ちがった
 ....
伸ばした腕の先の
手のひらの先の
中指の先っちょが
触れるか触れないか、
のところまで
夏が。


列車を待つ顔たち
照らす陽射しの角度を
知ってか知らずか
右へ傾く


 ....
気がつくと きみは
魚になってしまっていたので
ずっと
きみを知っていたのに
はじめて見たような気さえした


望遠鏡をのぞくと いつも
波がよせては砕け
飛び散る


セロハ ....
重たい表紙を開くと
『夏の項』だった


限りなく続く
かのような 草っぱらの
ずっとずっと向こうから
薫風に押されて
あるいは 乗って

バラ色に染められる
その足跡


 ....
ふるるさんの望月 ゆきさんおすすめリスト(19)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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そんなふうにして過ぎていく- 望月 ゆ ...自由詩56*07-5-25
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ブランシュの丘- 望月 ゆ ...自由詩24*06-3-10
教科書を、閉じる- 望月 ゆ ...短歌37*06-3-6
【短歌祭参加作品】_追伸_:_さがさないでください- 望月 ゆ ...短歌1405-11-14
夏のフィラメント_- 望月 ゆ ...短歌15*05-9-25
ビオトープ- 望月 ゆ ...自由詩37*05-7-24
泡立つ未来- 望月 ゆ ...短歌23*05-7-16
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メトロノームの夏- 望月 ゆ ...短歌37*05-5-30
かなしい、さかな- 望月 ゆ ...自由詩25*05-4-30
跡白波- 望月 ゆ ...自由詩15*04-6-28
夜光虫- 望月 ゆ ...自由詩2*04-6-21
朱夏- 望月 ゆ ...自由詩9*04-6-18
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架空少女事典- 望月 ゆ ...自由詩4*04-6-13

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