金星が見えたよ、
暮れゆく空の
透明な青に
輝き出で

それは確かな遠さの刻印だ




燭台の
蝋燭の炎は
ゆらゆら揺れて
聖書は漆黒の闇に
白い枠組みに包まれ現れ

 ....
点は線になって
そして
裾野は広がって
裾野は輝く草原としての
青い営み
わたしたち
純然たるacidだから
溶けるエナメル質
ほら、最後の乳歯は抜けて
鼻先でワルツを踊る
わたし ....
響きあるもの
ただあるもの
意味なき宇宙の
ただあるもの 
響きあるもの
宇宙のあるもの

響きに潜むもの
ただ在るもの
意味超え宇宙の
ただ在るもの
響きあるもの
宇宙に潜む ....
目を覚ましたおれは椅子に座ったまま縛り付けられていた
目の前に立つ男は謎を解けと言った
謎ってなんですか?
これだ。男はハンマーを振り上げて振り下ろす
肘掛けの上に固定されたおれの右手の甲は叩 ....
遠い遠いシベリアの
極寒の空気をのせて

冬鳥たちがやって来た

街では木枯らしが
木の葉を散らし

フトコロのお札も散らす

裸にされる老木に
わが身を重ね

戦争を
止 ....
薄暗い闇のなかを
自由に躍る
漆黒の闇の切迫
予感しながら
夢はみない、
希望はない、
絶望はない、
ただ此処に留まり
この薄暗い闇の位相に、

自由に躍る



真夜中、 ....
愛しい、という感情
愛しい世界、というオドロキ!




アジの開きが店頭に並べられ
幼子は母親が店内で勘定を済ましてくるのを
待っていた
アジの開きを弄りなから、
長らく長らく待 ....
ぶらんぶらんと
そらをみる
ゆらんゆらんと
くもながれる
つきぬけるあお
あおいでいる
わたしはこれから
いなくなる

あかるみに
あおぞらはなつ
あかるみに
あるものあるもの ....
しまうまの背中のほとりから
ぽとりぽとりと
鳥がしたたり
私は保健室にまたがる
星と星を繋ぐ線の上
補助輪の外れた犬が
がーがーきぃーきぃー吠えている

森を抜けると
海があり
こ ....
燃え立つ光、アフリカの太陽
肉を感じ、自らを感じる
愛の交わり、この肉を産み
名もなき通り*1を歩いて歩いて
一足の靴*2、色褪せ輝き

造形され、濃密に 在る


過ぎ行く時に、
 ....
優しく、激しく
ひたすら開かれ
しなやかに躍動し

風は吹いて、風に晒され

熱 巡り
肉を、魂を、
熱 貫き

込み上げるものを、
沸き立つものを、
突き止め突き離し

 ....
やわらかにゆれて

秋の日差しが

大気をふるわせ、あたため

ひたすら横になる
わたしの苦痛を

くつろがせ、やわらげ

柔らかに眼差す
秋の日差しが

わななく肉を
 ....
そして今また大切な
ものを失くしてそれを
アマゾンしようとしていて
して
しばらくして現実
見つかって
こっちも罪悪感が
無いわけじゃないんで
サラジーの重たい
写真集を
開きカメ ....
ぽかん、ぽかんと
生きている

危機に瀕しながら

生き生きとして
地を踏み締め
天を見上げ
海を想う



夕陽に燃える
水平線、
湾曲して
波逆立ち
溶けていく
 ....
俺はこれから
床屋へ行く

伸びすぎた髪を掻き上げる
五本の指に、
確かな熱の伝導

今日も青い青い空が包む

街は人々は光彩に躍り、

肉の激痛は未だ始まらず
俺は大地を蹴っ ....
つかり過ぎた漬物は
塩辛くてマズいものだが

ウソつき署長に
寝ていた長官とは

韓国の警察の
署長や長官も

お役所仕事に長年
ドップリつかって

マズくて
食えないヤツに ....
笑いながら枯れていった
夏草の影は
種子を残さなかった
わたしたちの手のひらには
やがて海が降り始めた
砂の建築物がぽつぽつと建って
線路が敷かれた
私鉄沿線沿いの小さな部屋で
わたし ....
ゆだねあかす
ときのながれに
ずんとしずみ
ふんといきる



その場に座り込み
明けた空を臨めば
今日は無気力、
と書いてある
脱力して
ふぅと息吐き
なんていうことない
 ....
逆流

先のイクサが終わり
新しい石垣は重量感がなく
曲がり角の隙間の爆発物の
二本のコードの前で処理班が
頭を抱えていたころ

時を誤魔化したみどりの女人は
旗の手入れに余念がなく ....
暗い森に置き忘れてきた
太陽を取り戻す
深い森に沈んだままの
陽の光を取り返す



捕縛されて
汚されて
捕縛して
汚して
人生はゲーム、
いつの間にか
取り憑かれ
取り ....
痛む眼、病んだ肉体
青い空、道行く人々

街は今日に開かれ、

ぽつん、ぽつりと
言葉をあらわし

わたしは私を突き放つ、

晩秋の街並みに
繋がり起立し

深く浅く息を継ぎ ....
不安定が鼓動を刻む、

冷え切る肉が曝される、

狂いそうになり
静まり返り
狂いそうになり
白壁を凝視し

りんかくを失うわたし
実感が離れていく存在

冷えるねぇ
今夜は ....
白い途をとおって
月の光は
やって来る
ぽっかり
内部から浮かぶ
ように
ひょっこり
内部から立ち上がる
ように

しんとして、しんとして

染み渡り浸透する
肉を掻き分けて ....
層なす雲が
冷気とともに
やって来る
空の青み、
ぽっかり
空け
うっとりゆっくり
歩を進める
わたしの
透明な足を
掬っていく

宙に浮かぶように
宙を彷徨うように

 ....
「冷たくても、冷たくなくても、神はここにいる」カール・ユング


厳然と老いと病と死のリアル

病み疲れ独りになり響く光

象徴を思考しながら湧く感情

すべて在りこの世界の内ただ全 ....
船に乗る
あなたの影、
月の光に運ばれて

白々と
伸びる途、開ける未知

流動し、輪郭形造る光彩に
非物質の神聖 響きわたる




船に乗る
あなたの影、
月の光に運 ....
ひかり、ヒカリ、光、
溢れ
木々の葉群れは紅に
輝き
移り変わる世界を
見つめる眼、

碧天に溶け

帰来する透明な
この意識に、

秋、黄金となり降って来る
結局ビリヤードにはいかなかった
じゃんけんはチョキからはじまる

今朝の夢は
このあいだ川に流した軽い子猫の死体を食べる夢だった
きがついたらそのぶちの子猫をかじっており
毛の内 ....
漆黒の
闇に浮き立つ
開いた聖書
燭台に燃える
蝋燭の炎、揺れ
繋がらない世界の
剥き出しの相貌、
切迫する

静けさの響き、
辿り着けない城、
界は奥まり広がり
わずかな手掛 ....
白髪が
人差し指に
引っ掛かり

もつれる時、

深い森は唸りをあげ
不安定な内面を抉る、
汗ばむ手のひら
崩れる砕氷

青い天空は相変わらずに
その豊かな乳房を揺らし
通り ....
田中宏輔さんのおすすめリスト(5216)
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