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薄鼠色の空
雨を見ながら温泉に入った
背後は鬱蒼とした山々
纏い付く滑らかな湯
一人きりの湯場にはしゃぐ
足音に振り向くと
こんな平日
こんな辺鄙な所に誰 ....
かじった果実に
金の糸が伝う
紅い唇から
滴り落つ果汁をぬぐおうともせず
ゆるゆると過ぎるとき
甘い夢の続きをみようと
人々はまどろむ
昼の白光を惜しんで
風は凪ぐ
太陽が笑う
ふ ....
自らが今に充たされて居れば
何処迄もいけるのです、
ひと ひとりきりになり切れば
何処までも生けると云う
確信に充たされ
斜面を滑り落ち宙へ身を投じる
捲る頁の一枚に無限の紋様 ....
ひとりになっても踊りましょう
息絶えるまで詩いましよう
さらば 我が愛
我がこころ
雨や洗えよ 我が胸のうち
人は
誰もが思っているのだろうか
愛は苦痛だと
誰もが知っているのだろうか
生きることは難しいと
凍えていると
滴り落ちる血が
なんと甘いことか
私は夢中で
その血を{ルビ貧=む ....
死の灰の雨は止まない
月でさえシェルターに入っているのに
地球のシェルターは破壊された
薄いレインコート一枚で
世界を変えるために
本の頁を繰る
知恵は生きのびる道をつくる
もうだいぶ灰 ....
☆
大人になってから
自分ばかり見てしまうようになったね
☆
あの子の仕草とか
男だから真似しちゃおかしいんだけど
どうも好きで頭の中で繰り返し学んだりさ
★
あの ....
アジサイのつぼみポッポッポッ
小さな丸い輪郭集まりこんもりと
無数それぞれの速度で目覚めつつ
芽吹き咲き開く前に色付く青の
進む時の刻みに雨を受け 、
濡れそぼりつのどやかな
何も ....
きみの柔らかな手のひらで
冷えた肩を包んでくれたなら
ぼくは大空を舞う鳥になる
高く 高く どこまでも
澄みきった空を目指し
青く溶けて自由になれる
やがてあたりは暗くなり
たくさん星が ....
{引用=
ああ、星野さんの『たんぽぽ』のおかげで、きわめてミクロな白い天使たち、天使たち、あの明るい青空へととても穏やかな風に吹かれながら飛び立ってゆく、飛び立ってゆく。その両の手には種子というただ ....
モンスターの徘徊する
この夜陰、
ドアをそっと
静か大胆に開け
差し入れる足首の
ほっそり真白く美しく
あいかわらず 、
お綺麗ですね
慣れて居るから
大丈夫です
....
私のそばには
いつも猫がいた
花いちもんめであぶれたとき
チロは寄り添って眠ってくれた
(3才のとき無理やり抱っこして
怒ったチロに顔を引っ掻かれ
爪痕が残ったのだが
....
二人の影を照らす
月明かり
朝まで踊る
私はここにいるって
感じさせて
やめないで
音楽がすごく良い
秘密のビート
挿し込んで
私たちはずっと
朝まで踊る
朝まで踊る
....
おかー さーん
夜飯
漫画読むちょー
おかし
あ、ピアノ
勉強めんどくせー
明日もがこうだおー
とー ちゃ ん う ぜー
りんごたべた〜い あ
きょー ....
今日は月曜日
朝から色々色々色々
そんなこったろうと思っていたけれど
こんな日は自分をもてなす
蒸しパンを蒸かす間
烏龍茶を淹れる
私の茶壺は
茶色のぽっ ....
あの最悪な男。
俺等はあんなんならんわ。
なあ、そうだろ?
数年後
あの最悪な野郎。
俺等はあんなんならんわ。
なあ、そうだよな?
十年後
あのろくでもないやつ。
俺 ....
怒り心頭、それぞれに
それぞれのたましい
誰ものたましい
えごいすと
怒り心頭、戦い絶えず
自らの魂の為に
他者の魂
傷つけるを厭わず
他者の魂と
競うことだけ好み
勝ち負けだ ....
黒ずんだ血の色に充ちた眼球を抱え
自らの肉に怒りのイカズチ振り落とし
引き裂かざるを得なかった
貴女の 真上、
ただひたすらにすきとほる
絹の天空の
果てしなく拡がり奥まりいき 、 ....
まだ泳ぎ方も知らなかった
プールの青
透明で冷たい
頭から飛び込んだんだ
息を止めたまま沈んでいく
足をばたつかせるけど
やり方はそれで合ってたのか?
全然わからない
今このま ....
私的錯綜の最中 、
寝入るのに必要なのは
光の帯、
音響の細やかな拡がり 、
寝入ったまま死が訪れても
それそれら、
混迷の此の世を照らし
突き抜け輝き鳴り続け
薄っすら導 ....
何が愛なのか
比べられなくても
輝かなくても
感じとれなくても
どこかにある
あなたの愛を
見たいと思っても
闇に溶けてしまう
不確かなもの
美しくしなやかな
あなたがいるだけ ....
あゝ海が拡がった
無限の大洋、無限の揺蕩い、
水の水の水の水の
波立ちうねりざわめき囁き
巨大な静かさの懐かしい生動 、
囁きざわめきうねり波立ち
広角の意識視界の移動ゆるり弛まな ....
四角い窓から月が見えた時
この頃だったなと思い出す
琵琶湖の西
鯖街道を通り
原生林を間近に感じるログハウス
まだ肌が艷やかで
自分が美しいと思い込んでいた頃
....
どうしてそんなに速く走れるの
私には出せないその加速度に
憧れて うらやんで 熱狂し 嫉妬して
歩き出す 涙を流していても
どうしてそんなに深く{ルビ理解=わか}るの
....
こんなふうに、結局のところわたしたち似たもの同士だし。こんなふうに、流れ、うずまき、ぶつかりながらまじりあい、あわだつ分子のひとつひとつだし。
ペイズリー柄の緑色の安いバンダナを買いたかっただけ ....
蛾蛾蛾、
長い長い年月の、
土とホコリの溜まった、
そのアルミニウムの窓枠に無数に繁殖するに至った、
その、ちいさなちいさな三角形の飛翔体、
蛾、
蛾蛾、
蛾蛾蛾、
蛾蛾蛾蛾蛾蛾、蛾蛾 ....
韓国の大統領選
野党の人が勝ったみたいだ
大統領の人
みんな眼鏡をかけてるし
みんな似てる
またそのうち逮捕されて
失脚するんだろう
それでも大統領になりたいんだな
....
今日も、毒をあおって死んでいく
馬鹿者が愚か者が、己の本当の自分、識らず
まんまのまんまでいつしか瞑目眼前に光り輝く
黄金色の一筋また一筋、光帯の谷間から射し込み
一気に伸び拡がる 次第に赤々 ....
挨拶しても
返事はない
吹き出しに
見えている
心の声だけ
饒舌なんだ
好き嫌いで
仕事が滞る
そんな感情
無駄な時間
仕事効率化
できないよ
怒る気にも
なれないよ ....
ハンノキハムシ、
小豆大ほどの、ちいさな黒い甲が秘めた、
爽やかな初夏の訪れを告げる、
まるで宝石質のように美しい、その青びかり、
葉を噛んでゆく、作業を放って、
框ドアのアルミのサッシを、 ....
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