夜風に紙垂がゆれる
一文字だけの汗
斜影のない自転車を追いかける
金星はいつも金星で
見上げれば笑う檸檬の月
御前三杯酢をと乾く舌から 季節は巡り
....
雪の頂きへと進みます
あなたと隣り合いお茶を飲み
雪壁は凍りつき輝き神が宿るよう
あなたはいつもチーズケーキと紅茶
頂きは遠い途方もなく遠い
あなたは若く微笑みは優しい
ピッケ ....
ぽつんと ひとり
つめたい かぜ
ふいてふきつけ
つーっ と 水
はだをつたわり
したたりおちる
母の腹の底に沈む
母の腹の其処に浮かび
六歳の美奈坊と絡み合 ....
茫洋と
宙に浮く
私の意識が
けだるい身体を
支配する朝、
路面は雨に濡れ
ひかり、
コンビニの前に並んだ
自転車たちの
在る輪郭が
黒く艶めくアスファルトに
浮き立つよう
そ ....
どうしようもねぇな
つながらねぇ
あめはふりつづき
みつからねぇ
死ぬしかないのかな
生きるしかないのかな
かあさん、かあさん
実在が立ち上がる瞬間、
切る、斬る ....
響、響、響
連鎖し連弾され
繋ぐ
この世界の、
次元と次元
響、響、響
路面に濡れた雨の痕跡は、
軒下にて透明を見つめる少年の その存在
世界の、この内で
あ ....
路面が濡れている
静謐な朝
一晩降りしきった
雨の響きに
喚び起こされた
深い歓びと哀しみの輪郭が
街の八百屋の主人を透過し
街のコンビニの店員を抉り
そっと そっと
....
この世に
善などというものは
めったに存在しない
ちょっと
まわりを見ても
酒タバコ、ワクチン、戦争
などなどと
小悪、中悪、大悪の
どこもかしこも
悪だらけ
....
青い空、深く
包み込まれ
清澄な甘露
探しながら
柔らかな、
優しい、
女の抱擁を
受け容れる
生々しい
艶かしい
懐かしい
声に
意識を
明け渡し
旅は続く
休 ....
異邦の人、独り
高曇りの空、歩む
街、穏やか
涼風は吹き抜け
現に馴染んだ者達
群れをなし
秋の甘やかな大気に浸る
異邦の人、独り
平静に包まれ
高曇りの空を歩みながら
....
販売促進事業部のマドンナ辞めてたましぐれ
余興の南京玉すだれ手拍子あわず失敗のあと
糖分摂って飯喰らい明日の予定を気にしつつ
おおきな意味でVUCAの時代にたむけるは
解釈できずに答えは後回し ....
値上げ品目数が
過去最高に
なんて
ニュースがあったので
さっそく
よく買うものの値段を
ネットスーパーで調べてみたら
チョコパイだけが
2割ほど上がっていた
その他 ....
見えるものがある
見えないものがある
意識はどちらにも開かれ
わたしは目醒めながら
じっと耐え見据えている
白い骨、剥き出された肉
灰色にウネル空、歪み伸びる糸杉
無数の肢体が躍る宇 ....
この曇天の大気に
秋の甘やかな匂い
微妙に含まれ漂い
確かな秋という季節の現れが
わたしの意識を鮮明にする
用水路の土手沿いに
赤々と咲き並ぶ
彼岸花は未だ
見い出せず ....
太陽へ 昇っいく
闇に 包まれ
悪夢を 抱え
太陽を 目指す
すべては剥奪され
すべては創造され
恐怖と歓喜、恐怖と歓喜
*
意味を思考を奪われた
あるものアルモノ襲 ....
眼が在り映り凝視し続ける眼に
脳裏の戦場の消えない殺し合いか
眼前の草むらの裸の子供らの激しい絡み合いか
展開され焼き付けられるその光景
草むらの草いきれも
左足にぐるぐる巻かれた包 ....
その年の
名曲たちを知ろうと
ここ数年
紅白歌合戦を見続けているが
なんと
ほとんど心に響くような
名曲には出逢わない
もちろん
古い昭和のヒット曲や
昭和の有名な
....
叫び、裂ける
記憶の奥に佇み
記憶の億を掴み
ただただ、わたしは畏怖する
ただただ、わたしは優しくなる
神々が踊る躍る
頂きの透明な湖面に
内底から、ぽつんとポツンと
涌出する ....
混沌とする現実に、
均衡を欠きそうになりながら
薄氷、噛み砕き
バランス、
ばらんす、
中庸、保ち
太陽を凝視しながら
喜んで溶けて盲いる
限り無く闇に沈み
....
幼子、ちっちゃいね
父親、おっきいね
でも、同じ肉体なんだ
同じ肉体を纏っている
なんでかな?どうしてかな?
可愛い綺麗な成長の渦、
私のこころ驚きに満ち、
髪掻き上げた ....
蛾も蝶も僕の中ではアゲハチョウ
引き分けの喧嘩で帰る赤とんぼ
眠たい正午ダンゴムシいじってる
時計の針がさしている虫刺され
踏んづけた蟻の数だけ怒られる
蜘蛛の巣に絡め取 ....
棚引く雲のように
白く身を浮遊させ
何の企図も無く
この世界の旋律に
わたしは深く
包み込まれる
荒涼とした大地、
倒れゆく街並み、
闇の匿名性の襲来、
老いて生々しい
あ ....
暗黒物質や
暗黒エネルギーなんていう
いやな名前の
おかしなものが
宇宙にはあるらしい
あるらしい
なんてもんじゃなくて
なんと
宇宙全体の物質エネルギーは
74 ....
父は沈黙を支配し
静謐は直観に従う
深夜に一日は生動し
わたしの思考は
宇宙へひろがる
この戦慄を貫く混沌、
この旋律を貫く企図、
躍る世界は荒野の声を響かせ
雪に ....
この疼痛
なんぼのもんじゃい
と、
髪
掻き乱す
肩までも
降りてきた
この痛み
布団、はねのけ
肉は震える
ハッキリと
苦なら苦と
言い、
切る
勇気
明日 ....
無二の友
パレードの脇
すり抜けて
丸い地球の
何処へ行くのか
おい
いったい
いつまで居座っているんだ
と
怒った冬の兄貴が
10月になっても
しつこく居座りつづけた
夏の姉貴を
冷たい木枯らしで
追い出した
ここ数年
....
眠たげな空、
わたしは滑り落ちて
ひかりの大洋へ
雨降り
ひたすら泳ぐ
ひかりの大洋へ
大空、裂ける
青空、割れる
遥か臨む、
谺のウチュウ
熱い魂と熱い魂のぶつかり合い
....
近藤さんちの広い庭の半分は
辺り一面緑の草原だった
君には僕がみえないの?
綺麗な君、
僕には君が見える、
僕には君が視える、
近藤さんちは鍛冶屋だった
溶けて黒ずんだ坪 ....
山積みしていた辞書が崩れてしまった
ので再構築しているというのに
何故か
今まで使っていた文字や概念が
見当たらないというか使用できない
再構築から抜け落ちたものが
あるのか無いのか
....
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