無理矢理に二度寝させても午前五時
我が心の熱若者のまま
何処までも澄んだ声が響く
この夕暮れ
西の地平にうっすらと
青いシルエットを晒し
富士が佇む

明日は大雪、底冷えする夜

仲良く手を繋ぎ
お眠り、子供たち
夜を手球にとるほどには柔らか過ぎて
愛を味わうほどには幼なすぎる真理子

きみの歌を聴こうそれからふたりで
誰かのためのレクイエムを奏でよう

地球の形をきみに説明する能力のない僕は
厳 ....
赤ワインと睡眠薬
その助けを借りて君の腕の中へと戻る
安っぽいセックスと悲しい映画
その助けを借りて自分の居場所へと帰る
君は頭がどうかしているんだよ、多分
手紙を送り続けるのはやめてくれ
 ....
朝、温めたミルクの上の薄い膜に
ちいさな子どもたちの
つけた足跡を見つけると
その日、いち日中
胸の奥で
ちいさなサーカスが
開演するので

すこしうるさい
水回り修理500円から

なんて
よくよく考えれば
あり得ない安値なのに

急いであせって
だまされて

恐ろしい業者に
トイレ詰まりなんかを修理させたら
もうおしまいだ

 ....
詩人はたまに発掘される
死人はときたま以外には埋葬される

しょーもない音楽が僕のちからならば
ときどきとおるきみの声がとてもいい

貫通しないトンネルはいまもあって
とても大好きな僕の ....
何もかもが
ゆるされていくような
冬のおわりの鍵穴を覗くと
幼い春が
喃語でつかまり立ち
(あ、ぶぅ。)
ひらかれてゆく胸のうちでは
とても鼻のきく仔犬が
雨をより分ける

雨上が ....
空は晴れて
沈黙している
僕はぼろぼろの大地を進む
目から草木の緑を喰って
僕はぼろぼろの大地を進む

地球は退化しつつあった
死は迫りつつあった
一条の光が震えていた
僕はベストを ....
帰る場所はないのです
しんしんと降りしきる雪に
身も心も冷えきって
帰る場所はないのです

底の底で揺蕩うわたしの
向き合う時間はあとどれくらいだ?
ゼイゼイあえぐたましいに
残された ....
おれは、あんたがたもきっとそうにちがいないが、
おれたちは世界を体験させられている
それを強制というのかどうか知らないが、すくなくともおれは
おれがどうしたいかなんて尋ねられていないはずだ
拒 ....
冷えきった
孤独が敷き布団の上で
待機する
砕けた空、深夜の悪夢
見知らぬ人が出入りして

青みを帯びた夜の溶解は
哀しみの渦に霧散し
見知らぬ人が
心の廃墟を弄んでいる

やが ....
血のつながりを絶対化していた時代は
過ぎ去った!
跡取りもいなくなった!
また、一時期愛が血に取って代わろうとしたが
幻想に終わった!
今は家族は
何でつながっているのだろうか
お金だろ ....
誰もが寝静まった頃に目覚めて
なにも知らない深夜を想う
遠く漁り火が燃え
家族の団らんを照らして
消えいくものの虚脱を誘う
みな失い命さえ危うく
それでも残っていくものは何かと問い
虚無 ....
晴れた日に
息子と二人で海を見にゆく
私の背などとうに追い越して
何食わぬ顔をして
乱反射する水面の光を
キラキラと浴びているやつだ
いつの間にか
通過する季節を跨いできたね
海に突き ....
ひつじ雲はあんなに夕陽に映えて
街の建物はみなオレンジ色に染まり
見知らぬ異国になってゆくのに

君はやわらかに目をつむって
まだ見ぬ海の語りに耳を傾けている
僕には微かにしか聴こえないか ....
なにも知らない、
何一つ知らされていない、
わたしという存在が
億万年の彼方から送り出され
今日の宇宙を仰いでいる

あゝ天晴れ、
わたしは躍る
この地上にて
何一つ覚えず
何一つ ....
ちょっと待ってね
という間に五行は終わって
つぎの五行を考えている暇人は
たぶん僕ぐらいだろうな
五行の緩さがとても好きです
夜を飾る女が闇のダンスの指南役で
秘密の原始をあじわう

夜間飛行の天使はときどき行き先を喪って
微かにきこえる古いブルースに耳を傾けている

闇のスケルツォは楽章をかえても
いつか交響 ....
作りかけで壊れた
断片を繋ぎ合わせ
星のように祈った

暗がりから白手が伸び
祈りのカタチを崩していく 

後腐れのない別れ、転がる骸

哀しみは億万と木霊し
形態は次々と破壊され ....
ひらひら
くるりくるりと
舞いおちてくる

ふわふわの
わた毛のような

さらさらした雪たちが

どんよりと曇った
天空と

銀世界の
地上のあいだを

見わたす限りいっ ....
お花があって
それから
けむり?
雨ふりの森の中みたいな
ちがうよ
びゃくだん!
くすくす
しっ!
こえだしちゃ だめ
おそーしき?
そう
おそーしき
ぼわぼわって空気が
静 ....
世界に一時許されて
震える個体が風に吹かれ 
世界の荒野を抱いている

夜がまたやって来る
夜がまたやって来る

震える個体は薄暮のなか
遠い遥かな夢を紡ぎ
光の時を待っている

 ....
ふくよかな体つきのサウンドが
自らに重なり溶けて
一瞬青ざめ
ゆっくりと身をもたげる

擦れる不協和音と伸びやかな声
夢の中に解放され
雪原を転げ廻りながら

記憶喪失の通行人のよう ....
流れ星のように
想いに、
ことばが降ってくる
それを書き留めようと
ことばを反復する

あいうえお
かきくけこ
さしすせそ‥‥
――ちがう、
そんなことばじゃない

もっと赤く ....
「廃墟/光」

その人は
十月の淡い光がこぼれている
窓際に立っていた

下生えを啄む鳥たちが
驟雨の後に立ち去った庭で
透過性の
グラン・ジュテ
軽々と
その人は
超えてゆく ....
上辺1下辺2の台形がある
XからYに行くためには
台形を通過しなければならない

クラスメートは、
みんな上辺を選択して
ぼくは下辺を選んだ

ぼくは30年かけて
Yにたどり着いた
 ....
薄暗い
漠然と広がった
空間のなか
台形の
ノッペリとした
大人の背丈半分程の
鉛色の工作機械が
等間隔で何台も
一列に並べられている

大きな金属音があちこちから
互いに呼応す ....
薄日の差し込む朝に
解放する、
深い夢から目覚めて
根無しの不安と歓喜を

うっとりと溶けていきながら
うっすらと薄い膜を張りながら
大地から切り離されていたタマシイが
朝に新たに覚醒スル

妙な浮遊感、
冷たい大洋に浮かぶ裸木のよう
(そして耳許に残るサウンドに陶然として)
長い一日という荒野に戻っていく

全部ア ....
田中宏輔さんのおすすめリスト(6879)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
臥薪- 足立らど ...短歌322-2-10
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真理子- マークア ...自由詩322-2-8
依存症とパラノイア- ひだかた ...自由詩4*22-2-8
サーカス- ちぇりこ ...自由詩522-2-8
地雷を嗅ぎ分ける- st自由詩322-2-8
アウトバーン- マークア ...自由詩622-2-8
立春- ちぇりこ ...自由詩722-2-7
旅路- ひだかた ...自由詩522-2-7
ノー・プラン- ひだかた ...自由詩522-2-6
別に明るい意味では使っていない未来から射す光に向かって進んで ...- ゼッケン自由詩122-2-6
孤独のトポロジー- ひだかた ...自由詩422-2-5
家族- zenyama太 ...自由詩2*22-2-5
夜想- ひだかた ...自由詩522-2-4
灯台- ちぇりこ ...自由詩822-2-4
海の開演- 壮佑自由詩9*22-2-3
名無し人- ひだかた ...自由詩522-2-3
五行詩- マークア ...自由詩9*22-2-3
闇のスケルツォ- マークア ...自由詩522-2-3
- ひだかた ...自由詩1222-2-2
雪の舞い- st自由詩422-2-2
good-bye- ちぇりこ ...自由詩822-2-1
薄暮- ひだかた ...自由詩622-2-1
アムニージアック- ひだかた ...自由詩422-2-1
ことば- atsuchan69自由詩4*22-2-1
秋〜冬/短詩群- ちぇりこ ...自由詩922-2-1
ぼくの30年間- 足立らど ...自由詩522-2-1
〈根源悪〉の原体験/異邦の恐怖(改訂7)- ひだかた ...自由詩622-1-31
モーニング・ベル- ひだかた ...自由詩422-1-31
この朝に- ひだかた ...自由詩422-1-31

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