この夜、この時

鮮明、際立ち
あるもの
ひびくもの
それぞれ
そこここに
在る

名指される以前、

それぞれの位置に
落ち着き静まり
それぞれの
在るという
意味なき ....
たましいの
まえをよこぎる
くろいかげ
こしょうした
にくたい
はやくも
とこにつき
こおり
ぎりぎり
かみくだく

ひとのたましい
いろんないろいろ
それぞれのときを
い ....
溢れる
溢れ出る

溢れ続ける、

はばたく花に
脱落する意味
言葉戸惑い

揺れる幽霊、
河童の踊り、 
走る死人、

波打つ無
懐かしいよ
なんだか
とっても
透 ....
広いあき地がある
酒を飲みすぎた
あき地の中にふらふら入ってみる
そこは入っちゃダメだよ
声がする
あ、すみません
あき地から出る
家の方向は分かる?
バカにするな 分かってるよ
と ....
水を得た夜空です
夜には澄んだ真水がある
手をのばして
触れようとすると
逃げてしまうんだね
小さな星に隠れた
君の息づかいを聴いていると
とても静かな胸の内では
真水が溢れてくる
 ....
あぁ勝手に
うごめく思考の内
痛む眼 硬直する脳髄

ひたすら氷噛み砕き

溢れ出す
言葉、表し

耐える
今宵この時、

熱 呼び戻せ
熱という実体

固体液体気体の
 ....
叫びながら舞う女
光の庭に
ひとり居て
ことば
渦巻き喘ぎながら

喉を震わせ吐き出される声に
意味はたじろぎ光に呑まれ
舞い狂う女の
光の庭
時 失う

感覚の光
思い出の ....
俺はあした温泉に行くだろう
上司のどんな長い説教よりも耐えかねる
熱い湯とその沈黙を買いに
俺はあした温泉に行くだろう
事務所の背もたれとしてはまったく機能しない岩肌
そのまったく気づかいの ....
過ぎ去りゆくもの
囚われず

力動するもの
捉え

悪魔の手のひらで踊る、
神の懷に入り澄み渡る、

貴女の醸し出す
吹き荒れる熱、

巻き込まれ力みなぎる心魂に

わたし ....
暗闇のなか
戸棚上の天井傍、
わずかに開いた扉から
のぞく闇の奥、
蠢いて蠢いて蠢いて

なんだろう?

暴力的な亀裂、入っていく
白壁は躍り呻き毒を吐き出し
どよめくような粘着質 ....
やっと海についた
こうやって見ると海は広いな
海へと続く階段を降りる
砂浜に脚がつく
さくさくという音がする
サンダルだから砂が足に入ってくる
海に太陽の光が反射して
つぶつぶの光が目に ....
「アケ烏。」

・休み明け朝陽がカタカナの発音でやってきたので/遮光/

・朝陽じゃなくって朝陽の真似をした烏の鳴き声だったので許容


「精神論」

・サドルの無い自転車を授けよう ....
ひーこら、ひーこら
引いていく
この痛む肉、硬直する肉
千の耳鳴り
あえぎながら嘆息の声漏らしながら

  *

「この病気、眼瞼けいれんですか?神経障害性疼痛ですか?それとも薬の副作 ....
こころの奥底、
眠るふるさとは
誰もがやって来た処
記憶という不思議なもの、
どんどん遡ってふっと浮かぶ
ぼぅとひろがる子宮の向こう
言葉の以前、言葉の以降

緑の草原に赤い花、ぽっと ....
思考せよ、と
言えば
空は思考する

空は私の鏡だ
私は空の鏡だ

心は平穏、
肉は硬直、

今宵、空は濃く青く
木星、揺れかがやき

わたしの思考を紡ぐ なにものか

 ....
かっぱかっぱらった
ふたりかっぱらった
ふたりであいあった
ふたりろまんちっく

夜空、
見上げ
河童
ふたり、
止まった時に
言葉散らし
響き合い
通じ合い
交わり合い
 ....
予定もいれられず
酒も飲めずに
三日寝たろう
寝正月
響き、

光球となり
流れ込む、

わたしに
わたしの内部
なにかナニカ
に、

なつかしく
するどく
あこがれ
覚醒させ、

ソレは最初から鳴り響いていた
気付かなか ....
新年、

天空、一段と青く
街、まばらな人影

しずまりおちついた心に
じんじん苦痛の肉、滲む

わたしはやっぱり相変わらず、

絶望もなく希望もなく
ただ心の志し、貫き
この ....
とてもしずかな夜です
そう感じ取る、
波立たない平静な意識があります

疼痛もしすがに続き
布団のなか、氷を噛み砕き
疼く肉に少しばかり耐えながら
真っ直ぐ進む時間という存在、
今はそ ....
ほんとうに、
たいせつなものは、
かたちを、
とらない、
いつも、
うしなって、から、
はじめて、
たとえば、
じぶんの健康のかけがえのなさ、
のように、
まるで病室の白いカーテン ....
大晦日の夜に
優しく柔らかく
時、過ぎゆく

時の響きに耳澄まし
包み込む心の平安に
遠い街の灯を想う

雪降る、雨降る、晴れ渡る
北の国、南の国、西の国、東の国
この夜、等しく深 ....
・チューリップ模様の宇宙船に乗って
あの娘はやってきた
ぼくたちとは違う匂いがした

・はじめまして
あの娘はクラスの女子たちと握手をする
女子たちの手のひらから
チューリップが生えてき ....
内から溢れ出る力動、統御され

貫く、

信じるチカラ

鳴り響く音声の降誕、

私たち、深海に沈み進化の途、
純白の認識の未知 行く生く

流出する熱、悟性を焼き尽くし
思考 ....
包み込まれた熱、
柔らかに放射され
愛、
どすんと降って来る

わたしのなかには
悪魔と神様、住み込み
哀しく焦がれた眼をした
少年がその均衡を保ってる

ずっと深みへずっと高みへ ....
色褪せた
夏の恋
後退する
波風

響き生きて
響き息づき

傷づき
生きて
荒れ狂い
生きて
混沌
混濁
紅い旗に
揺れ歪み

世界は響き
世界は破壊
貫かれる ....
向かいの家の
瓦屋根は光の帯、

女の真白い背中の
剥き出しの肌は芽生えの筋、 

死んだ宇宙が新しい宇宙へと開かれ

地球の営み、
星々の営み、

太陽は死者たちの力にみなぎり ....
「風の強い日」

ぽっかりと空いた
鳥の空洞に
冬を詰め込んだら

あんなに高くなるんだ
街で暮らす人の目は
うつくしい等高線を
描き出す
いつの間にかの
水溜まり
天気予報 ....
哀しみの野獣、叫んでいる
巨大に赤く染まった富士山に

ひらひら はらはら 舞う想い
貴女はあの日、遠い坂道を落ちていった

深まる夜に 肉は冷え切り苦痛、波打ち

哀しみの野獣、鋭利 ....
あなたの空に
雨は降り
震えながら
明日はない
と、
今宵だけ
あなたの胸から
流れ出る、
遡る時間
失われた記憶

寝台列車が発車する
カンカン鳴る踏切警報機、
幾つも幾つ ....
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