ノイズまじりの、
奇妙な音の群れ が内耳を通過し、
撹拌 しながら襞を、 這い回る。
声にならない
壁の向こう側 壊れた楽器たち ....
雨が降っていた
こころの雨が
青空が広がっていた
うちゅうの青空が
雨も青空も澄んでいた
異様に大きな紫陽花の花房が
熱風に揺れて光っていた
それはこころとうちゅうの境だった ....
曇天が
肉の激痛を包み込む
濃密な青の紫陽花が
熱風に揺れている
後頭部が脈を打ち
心臓は早鐘だ
わたしの自我が震えている
わたしの自我が震えている
一段高い生を掴むため
た ....
分かってるな? 奴らに取っちゃ俺たちは食料でしかない。いやそもそも食料という概念など奴らは持たない。俺たちは奴らの身体システムのオートマティックな衝動に取っての同化対象物・包摂対象物でしかない。奴らは ....
落下していく
陽の光が
雪降る宇宙に呑み込まれるとき
青い芝生の上で
独りは独りと出逢い
あなたはわたしに必要なすべて
と、かすれた声で言う
未完成
蜜柑のせいにする君の
端から帯(おび)に
交わる夜空
今さら、リークしましょう
海上自衛隊の潜水艦と、思っていたぜ
オレこそが潜水艦と叫んで散った男の話
オマエの潜水艦、黒々したゴキブリ(じょじょう)死
私は戦えない
怒らすと飛 ....
うちの猫と意思の疎通がなくて難渋している
トイレのそとにそそうはするしダイニングのテーブルで爪をとぐ
妻と意思の疎通がなくて難渋している
彼女にはトーマスマンの魔の山のような療養所が必要だ
....
酷い耳鳴りだ
眼底に激痛が走り
脳髄を直撃する
たましいは何処にも行けず
ただ曇天の光が拡散する
肉に縛り付けられ
肉に縛り付けられ
荒い息を繰り返す
暗く深い井戸の底で
わ ....
ぎらぎらと陽が照っている
草木が緑に燃えている
世界はゆらゆらと揺れている
折しも二匹の紋白蝶が
絡み交わり輪を描き
白々と視界を過っていく
いったい何処へ行くのだろう?
自ら描 ....
やさしい
やわらかな
音に包まれ
反復のうち
落ちてゆく
夢の底
青い波、残響する宇宙
たましいのふるさとを歓び
肉の苦痛から解放され
ただひとりに戻る
蝋燭の炎が青白く燃 ....
手押し車を押す老人
たいまつの火は燃えている
異郷のこの地にひとり立ち
遥かな地平を凝視する
わたしはふるさとを持たず
同じ道を通い帰る
痛む脳髄を密かに抱え
それは静かに歩いていく ....
こころころころこころころ
こころはころがるころころと
不思議なおにぎり食べたとたん、
こころがおちてころがって
ほっぺもおちてころがって
たくあん食べてお茶のんで
あちこち探してみたけれど ....
ひとりの月が穴を穿つ
地球のでこぼこに
孤独な肉は
激痛に裏返り
あなたとわたし
夢をみる
虚空に向かい
美しい悲鳴をあげながら
黄昏に沈む太陽の輝きを
僕ら、掴めるか
それは
永遠の光芒だ
肉の痛みの隙間を見つけ
意識の深層に分け入る
記憶が渦巻くイメージが波打つ
遠い声が懐かしく響き
ひび割れた過去を繋ぎ ....
どうせなら
うんちまみれの
人間になつて
みたいか清貧な人
かすみ草が
軽口をたたくように
洗濯物は風に揺れて
迷うことはよいことだと思う
右頬をつたう涙に
うつらないせかいがあるとは
全くもって知らなかった
紫陽花色のかなしみには
ちょっぴり ....
昨日いつもの爺ちゃんにあった
知り合いでもなくても知り合いみたいな人だが
やがて僕もこういう素敵な爺ちゃんになってゆきたいと
僕は自分の歴史しかわからないし
時々前後も混乱するのだが
....
人は直線ではない
多次元曲線でも証明できない
存在は無と背中合わせの実存
人は根源では人を識ることはできない
皆さんご存知のように、人類はバニーガールとそうでない人類とに分けられる。そうでない人類も時間をかけて徐々にバニーガールになっていく。それは老若男女を問わない。まあ男女を問わないってのは、これからの人間 ....
美しい旋律が
肉の激痛を洗う
対極が宥和を促し
浮遊するたましいを
肉は縛り付ける
執拗に
脳髄にテツスイを
脳髄にイカヅチを
肉の激痛に
引き裂かれ
日は沈んで
わたし ....
今を静かさが支配している
静かさは私という不安を抱き留めている
私は静かさのなかで震えている
静かさのなかですべては始まるから
静かさがすべてを支配するから
私は吐きそうになりながら ....
今日は雨降り、光るタール
行き交う人々が音もなく去る
冷え切った身体は光を求め
今日一日の反復を思う
ナニカガなにかを越えていく
積み重なる郷愁が
未知なる世界への ....
脱色された
独りの夢の光景を
激痛走る眼底に、夜な夜なみる
甘美な不安に誘惑され
背後に控える兵士の顔は灰色
迷走する宇宙に終わりはなく
僕を自由にして、僕たちを自由にして、
不安に身を ....
すべて、滅びるために
すべて、花開くために
人は永遠の登攀を試みる
高みへと
森の眩暈するような紫陽花の青のなか
陽が落ち夢という夢の宝石箱が
辺り構わずぶちまけられるまで
....
からだが冷えている
外は雨だ
アスファルトは黒々と濡れ
行き交う人々はそれぞれの目的地を持ち
僕はただ震える
季節は梅雨
何も無い不安に僕はおののく
僕は此処に留まらなければならない ....
なんにもない
向こうに
何かがある
王国は滅びゆき
魂の故郷は常に輝き
孤立は一掃され
孤独は俊立し
私たちは
ともしびを失った亡命者
脳髄の導火線に火をつけろ
脳 ....
塵ひとつない部屋を平安と呼ぶのであろうか
齟齬のない生活が選択したじんせいなのだろうか
僕にはわからないのであなたに問いかけてみるのです
なんとか生きていますとりあえず生きています
か ....
荒涼とした
この地に独り立ち
おまえの傷ついた足を洗う
地獄にも似た静寂が辺りを覆い
暴威の呪われた異邦の声が響く
冷えた原色の広がり、渦巻く虚空の闇
おまえは微笑む
い ....
有名人の自死が相次いでいる。
コロナ渦以降特に、最前線で活躍している芸能人が、
突然何の前触れもなくという形での訃報にはとてもショックを受ける。
そして訃報記事やテレビのニュースの末尾には、 ....
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