黄色の帽子被り
時の坂道に向かい
遡り走る走る
子らの笑顔叫声、
このアパート一室
狭隘な玄関口に
はち切れ溢れ流れ

点火するこの瞬間に 、 

脳髄破裂し
生誕する新たな私、 ....
 「近頃、米や油が大変高くなって皆困っているよのお…。」
 
 「まこと、この物価高で。俺達よりイワシの方が健康状態良いのでは
  ないかな。」
 あぐらをかく膝に丸くなっているイワシへ 
 ....
今朝の音楽は短調ではなく長調が似合った
何時もの苦い珈琲が何故か甘く
正確なメトロノームが響きあって
ぼくたちに奇跡の扉は開いた

あまりにも透明な
薄く虹色に染まったシャボン玉

誰 ....
ぬめりほぐれぬ二頭の
一頭の方の悪魔、
アーリマン*と称されるアクマ、

感覚される物質ノ
世界次元を唯一とさせ
生命・魂も無機物質の産物とする
(肉体の誕生と共にソレ生まれ
肉体の消 ....
向こう岸に行ったことはない
ずっと地元で暮らしている
此処が特に好きなわけではないが、気になるほどでもない
何かを諦めた訳でもなく、ここで何かをやりたいわけでもない
なんとなく成り行きでここで ....
夕の近付き、 
庭先に出て仰ぎ見れば

純粋な思惟という力

突端に突き刺さる
曇天どんよりと
時の丘陵崩し

脳髄という鏡さっき割れ
あれ?もう考えれ無いハズ

なのに、
 ....
 下弦の月が冴え
 よく冷える晩のこと

 「おい、炬燵とは豪勢じゃないか!」

 浪人が、長屋の玄関の戸を開けて
 迎え入れた友だちは羨ましそうに言う
 煮炊きする へっついの傍
  ....
冨の神を崇める教義では、
あなたの身体と魂は誰よりも清く
その清い身体のために、
毎朝オレンジジュースを飲む

また、あなたの美貌のために
幼い夢を祭壇で屠り、鮮血を啜る

既に世界は ....
 これは季節感のない冷蔵庫
   一定の地位を占めるドライフルーツは罪なのであります

森の中で目覚めたまま立ちつくす僕のハムストリング
                          ....
いすらえるぱれすちな
いらんあめりか
うくらいなろしあ
けれど先ず
我が内に戦争在り



我が内に巣食う
悪魔の住みつき
我が内に
外なる悪魔の作用し
悪魔と悪魔に飽く迄我戦 ....
わたしはしもべ
かしずく石角を探している
あなたは月
欠けては丸み
レイとムイの中を結ぶ

ここは静か
塞がれた霊道の人気のない洞穴が
ひゅうひゅうと現世の暖炉を廻る
あちらからしか ....
それはこれのパクリやんて続けたら
いつのまにか独り

パクリでもすがりつきたい
みかづきのはじ

新月になれば落下する

不時着し
さがしもとめた
蜃気楼から
かきならせさけべ
 ....
郊外の夜
白い途に独り居て、
海辺の唸る光景
ふと浮かび、

 耀く光点

夜の青みに浮き上がり
白い途の先に拡がりゆく

〈だいじょうぶ、大丈夫だから進みなさい〉

澄み渡る ....
 「あら、この通りじゃ見かけない顔ですね。」

 近江屋の厨の隅
 水桶や たらいが置かれる陰にしゃがむ
 おきぬの頭上から覗きこむ おゆう
 
 「そうだよね。今晩の連れは、ちょいと痩せ ....
半熟の
玉子を潰す
愚か者


子供らの
夢を潰して
何を得る


テレビでは
テロップ流し
手を出さず
半熟玉子のような弱い存在が握り潰され
報道は状況だけをテロップで流している
ぼくができることはマンスリーサポートくらいなもので
あとは早期終結を祈るだけ

月並みだけれど人はみな兄弟姉妹だ
 ....
砂浜に書いた言の葉 夏の夜
波打ち際に 微妙なときに
 雑穀問屋の土塀の瓦に寄り添う 
 何やら神妙な顔つきの
 ふたり
 
 「あんたって、かわいそうなのね…。」
 目尻がスッと伸びて色気のある
 白猫 タマ

 「そうでもないさ。君に ....
遠さの感覚に目眩する
夕の地平は波打つ黄金

時の弛緩、凝縮の一点

佇立し打ち震える我、
沸き立ち溢れ来る
無穹に貫かれて
歯ミガキ、
センメンダイのカガミをとおして、
ハッケンされた、
すこしだけフクザツなキモチ、
歯ブラシを、
口腔にサシいれて、
なんとなくナマナマしい、
キミのセイカツの音、
じゃぐち ....
 「俺は三両の、ねこだ。」

 河原の橋の下
 腹空かせてぶっ倒れている
 トラは 小声で
 それを自分に言うとのっそり
 起き上がる

 「また、その話か。耳にタコだぜ。」
 側で ....
大きな話題に(天災だとか、歴史だとか、戦争だとか、生命だとか、地球だとか)ばかり目がいってしまうと小さな大切なことを疎かにしてしまって日々の生活が雑になってしまうと考えて生きている人達のなかには、だか .... 陽に焼けた褐色の肌を晒した少年は
海の深さを恐れずに
コバルトブルーのうねりに逆らいながら
遠くの大陸を夢みて泳いだ

その汗は海の水に溶けてゆき
何処までも 何処までも 泳いだ

ア ....
昼に真紅に咲き誇り
その余りの濃密さ
異様な様相、
ガーベラの花冠
夜に黒ずみぐにゃり萎び



静かに笑う君は
穏やか天真爛漫に
笑い静かさ
気付けば
ふっと自ら白く消え
 ....
秋の到来に
夏の滾る熱が鎮まる。

高く濃くなる青の空に
漆黒の死の予感が孕まれる。

気付けば冬の冷気が
秋の優美な透明を強張らせる。

夏は冬の最中に
すっかり身を委ね、
凍 ....
皐月の若葉が茂る
木漏れ陽のベンチの下

隣のベンチには文庫本を読みふける少年がいた
たぶん少年が連れて来たのだろう
6㎏は越えている太ったブチ猫がいる

ぼくは遠慮がちに隣のベンチに座 ....
 「どう、あんたも。旦那様が飲んだ出涸らしで、お茶入れてきたわよ。」

 女中部屋の粗末な座卓に
 不似合いな 黒砂糖饅頭が五つも
 「どうしたの?コレっ。」
 目を丸くする 飯炊きおりんへ ....
 河原の橋の下で
 目を廻してぶっ倒れている
 トラ

 「どうしたんだ!お前。気分悪いのか?」

 そばへ寄って来る
 ホームレス仲間たち
 「そういえば、ここ数日…奥さん見掛けんな ....
 ある日
 河原の橋の下
 まだ うす暗いうちに

 藁蓆で作った擦り切れた叺を寝床にして 
 潜り込んで居るトラが
 目を覚ますと
 「うわっ、大変な雪だ!」

 彼の脇腹に頭を埋 ....
退屈な

陽射しのなかで

本を読む
田中宏輔さんのおすすめリスト(5216)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
生誕- ひだかた ...自由詩4*24-2-15
のらねこ物語_其の八「裏長屋」(ニ)- リリー自由詩6*24-2-15
虹色の結晶- レタス自由詩10*24-2-14
一頭の悪魔- ひだかた ...自由詩4*24-2-14
向こう岸- 空丸自由詩6+24-2-14
出来事- ひだかた ...自由詩524-2-14
のらねこ物語_其の七「裏長屋」(一)- リリー自由詩5*24-2-14
サクリファイス- atsuchan69自由詩17*24-2-14
WAKE.UP.TO悪夢- アラガイ ...自由詩12*24-2-14
五行歌、戦争という存在- ひだかた ...自由詩524-2-13
ここは静か- 由木名緒 ...自由詩6*24-2-13
- wc自由詩11*24-2-13
幻影の奧処- ひだかた ...自由詩8*24-2-13
のらねこ物語_其の六「アワビ皿」- リリー自由詩4*24-2-13
世情- レタス川柳3*24-2-13
祈り- レタス自由詩4*24-2-13
作品- 足立らど ...短歌324-2-12
のらねこ物語_其の五「三両のねこ」- リリー自由詩5*24-2-12
貫かれて- ひだかた ...自由詩5*24-2-12
歯ミガキ- 本田憲嵩自由詩924-2-12
のらねこ物語_其の四「振り返れば奴がいる」- リリー自由詩6*24-2-12
森を感じながら木をみる- 足立らど ...散文(批評 ...2*24-2-12
少年- レタス自由詩5*24-2-12
五行歌、異様- ひだかた ...自由詩524-2-11
春、夏、秋、冬- ひだかた ...自由詩324-2-11
- レタス自由詩4*24-2-11
のらねこ物語_其の三「イワシ」- リリー自由詩5*24-2-11
のらねこ物語_其のニ「プライド」- リリー自由詩4*24-2-11
のらねこ物語_其の一「銀世界」- リリー自由詩4*24-2-11
午後には- レタス俳句1*24-2-10

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