夕暮れが来て
昼間高曇りの空の下
白っぽかった街並みが
闇に呑まれて行き出すと
高く豆腐売りのラッパの音、
響いて意識は遥か彼方に
散逸しながら
飛んでいく
遠い過去と遠い未来、
....
一日一つかふたつインターネットに書き物を投稿している
それを家族は知っている
だけどね
何の関心も示さない
だってさ
それは幾ら掘っても何も見つからない宝物探しのようなものだから
家族 ....
底冷えする
夜に横たわり
祈っている
迫る闇が咆哮し
幾つもの夢が朽ちるとき、
心の奥処の祭壇に
火を絶やすことなく
灯して、灯して
)不眠の夜を透過する
)遥か純白の雪を待 ....
化粧しているおんな
していないおんな
スカート履いてるおんな
履かないおんな
性に餓えたら
どっちでもかまわない男
性事は本能だけれど
性愛は不可解
政治は
投票の結 ....
カップラーメン 菓子パン コンビニ弁当等など
そんな物ばかり食べていたら
健康も人生も灰色になるってよくよく知ってしまったから
極力コンビニには行かなくなった
コーラ ジュースなんかには砂 ....
なんにもない なんにもない地平に
ポカン ポカンと突っ立って
何から始める?
何かが始まる?
うっとり広がる灰の空
黄色く変色した桜の葉
遠く横切る烏が二羽
空の心が凍っている
....
先日
うっかり忘れてマスクし忘れスーパーの店内に入ってしまったら周囲からの凄い視線を感じて慌ててポケットから取り出したマスクで口を覆った
申し訳ない、これでいい
とココロで謝罪しながら買い物を ....
夕闇迫る川沿いの道、
君と並んで歩いた道、
一人は一人を置き去りにして
一人は一人で立ち止まり
今頃裏庭に降り積もる
雪を静かに眺めている
)孤独なのはわかっていたさ
)どんなに身を ....
風に振り回され
壁にぶち当たり
人に踏まれ続け
雨にびしょ濡れ
僕は誰にも読まれない詩
優しいおばさんが
ぐちゃぐちゃの僕を拾うと
めんどくさそうに広げ
外れた鼻眼鏡で
じー ....
女の温もりも
家族の団欒も
過ぎてすっかり独りである
風が吹き
途方に暮れて
確かな予感を持ち独りである
遠くの森のざわめきが
夜空に木霊し未知を紡ぐとき
私はひたすら独りで存 ....
ふわふわ漂い
ゆっくり落ちる
金の花びら、
わたしは貴女を知らなかった
[磯の香 、 零れる光滴 、 白波の残響]
あの青い青い宇宙の大海原を
貴女は幾人もの従者を連れ
喉を震わ ....
美しい川に美しい水が流れていた
美しい川岸には美しい花が咲いてる
美しい村を美しい山並みが囲み
美しい家々には美しい人々が棲んでいるに違いなかった
景色の全てが美しいと
何だか辛くなった ....
おんなはおとこの子を身籠る
おとこはおんなを孕ませる
子はおんなの胎内で
その養分で育ちながら産まれるときを待つ
零から始まる何ものもない
生命もまた
零から始まってなどいない
....
四国の方へ行って来ると
昔の君は言いました
僕は不安で尋ねました
いつまで行って来るのと尋ねました
すると君は言いました
ずっと行って来ると言いました
僕は淋しくなりました
....
おんなの乳房と先端の乳首が昂ぶるのを見せられたら
おとことしてどうなんだ?なんて
冷静に観察してられる訳がない
性の衝動は本能の領域
アクセルとブレーキの調和なんて
到底無理だから
....
がっこうの鉄棒にぶら下がって必死に見上げた空
何度挑戦しても逆上がりは成功しなかった
でもねそんなの数学といっしょ
難しい計算式なんて生きていくのに何の役に立つのさ
数学者にでもなるな ....
名指され得ぬモノ
今刻々と
降っている降っている
*
獣の声、
響いていた
死者の声、
響いていた
師走も遂に走り出し
怒涛の静けさ霊園墓地に
ほのかやわらか木霊した、
....
陽の照る日、日は冬日、あかるい日に、
日の陽の光の広がって
あたりいちめん純白の原
ときはとけてうずをまき
めくるめく永遠の瞬間を
垂直に切り開いていく
陽の照る日、日は冬日、あか ....
異性の友だちが欲しい
彼女が欲しい
彼氏が欲しい
それらの要因は性的欲求にあるらしい
何処かでえらい先生が語っていた
あんたに言われなくてもわかってるよって
だけどさもっともっとロ ....
この世の中の平等も公平も綺麗な紙に包まれている
封を切って中身を開いたら酷い有様
全ては自分を中心にした優先順位が発生してしまうからだろう
唯一かけがいのない存在
血の繋がり
無二の ....
みんなが笑っている
みんなが怒っている
みんなが泣いている
朝に 昼に 夜に
やるせなくて
どうしようもなくやるせなくて
夢は終わっていく
人生は続いていく
地球が廻り ....
秋の名残りの
ひとしずく
庭の木に
ひとつ残った
もみじ葉の
夜露に濡れた
別れの言葉
そっと
グラスを近づけて
琥珀色の
芳醇な香りを
楽しみながら
....
とっくに
日が暮れてしまった
今、正に
俺はこの白い部屋で孤独を貪る
完璧な自由
ハ
完全な孤独
冷える今宵に
エアコン壊れ
ますます真っ白に
ナッテイク
行き場なし
....
かなしみの
青が降る
透明、
ただ透明に
なっていく
己の体
幾億もの幾兆もの者達が通った道
途、未知、溢れ
枯れ果て、移行する
光の奥の
ふるふる震え揺れ
時の間隙縫い
開く ....
サヨクではなかった
かと言ってウヨクにもなれなかった
左でも右でもないなら
真ん中か?と
聞かれても
解答にに窮した
あっちでもなければ
こっちでもなく
そっちでもなかったから
....
ちりちりと
肌刺す冷気に
包まれて
詩を書く、詩を打つ
この夜陰
街には霧雨
降り続け
終わることない
哀しみが
記憶の糸を
濡らしてゆく
(糸はすぐに冷え切って
逗留すべ ....
黄昏時に
夢見る子供のように
今一度
両眼を見開き
身体中で
風を
感じる、感じている
気圏の底から湧き起こる
あの聖破璃の風を
追いかけ吸い込み広げては
開ける世界のパノラマに
....
月見草
銀に揺れている
透明な水流になびき
引き寄せられ
傷んだ身体
俺は引きずっていく
引きずられていく
寒風吹き荒ぶなか
青、蒼、碧
陽光余りに眩しいこの真昼
俺の ....
前兆を後から気づいて何になる湯船にプカプカ遺体浮かんだ
酔いどれて歩いたらしい電車道轢かれた人が妻の叔母とは
叔母さんの一人暮らしの家整理郵便受けには不幸の手紙
俺の嫁従兄弟自ら命絶 ....
かたくなに抱かれる事は拒むのに
熟れた柿熟れない柿に枝垂れる
学童らのマスクの列も季節なく
ハイウェイ掛かる橋から身は投げぬ
かたくなにマスクをしない人がいて
性を買う行 ....
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