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若いなあと思いつつ同じフレーズでまた泣けるフジファブリック

花を抜くのも潔いのが名ガーデナーらしい

ビスが一つ落ちている。もう元の場所には戻らないだろうな

歩行者一人行かせて不満げな ....
海に向いた拡声器が知らせるある漁師の死

車の目前に降り立った白鷺にも母の話は途切れずに
黙々とボールを蹴る子冬木立

小さき鉢の菫に冬のひかり憩う

水平線を折るその指先から飛び立つ折り鶴
散る音も転がる音も枯葉らし

寒のみを老野良猫に感じたり

木枯らしや葉っぱ転がる二歩三歩

{ルビ皸=あかぎれ}が嫌がらせする小指かな

ランナーを真似てか岸辺走る鴨

それぞれ ....
🎅 クリスマスサンタさんゐる包装紙

🦌 クリスマスサンタ{ルビ来=こ}ぬ子に{ルビ4=ヨン}タ来る

🎅 降る雪も音符{ルビ奏=かな}でる聖夜かな

🦌 クリスマス真っ赤な服でピザ屋来た ....
溢るるは白紙にも似て時雨の日 コーヒーをやめて{ルビ白湯=さゆ}にす冬の朝

小春日の電車園児に満たされて

ふくよかな大根足の{ルビ娘=こ}もいいね

その音のパリッと淋し踏み落葉

シュッとして冬のゴキブリ安楽 ....
大根断ち白き純情現はるる

鯛焼の尾までうっすら{ルビ餡子=あんこ}かな

鯛焼屋客の多さに目が泳ぐ

鴨のんき見るぼくも又のんきかな

くるりんと体丸めて鴨潜る

{ルビ灯火=と ....
街角でティッシュ渡され冬の空

この冬は{ルビ暦=こよみ}通りの寒さかな

からころと下駄を鳴らして湯ざめかな

掃く人の去りて落葉がまたひとつ

野良猫も老いの歩みや落葉道

「 ....
詩の様に小花に秋の小蝶ゐて

食ふ顔も干柿に似るおばあちゃん

靴置き場{ルビ紅葉=もみぢ}もふたつ並びをり

妖精が紅葉を履いてやって来た

ぷるぷるの中に歯ごたへ橡の餅

干柿 ....
大福の舌打つ甘さ稲光

秋逝くも大福食うてのんきかな

大福の豆噛み殺し菊供養

品切れで焼き芋を買ふ焼き芋屋

焼き芋や思ひ出はみなほの甘く

この小銭さて豚まんか焼き芋か

 ....
この秋の思ひ出かぞへ指を折る

「さようなら」秋の蝶への一行詩

ランドセル並び小さな秋の恋

冬近しあの野良猫も見なくなり

秋寒しゆで卵の火弱くして

秋蝶のふと見失ふ行方かな ....
「君の名は。」

 
 {ルビ秋=アキ}といふ選手の名知りボディビル


「バック・トゥ・ザ・フューチャー」


 どん兵衛に五分待たされ秋愁ひ


「羊たちの沈黙」


 ....
歳なれどバッタみたいに跳ねてみる

歳時記もそろそろ冬のページかな

毒に死ぬドラクエのキャラ鳥兜

午後{ルビ紅茶=ティー}を買ふ自販機も壊れ冬

ハロウィンや職質なれど笑むカボチャ ....
 野菊 八句



足元に落ちてる様に野菊咲く

誘ふごと微かに香る野菊かな

永遠に翅音聴かざる野菊かな

野菊のみ逸れて地を打つ雨の糸

青い空雲ひとつ持つ野菊晴

野 ....
 ハロウィン 七句


ハロウィンのドアに小さなノックかな

ハロウィンにヤクザの白いお菓子かな

「おいでやす。」ハロウィンに言ふ京女将

ハロウィンや和菓子を貰ふ京都の子

 ....
核の冬まるい地球も腹立てる

ぼくだけのご馳走キュウリ・マヨネーズ

あの秋のテープを指で巻き戻す

白いもの髪に混じりて僕も秋

鯛焼を待つポケットの手も温し

元気よく風で後ろ ....
片足に秋の小蝶の影淋し

野良猫の影のか細く冬隣

基次郎レモンをひとつ置く書棚

さつま芋ご飯をつまむ{ルビ新=さら}の{ルビ箸=はし}

金柑を中心に秘めお饅頭

ふた口で終は ....
ふた口に消ゆる小遣ひモンブラン

こほろぎや僕はキュウリにマヨネーズ

{ルビ蜻蛉=とんばう}は{ルビ牧場=まきば}{ルビ蜻蛉=あきつ}は牧歌的

手を離し団栗拾ふ園児かな

男性をも ....
ごみ箱にポンと紙くづ冬隣

秋蝶の影消え風の軽くなる

つぶやけば淋し野菊といふ語感

うつむけば青空の色{ルビ牽牛花=けんぎうくわ}

それぞれに名の美しく秋の草

団栗のひと粒 ....
書きかけの手紙の様な薄紅葉

カーテンの影絵淋しく冬隣

秋しぐれ束の間淡き木々の色

シュッシュッと刻み金平牛蒡かな

稲の波案山子も少し溺れけり

生姜混ぜきれいな水で蕎麦食べ ....
げんこつの様な顔して虫が鳴く

猫じゃらし風とくすぐり合ひにける

まだ夢を見てゐる様に蟬の殻

やきいもを割ればその湯気天高く

永遠に感じ栗むく指痛く

主人待つ仔犬繋がれ冬隣 ....
やきいも屋マイカー磨く冬隣

{ルビ瓢簞=へうたん}の立たせてもまた転びけり

セクシーに腰くびれたる{ルビ瓢=ふくべ}かな

秋蝶の翳りありける小花かな

果たしたき夢まだありて残り ....
つなぐ手に夕陽の映えて赤とんぼ

ゲームにて地球を守り星月夜

野良猫の痩せたるを見て冬隣

防犯のカメラにピース菊の紋

風にまた雨音かはり破れ蓮

さつまいも料理出来ぬが生もら ....
{ルビ蜻蛉=とんばう}の消えて濃くなり空の色

もぐ人に青空近し青蜜柑

虫食ひもまた可愛らし初紅葉

秋の蝶止まる小花の定まらず

切り株に燃え移らむと苔紅葉

名を知らぬ風 ....
秋の蝶どこからか来てどこかへと

砂時計落ち切りて午後{ルビ酔芙蓉=すいふよう}

蟬の殻この世の何にしがみつく

宿題の夜長消しゴム転がす子

得た夢と失った夢蟬の殻

始ま ....
秋蝶の影を失ふ小花かな

ほやほやと優しき言葉ふかし{ルビ藷=いも}

鍋の中小さな{ルビ喧嘩=けんか}芋と芋

三日月に負けずバナナの曲がり方

きっと地球見てる人ゐて天の川
 ....
朝顔や手の届かざる空の紺

コスモスは風に倒され起こされて

{ルビ身体=からだ}より影長くして{ルビ飛蝗=ばつた}とぶ

かぼちゃ煮る母ゐる今を大切に

虫の音は心安らぐおまじなひ
 ....
夕暮れや紅葉を冷やす雲の影

流れ星窓に腰かけハーモニカ

色めくは雲のみならず秋夕焼

朝顔に歩み緩めて二歩三歩

朝顔や隣にまはす回覧板

登りきりそよ風のさき初紅葉

彫 ....
風香り木犀と知る曲り角

木犀の香る風折りポケットに

夕刊のあとに夕焼け赤とんぼ

空蟬に{ルビ未=いま}だ命の気配あり

木犀の香り初恋思ひ出す

ぴくりともせず蓑虫はお留守か ....
田中宏輔さんの俳句おすすめリスト(120)
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