寂しさの星座へ向かう一月半ば
諦めを一つ手持ちて鬼は外
もう良いと言ってほしいの冬銀河
冬の雨寂しいという合言葉
父がいないわたしは起きる寒き朝
かけがえのない思い出に浸 ....
ゆれる
場末のカウンターで一杯
曲と曲の合間の
エアポケットに燻ぶれ
ゆれる
ミュートしなよと
いつまで生きてゆくのさと
ゆれる
昼風呂にも様々な内外の境はあって ....
仮面をつけた憂愁が舞う
着飾った歌姫と水鳥たちは歌い、
色とりどりの声を散らして
哀しみの浮かぶ透明な空を渡る
広場では巨大なパエリアが炊かれ
裸の犬と子供、朱や紫の女にふるまわれた
....
草原は霧が立ち込め
まわりはよく見えないけれど
足元の花があまりにも綺麗だから
花冠をきみに捧げよう
ぼくはとても不器用だから
上手く編めるだろうか
十五年の歳月は満月のように重くて
一 ....
純白に
立ち現れる
アナタは誰?
優雅な笑み
その顔に浮かべ
燃え盛る黄金の
文字で記されて居る
のか、それは?
堤防が決壊すれば
すべて無に帰し
顔のまた ....
牡蠣鍋をまた作り父は不満顔
寒さに負けて今日はただふるえるよ
今日は日付変更線を迎えたの
歯医者の帰り冬の寒さは身に染みて
ポテトサラダ父のために作る小寒の日
悲しみに無 ....
ガーベラの
余りに赤い花弁の群れ
花冠を捧げ持ち
街中を疾走し始める
濃密な色彩の赤、
人の抱え持つ
存在への乾きを潤し
癒やし清めながら
前進しなさい、
魂の闇を取り ....
天気予報を観ながら
トーストをサクリと齧り
珈琲を飲みほしたら
履きなれたスニーカーの紐を締めて
ドアの鍵を放り投げ
今日が始まる
白い自転車のぴょん吉に乗って
何処まで行こうか
....
日々の暮らしを続けて十五年
首の傷は裏切りの証
それでも
あたり前の顔をしながら
鉄の仮面を被り過ごして来た
今朝の日輪はすべてを明かし
赤い溶鉱炉の焔に焼かれた醜い顔を見て
白日の ....
そっけない冬に迎える一周忌
寒さなどなんでもないと呟いて
緩やかな上り坂なり我が冬は
初夢は霧と消えゆくそんな朝
さよならを言いたいのだけれど冬の暮れ
年末のチンジャオロ ....
向こう遥か一斉に
ふくよか
こんもり深緑の
ひろがり生い茂り在り
掬い取ってくれるかのよう
スッパリ切れた眼下の奈落、
君と歩いた果てに覗き込む僕に切迫する
のんびりひっそり ....
朝に目覚め
外光浴び声上げ
生きて意識覚醒し、
死して内なる光
己、いずれ自ら放つ
緩やかに曲線描く街並み
向こう遥か白銀の輝き
何かが連なり在りて
にこやかに ....
すぎさるものいとし
いつものみちよるべなく
てのうちいれた指の
すぎるもの零れぬよう
はかりにかけるちのこえ
わすれてに仕舞う
いちぢくのみの爪さき
海のうちおちてくみ
ゆうど ....
君は何色なのかぼくは知らない
けれど 君の言霊が心地よくて
逢えるのが楽しみだ
ぼくはその優しさを抱きしめて生きている
西の空を眺めては
日々の約束を頼りに
君の名を呼んでいる ....
この世界の
平面直進する
時間の次元に
立体垂直の次元
貫入スルその瞬間、
どろんと昇った
下弦の月
濃密に暗む黄に
輝く巨大
死体安置所目前にした感触 を
死 ....
三が日いつもとは違う道を辿ろうと
お節もなくただお寿司だけ買って来たる
父と酔いわたしも酔って三が日
悲しいと一言言えぬ年の明け
白鳥の鳴いて過ぎゆき朝涼し
忘れられ二度 ....
冬空の蒼く凍結し
しずか独り小部屋に
打ち寄せる内なる光の波
次第ひろがる遠く奥へ
波打つ光の粒子無数無限
白銀の輝き増し揺れ躍り
内なる光景の自立し
弾む言ノ葉、力 ....
ぼくの言葉は少し狂っていて
何時も周りをひらひら飛んでいる
何を押し付けられてもなんのその
みんなそれぞれ自由な言葉で
明日を夢みているのだから
うちのたまは五百円玉が大好きで
お腹いっぱいになるのは十五万円
過日お腹が痛いというので
たま専用の銀行ATMでうんちをさせた
もうそろそろ
またお腹が痛いというだろう
たまは食いしん坊で ....
猫も杓子も
上から下に水が流れるのに問いも答えもない
食べて、排泄し、寝て、育ち、全うする
何処に産まれようが
何処で死のうが
自他画像
まず、目の前に別の顔が合って
....
なんにもない
ひろがり
ほんのりあからみ
そまりいく
磔刑の無力耐え忍び
呪言を読み聴かす
置き去りにされた夜に
〈向こう岸が見えるかい?〉
と、 ....
はだけ絡まり
伸びる枝々
繊細に
湾曲しながら
広がり扇状へと
メタモルフォーゼ
今、斜光に染まり赤々と
眼差し凝集し
陽の翳りの瞬間、
絶えること無き
生命という ....
夜中に目が覚めた
真っ暗な部屋に夜がひとり
しんと静まり返った夜が
ぽつんと立って、
なにも言わずにずっといる
朝まで立ちつづけたら
きっと疲れるだろ
よかったら、
ボクのそば ....
グラスを傾けながら
あの頃を想う
何も持っていなくて
三本立てのリバイバル映画を観ては
涙ぐみ
午前零時閉店のクラッシック喫茶が終わるまで
バッハとチャイコフスキーをリクエスト ....
まあるい串団子をほおばって、
まあるくなる、
きみの顔もまた、
まあるいお団子、
凍結した滝流れの透明な巨大、
ふと定位する白い部屋にひとり居て
清らかな陽射しに瞬きしながら息し
亀裂走り行く大地のゆるやかに確実に
ぶっとい虹の根元侵食する悪なる力動
純白 ....
魔と魔を均衡させる聖性にて
柔らかく硬く冷たく熱く生き
びっくらこともんどり打って
霜柱立ち、
踏み締めながら
我 自らを意識し、
魂の深みに白く暗まる淵在り
渦巻く純白の ....
黄昏に
カレーの匂う
帰り道
夏を置き去りにして
熱は大気に溶け
甘やかな冷涼
時に運ばれ来る秋に
真紅に染まった貴女
輝き出て私を眩ませ
両手差し出した瞬間
突然到来した冷気に
置き去りにした夏の
呪詛響き渡り ....
人、真に求めれば
それ、すぐそこにある
それ、直ぐ其処に在れば
人、真にソレ求めてたと
証される現
在るもの外から入って来る
感覚される次元の現、
在るもの内から現れ ....
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