すべてのおすすめ
あの頃
私は叙情の生き物で
君の全てが詩歌であった


差し出された手の平に
丁度良く収まる
この手を乗せると
合わさった部分は
いつもほの暖かく
淡い色合いの空気が
ぐるり ....
今日 キミの夢を見た
もう居ないくせに
「いつも見てるよ」と言うのだ

薄曇の外光が窓から入り込んで来て
中途半端な空間を作るので
夢の端っこを掴んだまま手放そうとせず
意識が行った ....
  「愛あるいは天使のような」

どこまでも続くかのように広がる
白樺の森を抜けて 僕は行くよ


アナスタシア 揺り椅子で眠る
君の失った右足の膝下に
赤い 赤い 靴を置いた
は ....
空になった米びつを
流し台下の収納から取り出すと 初夏
扉裏から日陰がやって来て
「今日は暑いですね」と作業を急かされる


10キロ袋の角を少し切り
よいこら 持ち上げてから
う ....
蓋を開けたオルゴヲルの回転軸につかまって
羽の付いたお人形の足が
ルラルラ踊る


君に会いたくて
君に 会いたくてね
手を離して
一緒に飛んでしまいたい


箱の内側には白 ....
庭に植えた橙(だいだい)を
隣のいい年頃の娘が じぃと見ていた
熱視線で家が燃えるわい・・・
と小声で冗談を言いながら
剪定ばさみを手に持って
「家のは少し酸っぱいんだけどねぇ」
と呼 ....
四角い鳥かごの小鳥を
人差し指という小枝へ導く

みなみは細く圧迫される指を
目線まで上げて
「この部屋も 鳥かごみたいね」と言う
秋とは名ばかりのあやふやな風が吹き込む
窓辺に吊るした ....
コッペパンを3分の1
残して 思案する
枝豆とチーズを少し
小さい親指で ぎゅぎゅっ
と 押し込んで
可愛い子 口角が少し上がっているね

『よくできました』◎

「ちゃんと食べ ....
白薔薇よ 白薔薇よ
僕の下で 咲いておくれ


うつ伏せで溶けていく熱い腹に
鋭い棘を突き立てて
僕の赤い 
  赤い懺悔を吸い取ってしまえ


ベッドサイドには 欠けた花瓶
無 ....
  ヘンリー 私の膝の上でお眠り
  窓辺に当たる雨の音を聞きながら
  
  時々は 可愛い耳をぴくんとさせて
  解った振りをしてくれれば いい

  ひとり言を 話すから

 ....
赤い夕日が広がって
誰かの背中が燃えている

ゆっくりとオレンジ
急ぎ人が赤々と

今日の日よ さようなら
夕食の炎と共に
醜い私達 燃えてしまえ

赤い夕日が広がって
誰か ....
干乾びた小動物の
骨を拾って土に埋めた
湿った赤土の上を
ゴム製の靴底で踏みしめたから
今度生まれてくる時は
強い動物になるのだと思い込んで
きつく きつく 手を合わす
仕来たりなど ....
 春子はミントの葉を散らし
 踏みしめている 半睡眠で

如月 彼女の足の裏は
いつも薄緑に染まり
徐々に褪せていく
まるで季節を旅しているようだと
裸足のかかとをくぅと縮め
まど ....
  「修行」

午後には温かくなる体
ベビーピンク の爪の肌
血が通いましたよ 私


今日も祈るように手を合わせ
指先に軽く接吻する
上瞼は慈悲深く閉じられて
朝靄の消え行く間に ....
あなたの花開くようなお口へ
鈴の音の鳴る金のスプーンに
一さじの杏ジャムを載せて
含ませたいの 
とても穏やかな様子で
わたくしの はやる気持ちを隠して


柔らかな顎に そ と手 ....
 この町が余りに寂しそうなので
 一人遊びする 例えば


跳ね橋の上でドリアンが食べたい

皆に嫌われているので
誰も居ない明け方食べたい

橋のあっち側に好きな人がいるから
 ....
 にゃんにゃこりんの にゃんにゃこにゃ〜
 にゃんにゃこりんの にゃんにゃこにゃ〜

どこからか鈴の音と 日向が窓辺に
秋祭りだろうか 風にあんずの匂いを乗せて


午後三時 コタロがお ....
  (誰かが泣く夜の 月は足跡だらけ)


夕立の30分後の車の下の
猫 濡れねずみで
のの字にくるまり
もうすぐ月のやって来る夜


あの子の心根から
零れ落ちましたよ リン と ....
男を好きになる度に
彼女の体から火薬の匂いがするの


情熱はジリジリと 
へその下から入り込んできて
体中を燃やして行くのよ
 だから いつも
骨の焼ける匂いのする
彼女の手を ....
言葉を乗せた花びらの
来る上空から
甘い香りが立ち込めて
手の平は夢遊にひらめき
高く 高く 開くよ


ワタクシの生きた
気の上で回れ 花吹雪


ら行は霞んだ空を瑠璃色に ....
ああ、男は36階の屋上で
誰一人居ない 屋上の一角で
この世の切なさと
この世の厳しさに
ゴクゴクと酒を飲む
だが、しかし
不本意にもああ、不本意にも
足を酔いに取られ
誤ってフェンス ....
「お土産は、何がいい?」と
聞かれたものですから
私、何とはなしに
「らっきょう」と答えたの


お父様とお母様が夕食後に奏でる
小気味良い音が好きなのです
ぽり ぽり ぽりり
 ....
 あれは、あの感じは何だろうねぇ。

桜並木を見ていると
足元が軽くなるねぇ。

そのまま気持ちを持ってかれそうだねぇ。

淡い桃色の真綿が降ってきて
体ごと包み込んでは
ふわぁ ....
朝焼けに燃え尽くされて 空  
「熱を帯びたから、私行くわ。」
そう言うと 彼女の全身から
冷たい汗が吹き出したのだった。


憶えているのは 丸い尻
しっとりと 揉んだ
憶えているの ....
 ブルガリア

ローズ・オイル摂取する
あなたとならば
触れ合いたいのよ
手を繋ぎ 
じわり濡れゆく
感情線から恋愛線へ
薔薇香水は
流れ 流れて




 黄 緑
 ....
  (本日の天気・九官鳥曇り)

天気予報士が少しくぐもった声で言った
昨日の予報では
(スズメのち晴れ)
小さなさえずりは 集まって
高音と 空へ抜ける
清清しい朝に撒き餌して
集ま ....
  切り絵(題材)
   「少女」



ただ真っ白い紙でした 私たち

切り絵師は 無を有にする
柄に美しい細工を施した
銀色の先端鋭いハサミで
すんなりと手足の伸びた
可 ....
昨日 切り捨てられた廃線の
駅 構内には
まだ暖かな気が
そこら中に点々と赤味を帯びて
揺れ立っているというのに


朝に 幕
夜には 鉛の月影が
ゆっくりと光りを奪っていくのだと
 ....
大きな街のお空には 
本当の空は無いと言うのに
太陽が高く射す昼休み
呼吸をふーーと吐き出して
皆が窓を開けた
深呼吸する時間 一斉に


大きな街のお空には
化学記号が飛んでい ....
理科教室のカーテンの陰
ビーカーに入れられた
子供の悪戯とクロッカスの球根
こっそりと 育つ日々



昼の太陽 夜の月
揺れる隙間から漏れる
光りの栄養を貪りながら
薄情な薄明か ....
ふるるさんの千月 話子さんおすすめリスト(69)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
私達の美しい獣- 千月 話 ...自由詩25*09-4-15
キミノコエ- 千月 話 ...自由詩21*08-10-24
「僕の村は戦場だった」を傍らに置いて- 千月 話 ...自由詩8*08-8-30
お米をこぼした日- 千月 話 ...自由詩12*08-7-21
清月の薔薇- 千月 話 ...自由詩8*08-5-16
ご挨拶- 千月 話 ...自由詩10*08-3-20
小鳥の巣- 千月 話 ...自由詩8*07-9-21
帰りの道の少女- 千月 話 ...自由詩12*07-8-28
クランベリー_フラワー_ソング- 千月 話 ...自由詩4*07-8-7
輪廻の雨- 千月 話 ...自由詩24*07-6-15
背中- 千月 話 ...自由詩16*07-5-8
ひと夏- 千月 話 ...自由詩20*07-3-28
桃緑- 千月 話 ...自由詩18*07-2-15
気功師になれるかもしれない- 千月 話 ...自由詩13*07-1-13
ナイチンゲール- 千月 話 ...自由詩18*06-12-7
ドリアンの正しい遊び方- 千月 話 ...自由詩14+*06-10-27
おタマヶ池- 千月 話 ...自由詩12*06-10-6
月と黒猫- 千月 話 ...自由詩13*06-7-19
戯れ- 千月 話 ...自由詩22*06-6-22
宮廷詩人- 千月 話 ...自由詩10*06-6-4
落下する男- 千月 話 ...自由詩14*06-5-18
薔薇と_らっきょう- 千月 話 ...自由詩24*06-4-12
桜_幽玄- 千月 話 ...自由詩8*06-3-29
月を抱く- 千月 話 ...自由詩8*06-3-15
香り_触れよし- 千月 話 ...自由詩11*06-3-6
あぁいを_叫ぶ!- 千月 話 ...自由詩12*06-2-21
少女は感情移入する- 千月 話 ...自由詩14*06-2-13
終着駅から始まる眠り- 千月 話 ...自由詩14*06-2-1
懐かしの詩- 千月 話 ...自由詩15*06-1-23
花監禁- 千月 話 ...自由詩14+*06-1-14

Home 次へ
1 2 3 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する