十九
土間のかおりが濃い風の中で
今もまだ鏡を磨くその人は
母方の大叔父だった
茶摘みが好きな
ハモニカの上手が
無口な夏の
終わらぬ波の狭間へ
時の流 ....
人生は貴重な時間なのに暗すぎてついていけないわ。
ぼくのとるに足りない人生を肯定しながら否定して
生きていくのか君の生き方を否定しながら肯定する
見方なのかがネガティブとポジティブの違いの根っ
....
この大地に地球に
地面にシッカリ足を付け
天国を地獄を
この世界裏表
認め識る、
「現実感覚がひたすら観る行為のなかへ消える」*1
(受動性から能動性へ、そうすればソレ 受動的訪れ ....
氷の季節には回虫も動きを止めていた
突然太陽が暴れだしたのでリンコ/僕は逆らうことを諦めた
ゆるせないのは涼しい顔をして腹の虫を肥らせていること
弱虫と見せかけて強い者には抵抗し、さらに ....
悟性論理的思考
と、
純粋直観的思考*
の、
狭間にて
感じ想い高揚し鎮まり
訪れる静かさの内に
記憶の触手を伸ばし
憧れ懐かしく脅え諦めて、
この濃密なより暗まる空 ....
私たちは畔にいる
この川に隔てられ
あなたとわたし
大空の下 太陽の下
絶え間なく絶え間なく
落ち続けて昇り続けて
洋上で過ごすように
日がな一日、
畔で待ち続けて
絶えず思い出 ....
砂を、食べている
無限に広がる
砂漠で
時々蜘蛛を、見つける
その、内臓も食べる。
そうして今日も
照りつける太陽に焼かれて
流れ出る汗と熱に
揺れる視界に
方向感覚 ....
うっすらと夕闇
鳩 飛び止まる
向かい家のアンテナ 暗く銀
ああ この熱風の感触、懐かしく
ふわりしずか吹き頬にそっと触れ
うっすらと夕闇
やがて漆黒夜闇
進む時に 瞬間 ....
いちちゃが
いちまでぃうんな
あんしぇーまたやーさい
(なぁ、けえてぃくんな)
——
何時来ゃが
何時迄居んな
あんしぇーまたやーさい
(なぁ、帰てぃ来んな)
....
薫陶受ける魔と魔を均衡させ
柔らかく硬く熱く冷たくいき
ひっくり返っては起き上がり
せみしぐれ、
さるすべり紅に
一瞬 息絶え、
魂の深みに白く暗い淵の在り
渦巻く沈黙の肢 ....
西の空に日は落ちて
仄かに明るむ茜色
富士は威容を際立たせ
茜の地平に黒々と
聳える巨大なシルエット
すべて静かさの内にあり
遥かな遠さを落ちていく
わたしもあなたも別々に
遥 ....
わすれずに突き通す串8の月
*
Inkweaver
申し訳ありませんが、その表現については具体的な情報を持っていません。"わすれずに突き通す串8の月" がどの ....
汗が目をつたい
塩辛さが痛い
草は水を失い
根無し草を被っている
ミンミンゼミは狂い鳴き
一日のはじまりから終わりまで
命の終末まで生を主張する
夏は終わろうとしていた
....
砂粒がかがやくと
水際はふたたび沈んだ
土用の波が音をたてて崩れる
台風前の静けさが
妖しい雲に包まれていた
あの賑わいは、
もうない
貸しボートも
焼きそばも
かき氷もやってい ....
とほいとほい潮騒聴き
遥かな潮の満ち引きは
内鳴る無限 その感触、
夜陰の浜辺 小さき蟹
無数群れなし横走る赤
脳裡に焼き付き蘇る色
浮き上がり浮き彫る刻、
私はいったい ....
夏の獣、
身震いし
ぶち撒け
力動する核
咥え引き裂き、
無限の感触
熱し燃え
残響し
夏の獣、
戦慄いて
動かず。
銀白の月の輪郭、
余白の隙間に
鮮やかな青み
浮かび上がり
コレハナンダロウ?
遠い声の木霊、
遥かな潮の満ち引き
浮遊する青み流れ出し
欠落し満たされていく
銀 ....
ポリフォニックな音群が
時を切り刻んで持続する
僕らは没頭しながら従う
開ける光景は予感を帯び
明るんだり暗んだりして
いずれもそこは極北の地
いずれもそこは極楽浄土
あなたはすっと泳ぎ ....
{引用=
ぼく に は わ
かる 、
きみの かわい とこ
が 、
何処かで 失われた
ないぶが
表皮の裏側で
うずくまって いる
....
奇妙な生き物
近付いて来る、
一歩一歩 羽ばたいて
青い眼をして白い力線
描き湾曲しくねり唸り
空漠のひろがり
生きている意志、
その残響刻まれ
光の闇に闇の光
にか ....
過夏、アキ、コメット伝言 わらべから
*大矛盾。社内で行う第三者委員会。
**超現実。分裂することでの刹那の安心。
***近未来。言葉と文字と情報で構築されたネット詩人たち。
....
作品以前の原初の詩、
創造的な力動のこの核
ヒビキのヒカリ 踊る躍る、
ヒカリのヒビキ 踊る躍る、
荒々しく細やかなその力動
紡がれ折り重なる幾何学模様
わたしはあなたがわ ....
心の舞台に 躍動する純白
見る観る観入る
外界閉ざされ遮断され
沸々と湧き上がる
また始まる初めての現
闇の光に
裂開する瞬間に
薫り開いた一輪の色
無垢を汚 ....
ぼくはどこへゆくのかなぁ
ポケットにビー玉がじゃらじゃら
麦わら帽子に少し汚れたランニング
ビーチサンダルの鼻緒はブルーだった
あの頃のぼくはもういない
灼熱の街を黒い革靴でさまよう
....
柔らかく白く歪な形に輝き響かせ
ふっくらふんわりふらりふゆうし
あるもの在るものと頷かせ白雲よ、
わたしのたましい大きな巨きな歌
火球燃える天空に開放されながら
こんなに色づき薫り漂 ....
くもひとつない、
困り果てた青空のした、
それでも、毟ろうとする、
土ようびの、
しごと、
土鳩のように、首をかたむけて、
いやでも土と向きあう、
ことになるから、
それは、
ホント ....
密集する緑の群れ
鮮やか葉の揺らぎ
その木立隙間に
覗く向かい家の台所の窓、
橙の暖かな明かり早々灯り
空は水の色 なんて透明に澄みわたり
遠く灰の雲 地平からすっと首伸ばす
....
息を吐くように嘘をつき
息を吐くように詩を語り
息を吐くように哲学とか
そばで僕は
息を吐くように見過ごす
息を吸うように語る人に
息を吸うように耳傾ける
破裂する水素の浮遊、
熱せられた鉄板は伸び
連打される削岩模様の光滴
やがて寂れる恋愛残照近付き
曲線の湧出と膨張に伴い上昇する雲海
なんだろう?
笑ってしまう、
わたしに ....
白昼夢のように
陽炎に揺れる空の青み
光のなかへ還っていく
熱するアスファルト踏み締め
延々と続く葬列蒼白く微笑み
光の庭で踊り叫ぶ狂女の言の葉、
舞い散らし受け止め呑み込んで
....
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