青春
陽向

青春という言葉に詰まった意味も分からず青春を送り
ただの焦りでもただのと思えず 後ろばかり向いて前を求めていた
明日なんて知らないとそんな言葉を涙目でいう その意味すらも分からず
深い何かによって必死で呟いたその言葉でさえ なぜかとてつもなく浅い響きに聞こえた

心は辛い時ほど感動するって聞いたことあるけど
そんな幸せになったやつが言った言葉には一つも感動しなくて
きれいな景色を見ては分からなくなり 花を見ても自分とは違うと目を逸らす

青春 青いがゆえ春が来ない とため息つけば
何かで見た世界では必ず最後には幸せになるという設定で
一人じゃないんだよと誰かが懸命に叫んでいた

だけどどうだ! 言うまでもなく一人で そのような設定だとは思えない
その世界では辛い場面では涙さえ流していたが その時はもう涙さえ出なかった

あの頃は良かったと言われている全然良くない青春が終わり
体から何かが抜け落ち 羽が伸びるという感覚を味わった時
ほっとしたため息とともに
「青春が終わった」
と呟いて その言葉の響きに胸を染み渡らせる
「何 今の方がよっぽど青春だぜ」
と とてつもなく軽くなった心から今までにない深い響き

きれいな景色なんて興味なかったのに心を躍らせる
花びらは散るものじゃなくて今ではきれいと言える
青春ほどの難問はない と誰かの言葉に分からずとも感動し
未熟 未来に熟すと前向きになれば
ただ生きていることさえもすばらしく思えた


自由詩 青春 Copyright 陽向 2014-08-11 19:33:04
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