漆黒の
闇の静かさに
潜むもの
余白、一拍
風吹き抜け

傘がない
貴女に逢いに行かなくちゃ*
街はイルミネーション
降りしきる
雨、冬の

開ける海
初めてみた
その広漠 ....
午前八時、
朝の散歩に出る
アパート二階の戸口にて、

冷気、顔面を刺し
意識、ハッと
覚醒し
見上げる
空、

あおくあおく
ただ青く

ふぅと息吐き
この世界の一角、
 ....
静かさ、束の間
病む身を包み

虚脱、ただ受け容れ

穿たれた時の窪みに
静観し疼く肉、埋める
あけるよる
べろんとかがやくたいようの
まなざしにとけ
のまれゆく
ししゃふるししゃふるひかりのうみ
およいでおぼれてすっぽんぽん
むきみでうちゅうをわたっていく
さいはてのちにていみう ....
理科の授業で実験のある時に限って
やたら目を輝かせていた小林くんは
セイタカアワダチソウの
蹂躙する広場で消息を絶った
缶けり鬼の高く蹴り上げられた缶は
とうとう落ちて来なかった
少し遅れ ....
白い巨人、大股で
光の天空、過ります
ゆっくり流れ
両手を開き
夢の形象、生動し

この世界は形象で充ち溢れ
僕らはそれらを嬉々と読み取る
この世の未知なる顕れに
次々時の輪郭、浮き ....
灯り消え
夜闇に
鎮まる
街、家々

わたしは
独り寝の床、
整え
眠薬服し
蒲団被る


人は毎夜、
深い眠りに
恒星たちの
うた、聴く
という

意識失い
光 ....
とおくのびていく
声、
ういういしくかなしい

静かさの相貌を帯び

わたしは失なわれた
ふるさとを想う

ふるえながらふるえながら

明日のことは
誰にもわからないから

 ....
冷える肉にて開けた朝、
青い空はまた初々しく

哀し、

雨降り夕に待ち続けた人
今最果ての地にて生きる
肉の苦痛に、薬飲み続け
意識の乱れに、酒呑み続け

ええい、ええい!

すべては消え去っていく
すべては過ぎていく

無常を貫く一本の矢、
それだけを掴みたいのだ
そのための日々の ....
荒々しい
牙、剥き出す
夜の闇に

わたしは待っている、
再び閃光走るその時を
たましいに沸き立つ、
イメージを

竣立し輝く岩峰を

荒々しい
牙、剥き出す
この夜の闇に
 ....
肉体の滅びに
生きれる時間、限られて
意識進化にやれること
日々、持続し忍耐し
内面深く未知を掘る

物、在り
静か鮮明に
漆黒の闇に浮き上がり
何か絶えず語りながら
認識される瞬 ....
あこがれ、
朝に目覚めて
濡れ光るアスファルト、
無数の影、映し
進む時間

傘、さしたり ささなかったり
遠い山並み、蒼く連なり
冷たい風吹くなか
人、忙しい営みに生き
傘、さし ....
意味が剥離して
淫靡な亀裂、
多淫な破裂、
花咲く陽光の丘に
記憶の忘れ物
じぶん、行方不明

深い眠りに
意識は跳躍し
眠りのなかに
覚醒する
聖なる次元、
巌の輝き、
直 ....
頑なな寒さ、訪れ
肉の冷徹、巌の如く

今日は曇天にて
その裸体を曝す一本の立ち木、
通り沿いに在り
擦れ違う人、背を丸め
街の電飾、青く一層輝き

私の意識は今、明晰にして
季節 ....
俺も彼と同じで
結構なヘビースモーカーなんだけどさ
どうにも最近
寒いせいかノドの調子が悪くてね
痩せ細った病人みたいに咳き込んでは
挙句にはコントみたいに声が裏返っちゃってさ
それがなん ....


蒼い蠍のブローチは
母の思い出
宝もの

魚藍に集めた梅の花
隠して生まれた
宝もの

蒼い蠍は見続ける
移ろい変わる
我が家族

ときおり夜中に
目覚めては
父 ....
熱、奪われ
肉身冷え切り
日は暮れて
行を重ね
狂うを正す

荒い息
日々続く
静と乱
合間を縫って
己を観る

ひょっこりと
内から現れる
その像を
今一つの
現と感 ....
青みがかった朝の空

毅然と独り、浜辺に立つ

群れる者達、エゴイズム

逃れ、打ち寄せるイメージの波

浮かぶ宇宙の漆黒は

思考の光に照らされて

眩む映像、生動の渦

 ....
久々に晴れた夕、
庭先に赤々と
一筋の光跡伸び

沈みゆく太陽の
夜闇に領されながら
落とす燃える死者達の眼、
徘徊し始める黄色い犬を追い
鬩ぎ合う剥がれ始めた境の残像、
闇と光の配 ....
光の朝に天高く
突き抜けた青をトンビが舞う

東京郊外にトンビ、飛ぶ!

あの、
高々と大きくのんびりと
旋回しながら舞い飛ぶ姿、
記憶の底から間違いなく

朝の輝きを光源を
よ ....


蒼い蠍のブローチは
母の思い出
宝もの
魚藍に集めた梅の花
隠して生まれた
宝もの
蒼い蠍は見続ける
移ろい変わる
我が家族
ときおり夜中に
目覚めては
父に伝える
夢のなか
へ ....
冷たい風、
心を吹き抜ける

ミッキーマウス、
笑ってら

過ぎ去る時の感傷と苦痛、
年の瀬に乗せ

今夜は暖ったまるんだ、
あなたの声に包まれ

優しく激しく、
熱は肉を抱 ....
石化した待合室で蝗が飛ぶのを見た
複眼で分割されたぼくが
次々と風化されてゆく
風の中に散る秋の花があって
単線の枕木は草草に食べられている
薄暮という暗さの中で
祖母の大きな輪郭を覚えて ....
おじいさんの毛糸帽子、
先っちょの球が揺れ
寒さに震える頭が傾ぎ
白い髭に霜降り模様
時の最中を彷徨って

十二月の一日、

青く瞬く街の電飾、

帰郷するには早すぎる
哀悼する ....
北陸電力が
家庭向け45%値上げ申請とは
本当に驚いた!

何か
数字の間違いかと思う程の
凄まじいインパクト

かくして
電力会社の宣伝に乗せられて

オール電化にした人たちは ....
夕べに小雨、
待ち人あらわれず

肉は冷え切り
床に伏し

深い眠りに
底は抜け

聖なる宇宙の
内よりぽっかり

今宵限りと
銀河をわたり

輝く恒星のうた
耳澄まし ....
朝に雨、やみ
空気、冷気を孕み
熱持つ体、気だるい一歩

人々は駅へと集積し
多淫な花々は身を隠し

岬の断崖に打ち寄せる高波、
泡立つ潮の激したうねり、

通勤快速内の無言の厚化 ....
雨が
少しばかり
降った夕、

庭の裏手から
ぬっと現れる
太陽、

凝視する

私を笑う
海、

青に黄金に

風は吹き
おまえと向き合い 対峙する
玄明をおもえ
機械ではない というなら

暁のはじまり 風のない
すべてを包みこむ 巨大な闇空
十二月 ひとつの満月
裸足のまま突っ立っていた

 ....
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