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あの頃ぼくは若かった
世界を知っているかのように
ヒーローは間違いなく
ぼくの味方だった
太陽は
抱くべき
自然そのものだった
強く打ちよせる波を
いくつも
こえて
本当に大切なも ....
依存するものは
降りてくるものではなく
自身のみだと
知っているから
翼はためらって
陽光のみを
私たちの生活に射しいれて
劇的に変わる瞬間など
望まないまま
強固につながる
過去 ....
砂に流されて
つつつっとはさみで支えても
知らん顔の風は共犯なんだ
波といっしょにさらおうとするから
ぼくの未練は
黒い小さな瞳にぬれて
もつれてしまうように
ころころころげて
夕日に ....
とんがったボトルに小さな君ねむる ベビードールに打ちあけた、なにを?
約束をしたのよ彼と桃の花咲いたらたがいに傷見せましょうと
スギ花粉とんでるよほらマスクして、子猫うなじにく ....
こわれてもいいよって
ヒツジがさみしく笑った
夕方の風にのせて
少しなぐさめてあげたい
鉄棒の影が背中に届くと
校庭は静かに冷えていく
ハーモニカを吹く少女よ
クローバーは伏し目がち ....
雪だるまの背中に続く足跡に「おうちに帰ろう」白猫が鳴く
去る音がしんしんと行く雪道のはなせない手のさすらう体温
欠けていく月に答えを見失う車窓にゆれる横顔抱いて
午前三時 ....
はためいてシーツに薄い陽光が 子どもの声に混ざり合う午後
その染みは一夜限りの葡萄酒の 漂白剤も消せぬ痛みよ
おしゃれ着かどうかわからぬ衣取り 迷えば君はいつもエマール
格安で引 ....
やせ細る少女を思い涙する
骨折は思いのほか傷を残し
温度差に涙して
闘争する心に触手を伸ばせず
仮想の砦に
立ち尽くすのみ
廊下のタイルの光目に痛く
見舞ったあとに
「大丈夫だ ....
ねえ見てと振り向く空にグラデーション 薄雲染める街の憂鬱
焼きたてのチーズスフレと君の肌 銀のスプーンを舐める気持ちで
ゆるしてるもうゆるしてる新井君ブルースリーになってもいいよ
動 ....
廃墟に近づく夜空け前
駅前広場は声をひそめたまま
ふたたび静寂を抱えはじめた
闇に消えた男を
まだ見つけられない
煙草の煙こころ細く
呼吸は白く立ちのぼっていた
階段のわきにうずくま ....
買出しで子どもに紛れスーパーで 食材よりもツリー見る君
酒コーナーあとでいいのよ 味付けも肉も魚も決めてないでしょ
シラタキも糸こんにゃくも振って君 「私マロニーじゃないとだめなの」
....
賭けのために娘ひとりに声をかけたのも
その娘が遊びつかれていて
しかもひどく傷心だったことも
雨がちょうど降ってきたのも
折りたたみ傘を広げて中に入れたことも
アンクレットの些細 ....
マイク投げ ガッツポーズに 毒舌も ヘアケアポスター 可愛い素顔
二週間経った卵を食べていた 過去事もなげ 人気司会者
芸人の 真似はずしてる 合コンで 笑いで口説く コツほのめかす
....
片目をつぶったまま手招いていた
あの手は深い茂みに
罪はきれぎれに悲鳴をあげ
花びらのように降りてきた
見知らぬ吐息
濡れていくはかない枝葉
果実は強く芳醇だった
無防備に口にと ....
鳩のような鳴き声
黙々と低速のまま刻む
くちばしの先 空虚な言葉
予定どおり人々は流れゆく
スローモーション再生
喧騒は未だ破られることなく
しらじらしさ 微光を放つ
吐き気がする
....
返すべき メールの数は多かれど 返す言葉は見つからぬまま
赤ちゃんの 乳吐く写真添付して 件名「顔射」 母になりても
アドレスを 女のために 全消去 「あれで友だち減ったんだよな」
....
腕を手にとって くずれる千鳥足 星はあそこに 私はここに
ただ猫と 話がしたい 冬の日に 男の気持ちは わからないねと
囁きと RedJeans まだ香る 指先重ねた 夏の終わりに
....
努力するなんてばかみたい
とあなたは言いました
でも私は
努力する人が好きなんです
ひたむきさは
けっしてむだではないんです
知らない顔して見守っていたいんです
....
毛羽立っているのも気にせずに
永遠に着古してしまいそうだから
新しいジャージを買ってあげよう
うんと肌触りのいいやつを
味付けの配分がわからなくなって
調理器の前でしかめ面をするので
....